第55回食品産業功労賞

◆第55回食品産業功労賞:生産8・技術1・流通6・外食2氏に

総合 2022.11.01 12488号 01面
写真は21年11月4日開催の第54回(令和3年度)食品産業功労賞の贈呈式・祝賀パーティー(ホテルニューオータニ東京〈東京・紀尾井町〉)から

写真は21年11月4日開催の第54回(令和3年度)食品産業功労賞の贈呈式・祝賀パーティー(ホテルニューオータニ東京〈東京・紀尾井町〉)から

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写真は21年11月4日開催の第54回(令和3年度)食品産業功労賞の贈呈式・祝賀パーティー(ホテルニューオータニ東京〈東京・紀尾井町〉)から

 ◆業界発展と隆盛に貢献

 日本食糧新聞社制定、農林水産省後援の第55回(令和4年度)食品産業功労賞は1日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ東京で贈呈式が開催される。今回は生産部門8氏、技術部門1氏、流通部門6氏、外食部門2氏の17人に贈られる。賞の目的は、わが国食品産業界の発展と隆盛に大きく貢献し、偉大な功績を残してきた功労者の顕彰。1967(昭和42)年、日本食糧新聞の創刊25周年を記念して制定した。これまでに生産部門で342人、技術103人、流通191人、外食34人、特別賞18人の累計688人を表彰した。歴代の農林水産大臣をはじめ、食品・酒類・流通の各業界、関連する産官学から約300人が参加し、受賞者をたたえる。(吉岡勇樹)

 〈生産部門〉

 ●伊藤秀二氏(いとう・しゅうじ)

 カルビー代表取締役社長兼CEO=1957年2月25日生まれ、福島県出身。

 社長就任後、売上高を倍増させるなどカルビーを国内有数の製菓メーカーに成長させた。09年、米国ペプシコ社とスナック事業で資本・業務提携契約締結を推進し、11年3月、東京証券取引所第1部上場を実現。20年8月には、ホクレン農業協同組合連合会と連携協定を締結。日本の農業とスナック産業の発展のための大きな役割を果たした。

 ●河邉哲司氏(かわべ・てつじ)

 久原本家グループ本社社主=1955年4月17日生まれ、福岡県久山町出身。

 4代目を継いだあと、「椒房庵(しょぼうあん)」「茅乃舎(かやのや)」などのブランドを本格展開。全国へ向けたアゴに代表される九州の食文化の普及で貢献するとともに、近年は北海道産原料を使った食品の開発に努める。今後海外へ向けては、関係する企業や団体と連携しただしの魅力発信に一層注力するビジョンを描く。

 ●小高愛二郎氏(こだか・あいじろう)

 エイワ代表取締役会長兼CEO=1954年11月2日生まれ、東京都出身。

 マシュマロ専業のオンリーワン企業であるエイワのトップとして、日本のマシュマロ市場をけん引している。欧米では製菓材料のマシュマロを菓子として日本の食生活に浸透させた。全日本菓子輸出促進協議会理事長として日本の菓子を積極的に海外に広げる活動を積極的に展開。さらに、全日本菓子工業協同組合連合会理事長として菓子産業の発展に貢献している。

 ●下嶋正雄氏(しもじま・まさお)

 日東富士製粉前代表取締役社長=1952年2月8日生まれ。

 社長就任後から「原料調達・製造・販売・開発・物流」全部門の連携に取り組み、需給管理の徹底、最適物流の構築、「美味しさと健康」を基軸にふすまや全粒粉の商品開発などを推進した。18年のタイプレミックス事業設立や、ベトナムプレミックス事業の業容拡大によって海外事業を強化した。また、幅広い知識の習得、技術の伝承などで対応力、展開力を持った人財の育成にも注力した。

 ●長南収氏(ちょうなん・おさむ)

 キユーピー相談役=1956年5月16日生まれ、山形県出身。

 2019年に創業100周年を迎えたキユーピーグループをキユーピーの社長として率いて、マヨネーズとドレッシングの汎用(はんよう)性訴求によって産業振興。サラダと卵を中心とした健康志向の食文化の普及、惣菜業界初の機能性表示食品の発売、活性化にも貢献した。22年2月に現職、キユーピーみらいたまご財団理事長として社会貢献活動に力を注ぐ。

 ●野並直文氏(のなみ・なおぶみ)

 崎陽軒代表取締役会長=1949年1月22日生まれ、神奈川県出身。

 08年に創業した崎陽軒の3代目社長としてブランドを研さん。横浜ローカルを基軸に地元主義を実践。地域の誉れ、地域の日常消費、地域文化と一体を目指し、シウマイの事業多角化に取り組んだ。シウマイを生み育てた「経緯のコト」を尊重し、事業の進化と深化を追求している。駅弁事業社団体・日本鉄道構内営業中央会会長など公職多数。

 ●三島豊氏(みしま・ゆたか)

 三島食品代表取締役会長=1954年1月28日生まれ、広島県出身。

 「良い商品を良い売り方で」を基本方針に、激変する市場環境に臨機応変に対応する「変な会社」を目指し、同社のイノベーション力を最大限に発揮できる土壌づくり、組織づくりを推進した。2010~16年まで全国ふりかけ協会会長として、現在も副会長として、また、ふりかけ資料館「楠苑」を運営するなどふりかけ業界の発展にも尽力している。

 ●盛田淳夫氏(もりた・あつお)

 敷島製パン代表取締役社長=1954年8月3日生まれ、愛知県出身。

 98年発売の「超熟」をはじめとするロングセラー商品を数多く世に送り出してきた。2003年に企業ブランドを「Pasco」へ統合し、第2の創業と位置付けた。

 創業100年を過ぎた今も当時の理念を受け継ぎ、パン製造を通じた社会貢献に取組む。食料自給率の向上に向け、30年までに社内の国産小麦使用比率を20%まで引き上げる取組みを続けている。

 〈技術部門〉

 ●門脇清和氏(かどわき・きよかず)

 クレオ会長=1941年3月18日生まれ、東京都出身。

 75年に大阪、78年に東京でクレオを設立し、82年に東京を存続会社として一本化した。76年に容器洗浄機に参入してからはパレット洗浄機、折りたたみ式コンテナ洗浄機、パレット用遠心脱水機をはじめ、洗剤の研究開発・販売も手掛けることで食品製造現場での衛生管理向上に大きく貢献した。

 容器洗浄機市場でのシェアは50%超と、食品製造現場で欠かせない存在。

 〈流通・情報部門〉

 ●荒木章氏(あらき・あきら)

 カナカン代表取締役会長、トモシアホールディングス代表取締役社長=1954年8月28日生まれ、石川県出身。

 入社以来酒類一筋で、石川・富山・福井の営業所長を経験し販路を開拓。製配販一体となって、酒類・食品市場を盛り上げ、売上げに貢献する。得意先との関係づくりに邁進し、食文化を育てる思いを大切にしてきた。

 トモシアHD代表取締役に就任して縦割りだった組織を改革。支店制へ変更し、得意先本位かつ「商は笑なり」と社員の育成に注力。社外では、北陸三県卸売酒販組合理事長、金沢経済同友会常任理事などの要職を務める。

 ●川田一光氏(かわた・かずみつ)

 東京青果代表取締役会長兼社長=1951年7月生まれ、東京都出身。

 青果業界で約40年間、荷受けから流通商社への脱皮を目指し、国内生産青果物の約8割を占める卸売市場活性化に取り組んできた。市場流通の規制緩和をビジネスチャンスにナンバーワン企業となり、円滑かつ安定的に青果物を供給。適正な価格形成にも貢献してきた。業界団体の代表も務め、青果物の消費拡大を通じて、日本食文化の維持・発展にも尽力している。

 ●三枝富博氏(さえぐさ・とみひろ)

 イトーヨーカ堂取締役会長=1949年12月15日生まれ、神奈川県出身。

 76年9月イトーヨーカ堂入社。97年からイトーヨーカ堂の中国事業に携わり、経営手腕は内外で高い評価を得た。17年には同社代表取締役社長として総合スーパーの活性化に注力し、環境経営も推し進めた。22年5月には日本チェーンストア協会の会長に就任した。

 ●佐々木淳一氏(ささき・じゅんいち)

 日本アクセス代表取締役社長社長執行役員=1955年11月26日生まれ、香川県出身。16年6月に現職。

 現場主義を徹底し第7次中期経営計画(18~20年度)で成長に向けた投資と戦略を加速、1年前倒しで計画達成。次世代ビジネスやフルライン卸機能を強化。低温物流機能や商品開発にも磨きをかけ、食品総合卸で収益力ナンバーワンへ導いた。17年6月に日本加工食品卸協会の関東支部長就任、業界の発展にも貢献している。

 ●西田邦生氏(にしだ・くにお)

 ジャパン・インフォレックス代表取締役社長=1952年4月27日生まれ、長野県出身。

 2012年3月にジャパン・インフォレックスの代表取締役社長に就任。同社は食品卸各社の商品マスター管理業務の統合、情報登録のコスト削減・精度向上などを推進、240万件超の商品情報の流通基盤提供で貢献。西田氏はその重要性、非競争領域での協業、標準化推進の理解を求め、合意形成に長年尽力してきた。

 ●森山透氏(もりやま・とおる)

 三菱食品前代表取締役社長=1954年8月9日生まれ。福井県出身。

 三菱食品の2代目社長として、「日本の食を支える総合食品商社」のビジョンを掲げた5ヵ年プラン「経営方針2020」を推進。商品開発や輸入調達を軸とする「メーカー寄り事業」やSCM改革による物流合理化、デジタル活用による業務効率化などに着手。11年に4社統合で発足した同社の機能・事業領域の拡張や体質強化に尽力し、今日の成長へ道筋をつけた。日本加工食品卸協会の副会長を務め、業界の発展や協調促進にも貢献した。

 〈外食部門〉

 ●近藤正樹氏(こんどう・まさき)

 日本KFCホールディングス顧問=1955年1月5日生まれ、兵庫県出身。

 78年三菱商事入社、伯国(ブラジル)三菱商事社長などを経て、14年日本KFCホールディングス社長に就任。18年に「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチコピーやワンコインランチを導入し、エブリデイブランドへの転換に成功。コロナ禍ではドライブスルーやデリバリー対応店を拡大し、緊急事態宣言下でも既存店売上げは好調に推移した。

 ●堀冨士夫氏(ほり・ふじお)

 デリカスイト相談役FOUNDER、日本惣菜協会元会長=1942年7月1日生まれ、岐阜県出身。

 同社を中部・東海地区を中心とした大手食品スーパーやショッピングモール、駅ナカに約70店舗展開する企業へと成長させた。「美濃味匠」などさまざまなブランドも育成した。12年から16年まで日本惣菜協会の会長を務め、惣菜産業の振興発展に尽力。日本の惣菜文化を世界に発信するほか、惣菜を通じた地域活性化や健康訴求、人材教育などにも奔走した。

 ◆第55回食品産業功労賞受賞者名(部門別・五十音順・受賞理由)

 〈技術部門〉

 ●伊藤秀二氏(カルビー代表取締役社長兼CEO)

 ▽スナック、シリアル等製菓産業発展貢献

 ▽東証上場、グループ持続的経営戦略貢献

 ▽業界全国団体等組織運営、普及活動貢献

 ●河邉哲司氏(久原本家グループ本社社主)

 ▽醤油等調味だし文化先駆的普及拡大貢献

 ▽調味食等国内外、多彩な販路開拓推進貢献

 ▽九州、北海道等地域振興活性化社会貢献

 ●小高愛二郎氏(エイワ代表取締役会長兼CEO)

 ▽マシュマロトップ定着普及促進拡大貢献

 ▽開発ヒット受賞、菓子食文化内外発展貢献

 ▽業界全国団体等組織運営、海外普及貢献

 ●下嶋正雄氏(日東富士製粉前代表取締役社長)

 ▽製粉事業効率化、コスト等克服発展貢献

 ▽ベトナム、タイ等製造販売基盤確立貢献

 ▽製粉協会会長等業界団体運営推進貢献

 ●長南収氏(キユーピー相談役)

 ▽マヨネーズ・ドレッシング等産業振興貢献

 ▽サラダ・卵等食文化訴求普及拡大推進貢献

 ▽惣菜業界初機能性表示食品等活性化貢献

 ●野並直文氏(崎陽軒代表取締役会長)

 ▽シウマイ誕生90年余普及拡大振興貢献

 ▽横浜名所名物創り一筋、地域活性化貢献

 ▽地域業界団体等組織運営、開発牽引貢献

 ●三島豊氏(三島食品代表取締役会長)

 ▽業務用・家庭用ふりかけ産業普及拡大貢献

 ▽「ゆかり」等ヒット商品創造市場活力貢献

 ▽業界団体等組織運営、ふりかけ食文化貢献

 ●盛田淳夫氏(敷島製パン代表取締役社長)

 ▽製パン製菓産業等内外多彩多様業務拡大貢献

 ▽食パンヒット「超熟」等業界活性化牽引貢献

 ▽業界団体、地域社会活力推進拡大行動貢献

 〈技術部門〉

 ●門脇清和氏(クレオ会長)

 ▽洗浄機開発等で食品工場衛生管理向上貢献

 ▽洗浄剤、洗浄システム技術研究等衛生貢献

 ▽業界団体組織運営等食品機械技術開発貢献

 〈流通・情報部門〉

 ●荒木章氏(カナカン代表取締役会長/トモシアホールディングス代表取締役社長)

 ▽北陸信越地域密着卸業使命活性化推進貢献

 ▽旭食品、カナカン、丸大堀内3社統合発展貢献

 ▽各社歴史風土地域食文化新使命融合拡大貢献

 ●川田一光氏(東京青果代表取締役会長兼社長)

 ▽荷受けから青果物流通商社脱皮推進貢献

 ▽青果物流通基盤拡大生産性向上等改革貢献

 ▽業界団体等組織運営、日本食文化活性化貢献

 ●三枝富博氏(イトーヨーカ堂取締役会長)

 ▽総合スーパー経営、新構造改革等推進貢献

 ▽変わる生活、小売業業態変化対応挑戦貢献

 ▽業界組織運営、海外事業等推進新創造貢献

 ●佐々木淳一氏(日本アクセス代表取締役社長社長執行役員)

 ▽低温度帯基盤強化、総合卸業トップ推進貢献

 ▽フルライン機能強化、要冷物流各種戦略貢献

 ▽食品ロス削減等、省エネ社会支援型活動貢献

 ●西田邦生氏(ジャパン・インフォレックス代表取締役社長)

 ▽食品卸共同出資会社軌道化、情報基盤提供貢献

 ▽商品マスター情報提供標準化合理化推進貢献

 ▽DX化推進共通流通インフラ基盤活用貢献

 ●森山透氏(三菱食品前代表取締役社長)

 ▽総合食品商社として事業領域拡大推進貢献

 ▽三菱系卸業4社の統合推進、拡大進捗貢献

 ▽食品卸業界の強化発展、協調促進貢献

 〈外食部門〉

 ●近藤正樹氏(日本KFCホールディングス顧問)

 ▽コロナ禍対応型店舗創出推進貢献

 ▽日常消費拡大による業績大幅回復貢献

 ▽日本食鳥産業、安定的発展寄与貢献

 ●堀冨士夫氏(デリカスイト相談役FOUNDER/日本惣菜協会元会長)

 ▽惣菜産業人意識改革、惣菜産業振興発展貢献

 ▽SOUZAI文化世界へ地域内再投資健康訴求貢献

 ▽業界全国団体等運営、生活者食調理提唱貢献

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