中部流通特集
2021年は、前年に続きコロナ禍という前例のない状況下の中で幕が開け、2~3月に多くの小売業が決算期を迎える。
今年度の業績は、コロナ禍の消費行動の変化で、業態間で大きくバラツキが出た。表は業態別に2019年10月~21年1月まで、月ごとに売上げ推移(前年比)を示したもので、コロナの影響が出始めた20年2月から一気に様相が変わった。
スーパーは同月から巣ごもり需要効果で全月通して約5%以上プラスに働き、「生活インフラとしての使命を再認識した」(ヤマナカ中野義久社長)と話すように、あらためて災害時を含めた緊急時に生活者に必要不可欠な業態であることを如実に示した。
百貨店は地域の象徴的存在としてその推移は、地域経済そのものを表す存在でもあるが、緊急事態宣言下での休業は仕方なく、そのまま業績に表れた。
コンビニエンスストアは、新しい生活様式下での在宅勤務制度がマイナスに働き、特に都市部は出勤時の昼食需要が大きく減少。在宅時での昼食需要は、出勤時と同じようにコンビニ弁当に移行することは少なく、新たな食シーンを見据えた商品開発が急務となった。
ドラッグストアも巣ごもり需要で食品中心に売上げが伸長した。ただ、新生活様式下でのマスク着用により、カゼをひかなくなった、化粧をしなくなった–などの生活者の変化があり、これまで利益を稼ぐカテゴリーだった化粧品やかぜ薬の売上げが鈍化した。それでも引き続き新規出店は旺盛で、業態として伸長している。
ホームセンターもコロナ禍がプラスに働いた業態で、生活者の休日の観光や娯楽需要が変化し、家庭での園芸や家族だけのキャンプなどの需要を取り込み順調に推移している。
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◆中部流通特集:新しい生活様式のもと、需要獲得競争へ 業態別で明暗
小売 2021.03.272021年は、前年に続きコロナ禍という前例のない状況下の中で幕が開け、2~3月に多くの小売業が決算期を迎える。 今年度の業績は、コロナ禍の消費行動の変化で、業態間で大きくバラツキが出た。表は業態別に2019年10月~21年1月まで、月ごとに売上げ推…続きを読む
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中部流通特集:コロナで内食特需 北陸はDgSが堅調
小売 2021.03.27●観光・外食施策でもスーパー好調 2020年、中部各県のスーパーは、世界規模で広がった新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛に伴う内食需要で売上げ増となり19年の厳しかった状況から一変した。 中部経済産業局の中部管内商業動態統計によると、中部…続きを読む
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中部流通特集:イオンリテール・北佳史東海カンパニー支社長 地域貢献の生産者応…
小売 2021.03.27◇イオンリテール・北佳史執行役員東海カンパニー支社長 地域産の食の強化を目指してきたイオンリテール。東海カンパニーでは「強い食と強い専門」を掲げ、リアル店舗とネットスーパーの融合を推し進めながら、生鮮やデリカを強化していく。北佳史支社長に前期の取組…続きを読む
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中部流通特集:ヤマナカ・中野義久社長 現場発想で個店精度上げる
小売 2021.03.27ヤマナカは、2022年2月7日に創業100年を迎えるに当たり、店舗主体の組織改革に取り組み、商品力強化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えている。中野義久社長に現況や目標などを聞いた。 --今期状況や1年を振り返って。 中野 巣ごも…続きを読む
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中部流通特集:ぎゅーとら・清水秀隆社長 「まじめにあそび心」の精神
小売 2021.03.27コロナ禍がもたらしたのは、わが身と周囲について考える時間だった。「増収増益」はもちろん企業努力の成果だが、本質的には時の采配によるものだろう。だからこそ、冷え込む経済と消費を助けようと、ぎゅーとらの清水秀隆社長は「まじめにあそび心」の精神で、楽しいこ…続きを読む
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中部流通特集:ジェイアール東海高島屋・神谷健一営業第5部副部長 非日常性・ハ…
小売 2021.03.272000年3月、名古屋駅で百貨店を開業したジェイアール名古屋タカシマヤ。今年で22年目を迎え、3月には過去最大の規模で食料品フロアをリニューアルし、非日常を味わえる売場づくり、商品展開に取り組んでいる。運営会社のジェイアール東海高島屋で食料品を担当す…続きを読む
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中部流通特集:義津屋・小林一生常務取締役 新店とネットスーパー拡充
小売 2021.03.27「現代はスピード感のある対応を取らなければ取り残されるという危機感をコロナ禍から学んだ」と語るのは義津屋の小林一生常務取締役。同社は現在、本社を置く愛知県を中心に、総合ショッピングセンターヨシヅヤ、食品スーパーYストアを26店舗展開する。昨年は津島駅…続きを読む
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小麦加工 2021.03.27●簡便性・汎用性を再評価 20年度即席麺市場は東海地域も全国と同様に近年苦戦傾向にあった袋麺が大幅な伸長を見せ、市場のけん引役となった。一方、カップ麺は家庭調理機会の増加や在宅勤務の普及による都心部のコンビニエンスストアでの需要が減少したことなどを…続きを読む
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中部流通特集:即席麺メーカー動向=日清食品 主力3ブランド、周年に向け施策を
小麦加工 2021.03.27日清食品中部ブロック(愛知・岐阜・三重・静岡・富山・石川・福井の7県)の21年3月期業績は前年比微増で着地を見込む。上期はコロナ禍での内食拡大によって、袋麺を中心に需要が急増。一方で感染リスク軽減を目的に小売業での特売自粛の動きに伴う反動も生じた。下…続きを読む
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中部流通特集:即席麺メーカー動向=寿がきや食品 「岐阜タンメン」4月、姉妹品…
小麦加工 2021.03.27寿がきや食品の21年3月期業績は10ヵ月累計で、即席袋麺群が前年比2桁増と大きく伸長。一方で即席カップ麺群が同大幅減と苦戦を強いられ、全体では前年並みで推移する。コロナ禍による在宅時間の増加が即席袋麺群には追い風に働いたが、オフィス需要を減少させるこ…続きを読む
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中部流通特集:即席麺メーカー動向=エースコック 「いか天ふりかけ焼きそば」 …
小麦加工 2021.03.27エースコックは22日、「スーパーカップ大盛り いか天ふりかけ焼きそば」を発売した。同品は、イカ焼きそばファンに惜しまれながら終売した「スーパーカップ大盛り いか焼きそば」のおいしさをもう一度提供したいとの思いから新たな商品として生まれ変わった。麺は適…続きを読む
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中部流通特集:即席麺メーカー動向=サンヨー食品 「タンタンメンメチャ辛」 味…
小麦加工 2021.03.27サンヨー食品はこのほど、「元祖ニュータンタンメン本舗監修 タンタンメン メチャ辛」を発売した。 同商品は「川崎のソウルフード」として人気の、元祖ニュータンタンメン本舗「タンタンメン メチャ辛」の味わいを再現したもの。 麺には表面に張りがあり、芯の…続きを読む
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中部流通特集:即席麺メーカー動向=東洋水産 「マルちゃんフェア」4~5月集中…
小麦加工 2021.03.27東洋水産名古屋支店の20年4月~21年2月までの販売状況は、業界の推移同様、袋麺が好調に推移し、全体で前年実績をクリアしている。 商品では、特に「マルちゃん正麺」シリーズが1年通して好調を維持。即席麺業界では20年2~5月が巣ごもり需要で全体的に大…続きを読む
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中部流通特集:各社、今春の新商品・強化商品
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中部流通特集:19~20年コロナ禍で家庭調理関連品目がけん引 東海地域の食品…
総合 2021.03.27●8品目が前年比2桁伸長、パン・菓子類が微減 コロナ禍での食品動向は実際どのような動きを見せたのか。総務省統計局の家計調査をもとに、愛知・岐阜・三重・静岡の4県の19年と20年の品目別月次対比を作成し、コロナ禍を巡る動きと照らし合わせた。 まず、…続きを読む
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中部流通特集:ドン・キホーテ、名古屋栄に新店舗 東海地区へ浸透図る
小売 2021.03.271989年、東京・府中に1号店を開設し、関東圏ではなじみのある「ドン・キホーテ」。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)傘下の総合スーパー「アピタ」「ピアゴ」を展開するユニーとともに東海地区を強化している。2月26日、名古…続きを読む
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中部流通特集:中部薬品、大須へ出店 心身癒やす“和み”の場に
小売 2021.03.27バローグループの中部薬品は10日、名古屋市中区に「V・drug大須店」を開設した。名古屋市営地下鉄大須観音駅から徒歩5分の立地で、大須商店街へは初出店となる。店舗コンセプトは「和-なごみ」とし、地域の心身を癒やす和みの場となるよう寄り添った商品やサー…続きを読む
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中部流通特集:イオンモール、オフィス複合型1号店を今秋開業
小売 2021.03.27イオンモールは名古屋駅近くの名古屋市西区則武新町にオフィス複合型商業施設「(仮称)ノリタケの森プロジェクト」を2021年秋開業する。働く人と企業の成長を支えるオフィスを融合する事業フォーマット第1号店。新施設の全体コンセプトは「自然と自然になれる場所…続きを読む
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中部流通特集:キリンビール名古屋工場、太陽光パネル設置
酒類 2021.03.27キリンビールは名古屋工場(愛知県清須市)にPPA(電力購入契約)モデルによる太陽光発電パネルを導入=写真=し、2日から発電を開始した。PPAモデルとは、三菱商事パワーの子会社のMCKBエネルギーサービスがPPA事業者となり、仙台・名古屋・滋賀・神戸工…続きを読む
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中部流通特集:タカラ・エムシー、新業態続けて出店 日常と嗜好性狙う
小売 2021.03.27タカラ・エムシー(静岡市、上野拓社長)は昨年12月の小型店「GRAB&GO」に続き、2月27日にセレクトショップ「PRIME FOODS MARKET 静岡1st.」を開設。両店舗を企画した上野孝治常務は「日常と嗜好(しこう)性を担う業態が揃い、併設…続きを読む
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中部流通特集:マックスバリュ東海、キャッシュレスセルフレジ導入
小売 2021.03.27マックスバリュ東海(浜松市、神尾啓治社長)は5日、同社初となるキャッシュレスセルフレジ導入店「マックスバリュ浜松飯田店」を開設。同店舗は松菱マートから引き継ぎ、築40年以上経過による老朽化を理由に大幅改修を実施した。有人レジ4台に加え、キャッシュレス…続きを読む
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中部流通特集:ワタナベフーマック・渡邊英二前社長を偲ぶ会
機械・資材・IT 2021.03.27昨年9月17日に71歳で逝去したワタナベフーマックの前社長・渡邊英二氏を偲ぶ会が3月15日、名古屋市内のANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋でしめやかに執り行われ、親族や友人をはじめ業界関係者ら多数が参列した=写真。 故渡邊氏は1949年名…続きを読む
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中部流通特集:バローHD、Amazon協業で今夏にも生鮮配送
小売 2021.03.27食品スーパーを中心に東海・北陸・近畿地方などで幅広く各種業態を展開するバローホールディングス(HD)はAmazonジャパンと協業し、東海地区でAmazonプライム会員向け生鮮などの食品全般の自宅配送サービスを今年夏までに開始する。まずは名古屋市の一部…続きを読む
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小売 2021.03.27イオンリテールは2月24~25日から東海・近畿・北信越のイオン・イオンスタイルなど約180店舗で「MSC認証 生びんちょうまぐろ」を発売。東海カンパニーではネットスーパーでも同時発売した。本体価格は100g当たり298円で、認証で値上げせずに提供する…続きを読む
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中部流通特集:若鯱家、野菜で健康サポート「ベジ御膳」 カゴメとコラボ展開
外食 2021.03.27若鯱家(本社名古屋市、高橋知子社長)はカゴメ名古屋支店とコラボして、1食で「1/2日分の野菜を使ったべジ御膳」=写真=を19日から6月末まで期間限定で、ショッピングセンター内にある37店舗で税込み1300円で提供。 単独メーカーとのコラボによるセッ…続きを読む
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中部流通特集:隆祥房、「餃子をつくろう」添付シールが好評 ステイホーム推進
小麦加工 2021.03.27隆祥房が2月から展開している「STAY HOME 餃子をつくろう」のシールをミンチに貼る提案=写真=が好評で、スーパーなど小売店からシールの注文が例年の2倍となっている。手作りギョウザ需要が増えると、ギョウザの皮だけでなく、ミンチや白菜なども連動して…続きを読む
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中部流通特集:ユニー、「ユーストア」一宮市に復活
小売 2021.03.27ユニーは、20年6月に全面改装したピアゴプラス妙興寺店を、9ヵ月後の19日に「ピアゴパワー妙興寺店」(愛知県一宮市)として食品、衣料品、ドラッグ、食品関連の雑貨・家電の四つの専門店の集合体とし、地域の声を反映させて再度リニューアルした。1階の食品売場…続きを読む
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中部流通特集:東海シジシー・寺田憲一郎社長 地域愛着スーパーへ
小売 2021.03.27東海エリアで活躍するローカル食品スーパーで組織する東海シジシー。「魅力あるCGC商品の提供を基本に、少しでも当エリアの加盟企業さまのお役立ちができれば大変うれしい」と語るのが寺田憲一郎社長だ。加盟企業の売上げ・利益貢献を目的とした商品活動をメーンに、…続きを読む