中部食品マーケット特集

総合 2022.07.19
中部食品マーケット特集

 新型コロナウイルスの第7波が急拡大しているものの、近ごろ食品業界の「明」と「暗」の構図が変わりつつある。昨年の同時期、全国同様に中部地区の食品スーパーは間違いなく「明」の方だった。当時、巣ごもり特需はすでに一巡した印象だったが、新型コロナが収束しない中で内食需要は依然として続いていた。スーパーに限らず、ドラッグストアなど家庭用食品を取り扱っている業態は皆、好機ととらえていたように思う。
 ところが、中部地区の主要スーパーの22年2月期と3月期の決算は、急拡大した巣ごもり消費による反動で業績が芳しくない。直近の全国スーパーマーケット協会など3団体がまとめた販売統計調査でも中部53社の5月の既存店売上高は前年比1.3%減、マックスバリュ東海(本部浜松市)は同2.3%減、バロー(本部岐阜県多治見市)は同4.3%減という状況だ。
 これには内食需要の減少以外に、相次ぐ値上げによる節約志向の高まりの影響を指摘する声もある。各社はおおむねコロナ禍前の19年度比では堅調に推移しているため、「暗」になったとはいえないが、厳しい環境にあるのは否めない。(中部支社編集部)