マーガリン類特集

◆マーガリン類特集:おいしさ・品質・安全性で食生活支える

乳肉・油脂 2019.12.02 11979号 07面

マーガリン・ファットスプレッドなどのマーガリン類(加工油脂)は世界最高峰の技術立脚型市場としてレベルが上昇、家庭用・業務用ともにおいしさや品質、安全性などの側面で生活者の食生活を支えている。家庭用では乳業メーカーを軸に回復基調への動きがさらに加速。販売環境は依然厳しいが、商品開発・使い方提案・ユーザー層拡大などの活性策が目立つ。加工油脂メーカーを中心とする業務用は、製菓・製パンなど最終市場の必須素材としての地位を構築しているほか、日持ち対策などの近年顕在化するニーズに向け重要な役割を果たしている。(村岡直樹)

●家庭用=好転の兆し 業務用=課題解決型市場へ

18年のマーガリン生産量(日本マーガリン工業会調べ)は約21万8000tと前年を2.6%下回った。ここ数年、家庭用でダウントレンド、業務用で安定推移が続いてきたが、18年は両分野ともに減少。ただし、家庭用の落ち幅は改善し、業務用は震災・自然災害による最終市場の苦戦が主な要因。この状況下、19年は9月までで、家庭用で1%、業務用で1.4%前年を超える生産増で推移。主要メーカーの発表数値を鑑みると実需はこれより少ないと想定されるが、特に家庭用では下げ止まり感が非常に強まったといえる。

家庭用では近年、パンまわりやチルド売場全般の競争激化の中、グルメリッチタイプが伸長。さらに甘味系では斬新な新商品やSNSでの“バズり”など話題喚起を含めた需要喚起に成功。さらに新ジャンルの登場など新しい可能性が続々と生まれている。19年以降好転の可能性は十分あり、今後の動向に注目したい。

業務用は最終市場(特に菓子パン・スイーツ)の苦戦が響いたが、食感向上・老化防止機能などを持つ付加価値製品は依然強く、“脱・バター代替”がさらに進行している。最終市場のニーズや課題を発掘して対応する課題解決型市場としての色合いもさらに濃くなっており、注目市場の一つに数えられる。

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