納豆特集
全国納豆協同組合連合会(納豆連)によると、業務用を含めた2020年の市場規模は、前年比8.3%増の2711億円。発酵食品ブームの継続、消費者の根強い節約志向、健康機能性の高さから、市場は9年連続拡大し、16年以降は過去最高を更新し続けている。20年の伸び率は過去最大となった。また、総務省家計調査によれば、20年の全国の1世帯当たり消費金額は4654円で、19年比では9.8%増となった。コロナ禍での家庭内需要が増加し伸長した。今後は、納豆に含まれる5-ALAというアミノ酸の一種が新型コロナウイルス感染に強力な抑制効果があると発見されたことが、さらに追い風になると期待されている。
消費金額全国1位は福島市の7251円で山形市、盛岡市、仙台市、水戸市と続き、最下位は和歌山市で2550円だった。福島市は前年も全国1位だったが、水戸市が前年の2位から順位を下げたことが話題になった。和歌山市は前年に続き最下位ながら、前年より350円以上も増加した。
11年には東日本大震災でメーカーの工場が被災し、思うように生産できず1730億円(10年は1800億円)にまで落ち込んだ。その後は急回復し、引き続き拡大基調にある。20年は00年を100%とした消費金額が125.6%だった。納豆連では14年以降、第4次成長期が継続しているとみている。ただ、家庭用については21年は急拡大した裏年となるため、前年クリアは難しそうだ。
納豆原料の大豆の年間消費量は190万tで、納豆に加工すると生産量は38万1000t。これをパック数に換算すると、1パック45gとして年間で83億個が生産されたことになる。
20年初めに国立がん研究センターが、日常的に納豆を摂取する層は死亡リスクが1割以上低下すると発表、TV番組でも取り上げられ、2月以降は特需となった。コロナ禍での需要増とも重なり、メーカーによっては製造を主力に絞り込んだり、新商品発売を見送るなどで対応した。一方、学校給食、宿泊施設も含めた業務用市場は前年の88億円から半減したとみられる。
1月12日放送のTV番組で納豆が取り上げられ、メーカーによっては恩恵を受けた。納豆に含まれる「5-ALA(5-アミノレブリン酸)」が新型コロナウイルス感染に強力な抑制効果があると長崎大学の発表があり、今後の需要増に期待したいところだ。
米・シカゴの大豆価格が3月初めに1ブッシェル14ドル以上に高騰し、為替も円安基調にあることから、21年産の北米産大豆が高騰する可能性があり懸念材料となっている。(小島麻由美)
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