全国味噌特集
全国味噌特集:春の新商品 即席・加工品・調理味噌に存在感 既存品刷新も
大手メーカーを中心に春の新商品が出揃った。味噌の新商品は少なく、時短・簡便・健康ニーズに対応する即席味噌汁や加工品、調理味噌などの新アイテムが多かった。既存商品やシリーズのリニューアル、包材・パッケージデザインを刷新する動きも目立った。ここでは今春発売された新商品の中から特徴的なアイテムを抜粋して紹介する。
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マルコメはコラボレーションアイテムを強化。青森に拠点を置くかねさが製造する津軽味噌4品を発売する。昨秋発売して好評だった東京・恵比寿の日本料理店「賛否両論」店主・笠原将弘氏監修のシリーズには味噌漬けの素やドレッシング、ごまだれを加える。「医者が考案した『長生きみそ汁』」の著者が監修した液みそも発売する。冷凍パスタでは日本製粉と初コラボするなど、異業種との連携も進める。
ハナマルキはパウチタイプのだし入り味噌2品をリニューアルした。これまで別ブランドで展開していた両商品のパッケージデザインを統一し、使いやすいパウチタイプ味噌の新ブランドとして強化する。
マルサンアイは液状味噌「鮮度みそ」シリーズから、料理専用調味料として「これ一本でお料理いろいろ みそまかせ」を発売。ブランドサイトも立ち上げ、レシピ提案を積極的に行う。
フンドーキン醤油も麦味噌に豆味噌をブレンドした「らくらく味付けクックみそ」「生詰無添加あわせを使った液状みそ」などの液状味噌を開発した。味噌汁にも味噌料理にも使える利便性を訴求する。
ひかり味噌は有機味噌5品と有機即席味噌汁1品を環境配慮型パッケージにリニューアル。容器のPET素材の一部にバイオマスプラスチックを使用し、全国のスーパーや海外市場で販売する。
イチビキは調理味噌カテゴリーを強化する。大葉とナッツの風味が豊かな野菜専用の具入り味噌「野菜と一緒に食べる味噌」、大豆ミートと豚肉そぼろ入りの「肉みそ風」はいずれもキャップ付きのスタンディングパウチで販売する。
サンジルシ醸造は「ごくのみ あまざけ入り合わせみそ」のほか、三重県産の海苔を使用し桜エビとエビ粉で海の香りが楽しめる「桜えびと海苔のみそ汁」などを全国展開する。
ユニークな即席味噌汁の発売も目を引く。 永谷園はファンケルの人気サプリメント「大人のカロリミット」とコラボしたカップ味噌汁「大人のカロリミットみそ汁カップ 野菜と海藻」を開発。難消化性デキストリンを配合し、食事の糖や脂肪の吸収を抑える効果を見込む。
味の素社は「具たっぷり味噌汁」シリーズに「小松菜とねぎ」を追加。個食タイプのフリーズドライ味噌汁のラインアップを強化した。
アサヒグループ食品はアマノフーズブランドから「うちのおみそ汁 しょうがと長ねぎ5食」を発売。塩麹を加えることで風味豊かでまろやかな味わいに仕上げた。
神州一味噌は美容・健康に関心の高い女性ユーザーを意識し、3種の海藻と2種の雑穀を配合した「毎日すこやか みそ汁小町 海藻5食」を発売した。
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◆全国味噌特集:生活形態の多様化で“転換期” 簡便・個食化への対応急務
調味料 特集 2020.03.18●商品に合わせた施策を 味噌業界を取り巻く環境は大きな“転換期”を迎えている。人口減少や高齢化の進行で食品市場全体が縮小する中、生活形態の多様化が進み、食生活の面では簡便・個食化など大きな変化が見られるようになった。味噌業界では従来のジャンルを超えた液…続きを読む
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全国味噌特集:出荷=19年は0.1%減 業務用・即席向けが好調
調味料 特集 2020.03.18全国47組合848社が加盟する全国味噌工業協同組合連合会によると、2019年の味噌の累計出荷量は40万4832t(前年比0.1%減)だった。家庭内調理機会の減少で10年ほど前は右肩下がりの状況だったが、ここ数年はほぼ横ばいで推移。業務用や即席味噌汁向け…続きを読む
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全国味噌特集:トレンド=減塩味噌に注目 汎用性高い加工品も人気
調味料 特集 2020.03.184月から適用される「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には、高齢化社会に対応する虚弱(フレイル)予防・生活習慣病予防への対応などが盛り込まれた。高齢期の疾病予防・低栄養防止策として『具だくさん味噌汁』を推奨する動きもあることから、塩分を控えた減塩味…続きを読む
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全国味噌特集:輸出=量・金額で過去最高 新型コロナで先行き不透明
調味料 特集 2020.03.18財務省がまとめた最新の貿易統計によると19年(1~12月)の味噌の総輸出数量は1万8444t(前年比8.4%増)、輸出金額は38億2500億円(同8.7%増)でいずれも過去最高を更新した。韓国や台湾への輸出は減ったが、タイや中国、カナダ、英国へは2桁増…続きを読む
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全国味噌特集:消費=家計調査、支出横ばい・購入減 消費刺激策に期待
調味料 特集 2020.03.18総務省の家計調査(2人以上世帯)によると、19年の1世帯当たりの味噌に対する支出金額は前年とほぼ同じ2200円だった。購入数量は5076g(前年比2.8%減)で約118g減った。100g当たりの平均価格は43円だった。 過去10年の消費動向の推移を見る…続きを読む
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全国味噌特集:春の新商品 即席・加工品・調理味噌に存在感 既存品刷新も
調味料 特集 2020.03.18大手メーカーを中心に春の新商品が出揃った。味噌の新商品は少なく、時短・簡便・健康ニーズに対応する即席味噌汁や加工品、調理味噌などの新アイテムが多かった。既存商品やシリーズのリニューアル、包材・パッケージデザインを刷新する動きも目立った。ここでは今春発売…続きを読む
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全国味噌特集:2019年通期POSデータ分析 強いマルコメ、だし入り・減塩が…
調味料 特集 2020.03.18日本食糧新聞社が代理販売するPOSデータ(KSP-SPが独自に集計し、流通システム開発センターを通じて収集された全国980店舗から構成されたデータ)を分析し、2019年通期(1~12月)の味噌の売上げランキングを作成した。最大手のマルコメが強さを発揮す…続きを読む
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全国味噌特集:新型コロナでイベント中止相次ぐ
調味料 特集 2020.03.18新型コロナウイルスの国内感染拡大を受け、メーカー各社は感染防止のため相次いで工場見学や味噌仕込み体験会、イベントの中止や延期を発表した。発酵食品への関心が高まる中、消費者に味噌の魅力を直接伝えられる貴重な機会が奪われた。 北海道の福山醸造は、2月20日…続きを読む
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全国味噌特集:“日本一の味噌”が決定 ハナマルキなどに最高賞
調味料 特集 2020.03.18その年の“日本一の味噌”を決める「第62回全国味噌鑑評会」が昨春開催され、ハナマルキ「おかあさん」や小川醸造場「極醸 地大豆みそ」など6品が最高賞にあたる農林水産大臣賞を受賞した=写真。鑑評会のために特別に仕込んだ味噌のため市販されることはないが、受…続きを読む
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全国味噌特集:関西地区動向=京都白味噌、業務用を中心に堅調
調味料 特集 2020.03.18大手メーカーの関西拠点の販売は順調だ。生味噌では引き続き無添加タイプの動きが良く、即席も大容量やカップ系を中心に好調な推移が続く。麹商材はそれぞれが育成する商材が順調に市場に浸透し、さらなる市場拡大へ強化戦略を推進する。京都府の19年1~12月の出荷…続きを読む
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全国味噌特集:四国地区動向=差別化商材で独自性訴求
調味料 特集 2020.03.18四国4県の中では、徳島県の実出荷量(19年1~12月、全国味噌工業協同組合連合会調べ)が6771t(前年比1.4%減)と圧倒的に多いが、年々減少傾向にある。県内では特産の御前味噌を中心に地元味噌の消費割合が高く、かねこみそ、ヤマク食品の2大手がシェア…続きを読む
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全国味噌特集:関東・静岡地区動向=多様化の味噌売場 個性生かすPR重要に
調味料 特集 2020.03.18関東地区では売場の多様化が進んでいる。大手メーカーの基幹商品やPBが棚の大部分を占める中、液状味噌やパウダー味噌、調理味噌など新しいカテゴリーの商品が定番化しつつある。ただし、棚のスペースが限られているため“棚落ち”するアイテムも増えてきた。店頭で生…続きを読む
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全国味噌特集:北海道地区動向=少子化対応など動き安定
調味料 特集 2020.03.182019年1~12月の北海道内味噌出荷数量(北海道味噌醤油工業協同組合調べ)は2万2692t(前年比1.3%減)、仕込み数量2万2528t(同1.6%減)となった。売場では道産原料をはじめ、無添加や減塩といった健康志向、300gパック小容量など、こだ…続きを読む
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全国味噌特集:長野地区動向=大手は多彩、中小は独自性
調味料 特集 2020.03.18「信州味噌」の地元、長野県は、国内トップクラスの大手から中小、蔵規模の醸造場まで約120社がひしめく味噌大国。全国出荷量に占める県のシェアは、約50%に及ぶ。 全国味噌工業協同組合連合会がまとめた県の19年の味噌実出荷量は20万3495tで、前年を…続きを読む