2022年の酪農乳業界は、生乳生産基盤の強化が進む中、いかに牛乳・乳製品需要の喚起を進めていくか、正念場を迎える年になりそうだ。酪農乳業関係者らの長年の努力が実を結びつつあり、生乳生産量は昨年に続き増産基調、家庭内での牛乳・乳製品の需要は底堅さが続いている。しかし、21年末から顕在化したコロナ禍による需給の大幅緩和による処理不可能乳発生の懸念などは、これまでの業界努力に水を差しかねない。持続可能な酪農・乳業を実現するには、基盤強化と需要喚起は両輪だ。ミルクサプライチェーンに関わるすべてのプレーヤーが一丸となった展開がますます求められる。（小澤弘教）