即席麺特集

◆即席麺特集:本格需要期に突入 各社、主力ブランド軸に攻勢

小麦加工 2019.09.30 11950号 12面
価格改定後、NBの販売数量の伸びは鈍化しているが秋冬で巻き返したい

価格改定後、NBの販売数量の伸びは鈍化しているが秋冬で巻き返したい

即席麺市場は本格需要期に向け、各社の主力商品を軸とした商品・販促提案を行っていくことで、拡大を目指している。業界のトピックスとしては6月に価格改定を実施。その影響で6月単月は2桁減とブレーキがかかったが、4~5月までの好調と、7月の冷夏などで、4~8月累計の市場は、前年を上回って推移している。カテゴリーでは、袋麺が苦戦してマイナスとなっているのを、カップ麺が売上げを伸ばしカバーした結果となっている。(久保喜寛)

●カップ麺、伸長続く 袋麺の回復が課題

春先は、3月まで放映されていたTV番組の影響を受け、即席麺への興味・関心が高まって販売増となった。メーカー各社は、6月に値上げし、流通の対応も素早く、6月上旬には、大手小売店での店頭価格は変わっていった。カップ麺の特売で98円のものが108円になる程度だったが、価格を引き上げた各社のナショナルブランドは販売数量が伸び悩んだ傾向にある。

一方、価格を据え置いたオープンプライス品などは好調に推移。中には単月売上げの前年比が2倍になるようなアイテムもあった。「値上げ後、オープンプライス品が急に伸びるということは消費者は値上げをシビアに見ている」(メーカー関係者)ということになるため、最盛期でのNBの存在感を示していく。

日本即席食品工業協会調べによる19年の即席麺JAS受検数量の推移は4~8月累計で4億8218万食(前年比5.8%減)、カップ麺が13億1141万7000食(同2.9%増)となった。生タイプカップ麺が138万4000食(同7.5%減)、トータルが17億9435万8000食(同0.4%増)とわずかながら増加している。

1~8月累計では、袋麺が8億1054万8000食(同5.0%減)、カップ麺が21億0135万2000食(同0.3%増)、生タイプのカップ麺が76万食(同14.4%減)、トータルが21億1328万4000食(同1.2%減)と、微減で推移する。

この状況下、メーカー各社は、秋冬の商品戦略を展開して、市場の活性化を図っている。継続的に伸長するカップ麺は、タテ型がけん引し、今秋冬もタテ型カテゴリーが話題となりそうだ。

日清食品の「カップヌードル」の七福神をテーマにしたラインアップ強化や、エースコックから「モッチッチ」ブランドの「ラーメン モッチッチ」が発売されるなど、拡大が期待される。

半面、袋麺では、サンヨー食品が「サッポロ一番 みそ派・塩派大論争」がテーマの新キャンペーンを行い、ハウス食品が「うまかっちゃん」発売40周年記念のスペシャル企画「うまかっちゃん Year」を実施するなど、各社は袋麺に関する情報発信でカテゴリーの再活性化を目指している。

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