チーズ特集2024
チーズ特集:アイルランド=チーズ、輸出成長エンジンに 対日物量は12%増
サステナブルな酪農から生まれるチーズが輸出を支える
アイルランドの2023年対日輸出量の伸長に、チーズが大きく貢献している。バター、ホエーとともに伸びを見せ、物量ベースで前年比12%増。生乳の高栄養価や、それを支えるサステナブルプログラム「オリジングリーン」をバックボーンに、引き続き成長エンジンとしての役割が期待される。(小澤弘教)
アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)によると、同国からの日本向け乳製品輸出実績は約1万7000t。前年を12%上回る顕著な増加となり、取引金額も7860万ユーロに達した。
乳製品の中で、チーズは以前から好調。23年も1万5101t(前年に12%増)となり、日本のバイヤーとアイルランド乳製品輸出事業者との長年にわたる良好な関係を裏付けている。
同国産乳製品の根強い支持は、生乳の栄養価の高さによって支えられている側面がある。
Teagasc(農業食品開発局)とFood for Health Ireland(FHI)の研究によると、同国のグラスフェッド(牧草飼育)で飼育された乳牛の生乳は、牧草の割合が中程度、または小程度の生乳と比較して、オメガ3脂肪酸と共役リノール脂肪酸(CLA)の割合が高いとされる。
加えて、同国全体が取り組む食品持続可能性プログラム「オリジングリーン」の下支えもある。
農家からメーカー、小売店、外食事業者などバリューチェーンに関わる事業者が共通の目標を持ち、世界最高水準の安全性とサステナビリティを志向している。最新技術導入による、乳製品加工も強みだ。
ボード・ビアは、同国産のチーズをはじめ、プレミアム乳製品のプロモーションを展開している。
日本市場では、EUとの協力キャンペーン「ヨーロピアン乳製品fromアイルランド」のサポートも得ながら、各業界の知見に基づいた強固な関係を通じて、同国産乳製品の明確に差別化された特徴をアピールしていく。
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チーズ特集2024
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