マーガリン類特集

マーガリン類特集:業務用=必須素材の地位確立 日持ち対策など機能性製品好調

乳肉・油脂 2019.12.02 11979号 07面

業務用分野でのマーガリン類は、パンや菓子などいわゆる“最終市場”の必須素材として長く地位を確立している。

生地製作時での練り込みや折り込みとしての用途はもちろん、近年では技術力による機能性(高付加価値)製品が伸長。味覚や風味、食感向上に加え、経時での老化軽減(ソフトさや食感の維持)などの“日持ち”需要で重要な機能を果たしている。これらはフードロス対策やインバウンドなどでの土産菓子、テークアウト分野などを中心に最終商品の価値を高める役割を持つ。また、技術をベースにバター風味を高いレベルで再現、近年相次ぐバター不足の局面では重要な役割も果たす。

15~17年まで3年連続で増産傾向だった業務用マーガリン類は、18年では前年比2.1%減の約17万9400t(マーガリン・ファットスプレッド合計、日本マーガリン工業会調べ)と再度前年を割った。最終市場の動向で大きく生産量・需要量が左右されるが、同年は自然災害・震災の影響が大きく、収益面でも乳相場や物流費高騰などが影響した。

不透明感が漂った19年だが、9月まで生産量ベースでは前年超え(1.4%増)で推移。ただし、微減収から前年並みの主要メーカーが目立つことから、実需面ではやはり苦戦は続いている。中でも製パン分野での菓子パンの苦戦が大きく、リテール分野やCVSドーナツの停滞なども影響。乳相場は今秋時点である程度落ち着いたものの(一部原産国を除く)、物流費や製造現場での人手不足、フードロス対策など周辺環境は依然厳しい。一方で食感・風味を高める機能性マーガリンは好調で、加工油脂独自の付加価値で支持を得ている。

この状況下、今夏も技術力を駆使した新製品が参入各社から数多く上市されている。近年の傾向として単なるバター代替ではなく、味覚や食感、風味のレベルアップ、日持ち対策に優れた付加価値製品の技術競争が加速、これらが市場そのもののレベルを上昇させている。また、特筆すべき点として、人手不足やコスト管理、ラインアップ拡充など製造現場の課題をトータルで解決することを開発目的の主眼に充てる傾向が強まり、参入各社は単なる素材メーカーから課題解決の役割も担っている。

業務用マーガリン類の技術力は元来、名実ともに世界最高峰にあり、名脇役として国内のパンや菓子の品質を支えている。近年では海外での存在感も高まり、今後さらに重要性を増すだろう。

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