高機能性米特集

◆高機能性米特集:拡大する市場 もち麦けん引、玄米も人気

農産加工 2019.08.02 11919号 04面
大手卸展示会に、もち麦入り米飯加工品が並ぶ(日本アクセス西日本秋季商談会)

大手卸展示会に、もち麦入り米飯加工品が並ぶ(日本アクセス西日本秋季商談会)

健康志向の高まりを受け、玄米や精麦、雑穀など高機能性米市場が拡大している。健康効果が頻繁にマスコミで放映されるもち麦がけん引役だが、急速に玄米人気も高まっている。白米信仰は薄れ、「色の付いたご飯イコール健康で価値のあるご飯」と、人々の認識は変化してきている。背景に、精麦市場は従来のうるち系大麦からもち麦へと消費の主流が変化、玄米は、食べやすく炊飯しやすく加工されたものや良食味と豊富な健康機能性を両立させた新品種が誕生。商品価値を消費者にわかりやすく訴え続ける業界の地道な取組みもある。

一方、消費を支えるのが、家庭用のヘビーユーザーで、健康志向が強く家庭で炊飯する比較的高年齢層で占められている。ただし業務用では、CVSのおにぎりや外食店での提供は確実に増え、若年齢層の利用が多く、将来需要につながる可能性は高い。コメ離れが加速する一方で、コメの消費形態は確実に変化している。そこに有望市場が生まれ、減り続けるコメ消費量に歯止めを掛けるとともに、人々の健康増進に貢献し、コメの価値向上につながることが期待される。(佐藤路登世)

POSデータによるはくばくの推計では、18年度(18年4月~19年3月)市場規模は、前年比8.8%増の138億6200万円に達した。TV番組中心に、もち麦の健康効果が何度も取り上げられ、同40.7%も伸長した16年度との比較で、翌17年度は同9.4%減の反動減を余儀なくされた。だが、7月にもち麦の内蔵脂肪面積減少効果の報道を機に一転、市場は盛り上がり、トータル2桁に近い伸び率を確保した。

カテゴリー別では、51%のシェアを占める精麦類が同12.8%の2桁増を達成。度重なるメディア露出で獲得した顧客が定着した上、さらなる新規顧客獲得が図れた。

その他のカテゴリーでは、ミックス雑穀が同1.7%、発芽玄米同3.5%増とそれぞれ伸長。もち麦の人気で売場集客力が高まり、他の商品群にも波及効果が現れた。

一方、加工玄米は、市場規模9億5600万円と小さいものの、同41.2%増の大幅伸長。けん引役は、東洋ライスの「金芽ロウカット玄米」で、同65%伸長。家庭用で取扱店舗が増えた上、学校給食やCVSのおにぎり、外食産業など幅広いチャネルで新規採用が増加した。

さらに、おいしさと高栄養を兼備したプレミアム玄米「金のいぶき」の中食や外食、加工食品の商品化が進み、CVSでは、ナチュラルローソンで昨年5月「玄米おにぎり」の発売を皮切りに、おにぎりや弁当、寿司類で目下10品をラインアップ。改廃の激しい商品群でありながらも、女性顧客で首位、男性2位(米飯惣菜中)の高リピート率を誇り、玄米人気がうかがえる。

一方もち麦も、CVSで多様なおにぎりが商品化されるほか、はくばくが発売するもち麦麺も順調で、今春ラインアップ拡充。多様な加工品原料としての伸びしろがある。

米粉としての可能性も広がってきた。ナチュラルローソンで近々、金のいぶき米粉を使ったスイーツの発売を予定するほか、東洋ライスは3月、東京・銀座にロウカット玄米や金芽米など健康米粉を使ったパンやパスタ、スイーツなどを提供する「米粉グルメ専門店・キンメッコキッチン」をオープンした。ファンケルも9月、同じ銀座に金のいぶきの玄米食専門レストランを出店、玄米粉スイーツやパン、パスタメニューの提供を予定している。

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