食品ヒット大賞特集
◆食品ヒット大賞特集:第39回(令和2年度)大賞なし、優秀ヒット賞19品・ロングセラー賞6品に栄誉
◆優秀ヒット賞19品・ロングセラー賞6品に栄誉
日本食糧新聞社制定、令和2年度「第39回食品ヒット大賞」および「第34回新技術・食品開発賞」の受賞商品が決まった。今年も大賞は選ばれなかったが、コロナ禍による内食向け提案商品の増加など受賞商品にも時代の変化の「今」が色濃く反映した形となった。
●巣ごもり需要反映、顕著な本格志向
2020年は言うまでもなく新型コロナウイルス感染症拡大が世界的な影響をもたらした年であった。誰も経験したことのない環境変化が、国民の生活様式をも大きく変え、非対面接触での活動の増加によって「食」の分野でも消費行動や商品面に大きな変化があった。今回の受賞商品にもそれらが色濃く表れている。
まず大幅に増えたのが「本格志向」を訴求する商品。コロナ下の外食自粛で内食の巣ごもり需要に対応。素材感アップや原材料の見直し、新しい製法など、家庭でも一味違う本格的な品質を訴求する商品が目立った。外食ができない状況でもおいしいものを食べたい消費者の姿が垣間見える。
「健康」志向はコロナ禍でより一層ニーズが顕著になった形だ。免疫力アップや糖質オフ、タンパク質摂取など今後も拡大していくとみられる。
「簡便」は具材とともに煮るだけ・炒めるだけで一品ができ、誰でも簡単に作れる手軽さ・時短提案が支持された。
「新価値」は、おつまみの主役としての海苔や、発酵によって新たな食感・質感を得た豆腐など、新たな食シーンを切り開いたキラリと光る商品が注目を集めた。
「本格志向」「健康」「簡便」「新価値」へのニーズはこれまでも中長期的に起きていた傾向だが、コロナ禍はそれを大きく加速したといえる。
モノ自体に自明の「価値」があり、作れば売れたのは過去のものだ。今は顧客と一緒に創造し、顧客に使用されることで初めて「価値」が生じる時代。出生数の減少をコロナ禍が加速するとの予測もあり、「人の口」が急激に減少していく時代には、すべてを顧客起点で考え、自己変革と成長を継続できる攻めの組織に変わることが欠かせない。
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令和2年度「第39回食品ヒット大賞」選考委員会は11月26日、東京・ホテルニューオータニで開催された。全国の有力小売、卸など90社のモニター企業に推薦を依頼、65社(回答率72.2%)からの回答があった。ノミネートされた商品について慎重かつ厳正な選考審査を行って決定した。
◇第39回(令和2年度)「食品ヒット大賞」受賞商品
◆食品ヒット大賞
該当商品なし
◆優秀ヒット賞(部門別、社名五十音順)
〈一般加工食品部門〉
・「本挽きカレー(中辛・辛口)」 エスビー食品
・「黄金の味 さわやか檸檬」 エバラ食品工業
・「バリバリ職人」 大森屋
・キリン iMUSE」シリーズ キリンビバレッジ
・サントリー緑茶「伊右衛門」 サントリー食品インターナショナル
・「日清これ絶対うまいやつ!」 日清食品
・「ファンタ プレミア」シリーズ 日本コカ・コーラ
・ハウス「ごちレピライス」 ハウス食品
・「ミツカン フルーティス」 Mizkan
・「TANPACT(タンパクト)」シリーズ 明治
・「ヤマサ ぱぱっとちゃんと これ!うま!!つゆ」 ヤマサ醤油
〈酒類部門〉
・「アサヒ ザ・リッチ」 アサヒビール
・「キリン一番搾り 糖質ゼロ」 キリンビール
・「サッポロ GOLD STAR」 サッポロビール
〈チルド食品・フローズン食品部門〉
・「ザ★から揚げ」 味の素冷凍食品
・「BEYOND TOFU」 相模屋食料
・「極上ヒレかつ」 ニチレイフーズ
〈菓子・パン部門〉
・「1本満足バー プロテイン」シリーズ アサヒグループ食品
・「湖池屋プライドポテト」 湖池屋
◆ロングセラー賞(発売年)
・「こめ油」(昭和35年) 築野食品工業
・「アスパラガスビスケット」(昭和43年) ギンビス
・「チョコモナカジャンボ」(昭和47年) 森永製菓
・「ルマンド」(昭和49年) ブルボン
・「チップスター」(昭和51年) ヤマザキビスケット
・「黒霧島」(平成10年) 霧島酒造
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