高機能性米特集

高機能性米特集:洋食とワインのお店「土筆苑」 災害用非常食が豪華洋食に

農産加工 2019.08.02 11919号 06面
持ち込まれた災害用非常食をアレンジした洋食を提供

持ち込まれた災害用非常食をアレンジした洋食を提供

「非常洋食」を提供する大谷隆史シェフ

「非常洋食」を提供する大谷隆史シェフ

●賞味期限切れ対策に「非常洋食」を提案

【関西】兵庫県西宮市の老舗洋食店「洋食とワインのお店 土筆苑」では、アルファ米や乾パンなど賞味期限切れ間近の災害用非常食(以下非常食)を持ち込むと、豪華な洋食にアレンジして提供するサービス「非常洋食」を7月25日から始めた。非常食を使った洋食を楽しんでもらうことで、防災点検を促そうという新しい試みだ。

同店の大谷隆史シェフは「防災バッグを買っても、日ごろ中身を点検している人は少なく、非常食が賞味期限切れや期限間近を理由に捨てられると聞く。洋食のプロとして、それらをおいしくアレンジして提案し、ポジティブに防災バックを点検する『開封式』を提案したい。これをきっかけに当店で食事することで、備蓄と消費を並行して行う『ローリングストック法』を導入するなど、防災を身近にしてほしい。点検にイベント性を持たせることで、子どものいる家庭などでは楽しみながら防災意識を高められる」と語った。

大谷シェフは同店のある兵庫県や熊本県など、災害に見舞われた地域に縁があり、また、常連客らとの会話の中にも震災当時の話題が日常的に登場することから、シェフとしてできることを模索し、同サービスの提供に至ったという。

持ち込まれた非常食を素材に使うメニューは、いずれも同店の持ち味を生かすため、また非常食を身近に感じてもらおうとスタンダードな洋食に仕上げる。アルファ米で作るリゾットやカレー、オムライス、さらに缶入りのソフトパンで作るエッグベネディクト、ようかんや乾パンで作るデザートなど、9種類の基本アレンジをベースに調理。あえて使用した素材が分かるように調理することで、クイズのような楽しさも打ち出す。持ち込む非常食はメーカー・種類を問わず、可能な限り洋食にアレンジして提供する。

「非常洋食」は税抜き131(ぼうさい)円、または1070(そなえ)円と語呂良い価格設定。要事前予約で、ディナー帯のみで提供する。(篠原里枝)

〈店舗概要〉▽所在地=兵庫県西宮市高松町11-2▽電話=0798・65・3366▽営業時間=ランチ午前11時~午後3時、ディナー午後5時~11時▽定休日=月曜▽席数=34席

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