缶詰・瓶詰・レトルト食品特集

びん・缶詰 2021.09.15

 新型コロナウイルス感染拡大から2年目の夏を越え、缶詰・瓶詰・レトルト食品の需要は昨年からの反動減に見舞われつつもおおむね堅調に推移している。依然として感染終息が見通せない中、外食機会の減少に伴う内食シフトは常態化し、家庭内調理と食事機会の増大、家飲みのつまみ需要、「密」を避けるアウトドアレジャー向け食材としての需要など、その利用価値は高まっている。業務用市場の長引く低迷は大きな損失だが、ニューノーマルに対応することで生き残りと成長を目指す展開が当面続く。コロナ初年の需要ピーク後、今年2月以降はほぼ全品目で売上げの反動減が生じた。だが一部を除き、家庭用は全体としてコロナ前の19年を上回る状況となっている。共通課題は原料高や人件費上昇などのコストアップ。すでに価格改定の動きも出ており、収益力の強化が求められる。ワクチン接種進展に伴う行動制限の緩和が近づく中、次なる一手をどう打つかもメーカーの浮沈を左右しそうだ。(本宮康博)