全国味噌特集

全国味噌特集:輸出=量・金額で過去最高 新型コロナで先行き不透明

調味料 特集 2020.03.18 12027号 07面

財務省がまとめた最新の貿易統計によると19年(1~12月)の味噌の総輸出数量は1万8444t(前年比8.4%増)、輸出金額は38億2500億円(同8.7%増)でいずれも過去最高を更新した。韓国や台湾への輸出は減ったが、タイや中国、カナダ、英国へは2桁増だった。今年に入り新型コロナウイルスの影響で輸出が減少している。長い目で見れば今後も拡大傾向は続くと思われるが、先行きは不透明だ。

国内消費が伸び悩む中、世界的な日本食ブームに後押しされる形で味噌の輸出が増えている。農林水産省によると、海外の日本食レストランの数は約15万6000店。17年の前回調査から約3割増えた。アジアには10万1000店、北米には2万9400店、欧州には1万2200店があるとされ、特にアジア地区での店舗増加率が高い。

輸出相手国・地域別では、米国が4817t(同4.8%増)。直近2年間で北米の日本食レストランは2割増加し、今後も業務用で輸出が伸びると予想される。2位はタイで1558t(同27.1%増)。韓国や中国を抜いて一気に2位に躍り出た。韓国は1416t(同9.5%減)で、日韓関係の悪化から近年輸出量が減少している。続く中国は1388t(同11.3%増)、カナダも1018t(同13.7%増)で大幅に数字を伸ばした。イギリスやフランスなど欧州への輸出も増加傾向にある。

ただ、新型コロナウイルスの影響で今後の輸出に関しては不透明だ。1月の輸出数量は1048t(同5.5%減)で着地。感染症の拡大が本格化した2月以降も輸出は前年実績を下回っている可能性が高く、好調だった輸出に暗雲が垂れ込めている。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら