全国味噌特集
全国味噌特集:出荷=19年は0.1%減 業務用・即席向けが好調
全国47組合848社が加盟する全国味噌工業協同組合連合会によると、2019年の味噌の累計出荷量は40万4832t(前年比0.1%減)だった。家庭内調理機会の減少で10年ほど前は右肩下がりの状況だったが、ここ数年はほぼ横ばいで推移。業務用や即席味噌汁向けの供給が貢献し、出荷量の下げ止まりには歯止めがかかったと言えそうだ。
単月では1、4、7、9月が前年実績を上回った。残りの月はすべて前年を割り込んだ。特に消費増税以降は出荷量が大きく落ち込み、通年では前年比0.1%減で着地した。
全体的に出荷量が伸び悩む中、エリア別では長野県が20万3495t(同1.1%増)。総出荷量の約半分を占める長野県のプラスが全体の数字を押し上げた。
続く愛知県は3万4635t(同0.6%減)、群馬県は2万8772t(同1.5%減)、北海道は2万2693t(同1.3%減)だった。大分県は1万8035t(同0.5%増)で微増だったが、山梨県は1万2113t(同1.4%減)だった。1万tには満たないものの、出荷量の多い徳島県(同1.4%減)、富山県(同0.8%減)、福岡県(同4.4%減)でも軒並み減少した。
国内出荷量は2008年以降減少が続いていたが、近年は業務用や即席味噌汁への原料供給、輸出が増えたことで横ばいで推移している。連合会では出荷量維持に向け、食育を柱に据えたPR事業に注力する。地域在住の味噌に理解がある食育活動家と立ち上げた「MISO食育ネットワーク」をさらに深耕し、複層的なプロモーションを行う計画だ。