食品ヒット大賞特集2024
◆食品ヒット大賞特集:第42回(令和5年度) 優秀ヒット賞23品、ロングセラー賞5品に栄冠
日本食糧新聞社制定、令和5年度「第42回食品ヒット大賞」の受賞商品が決まった。昨年に続きヒット大賞は生まれなかったが、優秀ヒット賞23品、ロングセラー賞5品が受賞した。亀井昭宏選考委員長は「ノミネートされた商品が昨年度に比べて2割強減少。際立って目立つヒット食品が見当たらなかった影響が大きい。来年はヒット大賞受賞商品が複数出現してほしい」と期待を寄せた。贈呈式・祝賀会は2月15日、ホテルニューオータニ東京で行われる。
●本物・時短・健康に評価
昨年は新型コロナウイルスの5類移行により、国内の人流やインバウンド需要がコロナ前に回復するなど、経済活動は正常化へ向かった。しかし、10月に1ドル150円台となる円安リスクをはじめ、国際情勢や気候変動などの影響で原料やエネルギーの供給不安が長期化し、食品業界では大規模な値上げラッシュが継続。物価上昇に歯止めがかからない中、実質賃金の減少と消費マインドの冷え込みが加速し、生活防衛型のライフスタイルが顕在化した。
そうした中、ヒット賞ではアフターコロナで働く女性を応援するコンセプトなど、消費者ニーズ・ライフスタイルの変化に対応した商品の受賞が目立った。味や商品背景にこだわった「高品質・本物志向」に磨きをかけ、「時短」ニーズに応えながらも電子レンジでチンするだけから調理へ、深い味わいの朝食が得られるといった商品が選ばれた傾向だ。
「健康面」では、おいしさはそのままに減塩設計とした食品や免疫機能のサポート、睡眠の質の改善から疲労感を軽減するなどの商品特性が評価された格好だ。
ロングセラー賞では「発売以来40周年を迎えた食品が上位にノミネートされていたのをはじめ、実に63年というロングセラーにふさわしい食品が選出された」(亀井委員長)と長年市場ニーズに応えている企画力・商品力を評価した。
◆令和5年度(第42回)「食品ヒット大賞」受賞商品
●食品ヒット大賞
該当商品なし
●優秀ヒット賞(部門別、社名五十音順)
【一般加工食品部門】
「アサヒ 颯」 アサヒ飲料
「Cook Do」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用> 味の素
「S&B 赤缶カレーパウダールウ 中辛」 エスビー食品
「キリン おいしい免疫ケア」シリーズ キリンビバレッジ
「サッポロ一番 減塩」シリーズ サンヨー食品
「名店監修鍋スープ 天下一品京都鶏白湯味」 ダイショー
「パキット」 永谷園
「日清焼そばU.F.O. 爆盛バーレル」 日清食品
「X-BLEND CURRY(クロスブレンドカレー)」 ハウス食品
「インドカレー屋さんの謎ドレッシング」 理研ビタミン
【酒類部門】
「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」 アサヒビール
「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」 サッポロビール
「サントリー生ビール」 サントリー
「ジャックダニエル&コカ・コーラ」 日本コカ・コーラ
【チルド食品・フローズン食品部門】
「白チャーハン」 味の素冷凍食品
「スジャータ ざくろ100%」 スジャータめいらくグループ
「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」 ニチレイフーズ
「ピルクル ミラクルケア」 日清ヨーク
「モーニングサーブ」 日本ハム
「torochi(トロチ)モッツァレラチーズ入り」 雪印メグミルク
【菓子・パン部門】
「無限のり」 亀田製菓
「水グミ」 UHA味覚糖
「ザクザクやみつきクランキー」 ロッテ
●ロングセラー賞(発売年)
「昭和 天ぷら粉」(昭和35年) 昭和産業
「カントリーマアム」(昭和59年) 不二家
「ランチパック」(昭和59年) 山崎製パン
「ポッカレモン100(70ml)」(平成6年) ポッカサッポロフード&ビバレッジ
「氷結(R)」(平成13年) キリンビール
◆選考委員(敬称略)
選考委員長:早稲田大学名誉教授 亀井昭宏
選考委員:
国分グループ本社代表取締役会長兼CEO 國分勘兵衛
伊藤忠食品代表取締役社長・社長執行役員 岡本均
日本アクセス代表取締役会長 佐々木淳一
日本酒類販売代表取締役社長 倉本隆
三菱食品代表取締役社長 京谷裕
三井食品代表取締役社長 柴田幸介
日本食糧新聞社代表取締役会長CEO 今野正義