メニュー用調味料特集
◆メニュー用調味料特集:主力の中華が市場けん引 和洋は高止まり
麻婆豆腐や回鍋肉の素といったメニュー用調味料は、和洋中の定番・人気メニューが簡単にできる、レシピ専用の合わせ調味料として長年支持されている。最近はエスニック、アジアンメニューが作れる、シーズニングミックスが人気。液体調味料の枠を超えて成長している。肉や野菜といった生鮮食材がおいしく手軽に取れ、健康的な献立づくりを後押し。女性やシニアの社会進出を支えている。(川崎博之、高木義徳、西澤貴寛、福島厚子、吉岡勇樹)
メニュー用調味料は醤油といった基礎調味料、つゆの素やオイスターソースなどの汎用(はんよう)商品と異なる、専用品ならではの分かりやすさ、本格感が特徴。市場は麻婆豆腐の素をはじめとした中華合わせ調味料が1970年代に登場し従来なかった時短や中華ニーズをとらえて定着した。以来50年近くにわたり丸美屋食品工業、味の素社、永谷園などの主要メーカーが中華ソースを展開。各種メニューへ商品を拡充するのに伴って市場も安定成長してきた。
2000年代に入りキッコーマン食品が「うちのごはん」を発売して和風カテゴリーを創出。味の素社が13年から和風・洋風メニューで主菜提案する「CookDoきょうの大皿」を発売。和洋カテゴリーが急拡大し、全体で800億円以上の市場規模を築いている。
市場構成比は中華が6割、和風・洋風が3割を超える。前期の19年3月期はトップメーカーの味の素社のTVCM、パッケージ、販促刷新が野菜安の追い風を得て成功。中華カテゴリー規模を前年比2%増と伸ばして全体をけん引した。和洋は2年連続で横ばい。市場全体で微増し、近年の停滞から脱した。
ロングセラー揃いの市場だけに課題はユーザーの高齢化。50~60代中心のヘビーユーザーは、育児を終えて使用量がどうしても減る。使い方が分からない、普段中食や冷食ばかりでそもそも調理しない、といった若年層の喚起も進まず、徐々に消費が停滞。風穴を開けたのが味の素「CookDo」の全面刷新。CMやデジタル広告、調理動画で初心者も失敗せず簡単に、抜群においしく作れると訴えた。
「CookDo」のCM投下量は通年1万GRPを超えて圧倒的。商品は製法ノウハウを蓄積し、他社にない独自素材を組み合わせ、具材やご飯との相性を追求している。トップブランドの「回鍋肉」などに使う、キャベツといった葉物の安値安定、暖冬による鍋からの需要シフトなどを追い風に働かせた。40周年の記念の年に過去最高業績を築き、主要品種の買い回り促進、若年開拓を果たした。 続く丸美屋は「麻婆豆腐の素」売上げを6年連続で増大。リニューアルを積み重ねて、ひき肉入りの2袋という経済性、簡単でおいしい主菜という消費者価値を着実に届けている。キッコーマン食品は和食ならではの優しい味わい、アレンジしやすさを訴えて堅調。Mizkanは新容器の「CUPCOOK」で具だくさん設計が支持されてヒット。ブランディングの深まりや新たなイノベーションが相まって、若年層や男性といったノン・ライトユーザーの消費を刺激している。
今期は味の素社が前年成果を収めた販促ボリュームを堅持。麺用のチルド展開やかけ・あえ提案も加速し、全体で底上げする。丸美屋は初めてジャニーズタレントを起用したTVCMを投下。注目されるのがキッコーマン食品の包装・形態刷新。和風・簡単というコンセプトを端的に伝え、新商品からお得なツインパウチを導入した。1~2人世帯の増加、少子高齢化と多様・複雑になった全世帯へ訴えかけられる、使い勝手の良さを訴える。
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◆メニュー用調味料特集:主力の中華が市場けん引 和洋は高止まり
調味料 特集 2019.05.17麻婆豆腐や回鍋肉の素といったメニュー用調味料は、和洋中の定番・人気メニューが簡単にできる、レシピ専用の合わせ調味料として長年支持されている。最近はエスニック、アジアンメニューが作れる、シーズニングミックスが人気。液体調味料の枠を超えて成長している。肉や…続きを読む
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メニュー用調味料特集:味の素社 国民食へ市場深耕挑む
調味料 特集 2019.05.17味の素社は19年度、市場の伸びを上回る増収率達成と主力の中華合わせ調味料「CookDo」の売上げ過去最高更新を目標に掲げた。ロングセラーブランドの「CookDo」は、8年ぶりのパッケージ全面刷新とそれを機に展開した発売40周年記念の販売促進キャンペー…続きを読む
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メニュー用調味料特集:キッコーマン食品 時短・簡便・安心感訴求
調味料 特集 2019.05.17キッコーマン食品は今3月期、「うちのごはん」の時短・簡便と、和総菜ならではの安心訴求を深める。パッケージとCMを刷新し、シズル感と簡単調理、無添加設計を、多様なユーザー全てに伝える。2~3人前×2袋とお得なツインパウチを「キャベツのガリバタ醤油炒め」…続きを読む
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メニュー用調味料特集:丸美屋食品工業 「麻婆豆腐」連続増で100億円へ
調理品・コメまわり品 特集 2019.05.17丸美屋食品工業は18日から、ジャニーズ事務所のタレントを初めて起用した「麻婆豆腐の素」のTVCMを投下する。TOKIOの国分太一が自身初という父親役を演じ、家族が喜ぶ、ご飯に合うおいしさを伝える。ほかにも新たな交通広告、「完熟トマト麻婆豆腐の素」の限…続きを読む
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メニュー用調味料特集:永谷園 「麻婆春雨」カット野菜を提案
調理品・コメまわり品 特集 2019.05.17永谷園は今3月期、カット野菜を使った「麻婆春雨」レシピを紹介し、ロングセラーの新たな食シーンを提案する。食べ応えのある主菜が、簡単にできると訴え、ユーザーを広げる。新商品は子ども向けの甘い「てりたま春雨」が好評。20~30代ユーザーを春雨市場へ取り込…続きを読む
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メニュー用調味料特集:カゴメ ラタトゥイユを本格提案
調味料 特集 2019.05.17カゴメは、ラタトゥイユ提案を本格化する。家庭・業務用で連動して、健康的に野菜を、おかずで取るよう促す。専用の「基本のラタトゥイユ用ソース」「野菜がはいったおかず調味料鶏肉ラタトゥイユ仕立て」を新発売。使い勝手の良い、チューブの「濃厚仕立てのトマトソー…続きを読む
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メニュー用調味料特集:Mizkan 「CUPCOOK」アイテム8種に
調味料 特集 2019.05.17Mizkanのカップ一つで誰でも簡単に家族が喜ぶメニューが出来上がる「CUPCOOK」シリーズは、17年8月の発売以来、新商品投入、パッケージデザインリニューアルなどブラッシュアップして現在(19年4月)のアイテム数は8種となっている。人気トップ3は…続きを読む
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メニュー用調味料特集:マルコメ 市場広がる大豆肉惣菜
調味料 特集 2019.05.17【長野】味噌のトップメーカー・マルコメは、培ってきた大豆加工や発酵の技術を生かし、低カロリー・低脂質で食物繊維が豊富な大豆ミートの惣菜シリーズや、多彩なメニュー向けの味噌調味料を展開する。 「従来は家庭で再現しづらいメニュー訴求が中心だったが、簡便…続きを読む
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メニュー用調味料特集:にんべん CM・関連販売を継続
調味料 特集 2019.05.17にんべんは洋風メニュー用調味料のTVCM投下と関連販売を続け、使用機会を増やしている。「だしとスパイスの魔法」を昨秋発売、俳優の速水もこみちとの共同開発などで話題となった。3月に「ポークステーキ」「レモンソテー」を発売して大手流通業界に導入。来春の新…続きを読む
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メニュー用調味料特集:ハウス食品 シーズニングが好調推移
調味料 特集 2019.05.17ハウス食品のシーズニングスパイスは前年比10%増と好調に推移した。シリーズ別にみると「スパイスクッキング」「スパイスクッキング バルメニュー」「GABANシーズニング」が全体をけん引した。「スパイスクッキング アジアン屋台街」は前年並み、「スパイスク…続きを読む
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メニュー用調味料特集:エスビー食品 「ワンプロキッチン」高評価で浸透期待
調味料 特集 2019.05.17エスビー食品が2月に発売した具入り調味料「ワンプロキッチン」が、順調な導入となり好調だ。 「ワンプロキッチン」は下ごしらえいらずで、煮込むこともなく手軽にプロの味に仕上げることができる新たなシリーズ。「肉じゃが」「筑前煮」「豚肉とたけのこの土佐煮」…続きを読む