食品ヒット大賞特集

食品ヒット大賞特集:ごあいさつ 日本食糧新聞社会長CEO・今野正義

総合 2021.02.18 12189号 03面

 ●優秀ヒット賞19品・ロングセラー賞6品 新技術・食品開発賞、価値アップの6品表彰

 令和時代連続「ヒット大賞」なし

 日本食糧新聞社制定・令和2年度「第39回食品ヒット大賞」(選考委員長=亀井昭宏早稲田大学名誉教授)および「第34回新技術・食品開発賞」(選考委員長=岩元睦夫農林水産技術会議元事務局長)の受賞商品が、それぞれ決定いたしました。

 「食品ヒット大賞」は昭和57(1982)年、日本食糧新聞・創刊40周年を記念して制定、食品業界・有力卸売業を代表するトップ経営者を選考委員に依頼、さらに現在90社のモニター企業さまの力強い提案など全面ご支援をいただいて開催しています。

 残念ながら想定外のコロナ禍の影響も色濃く反映してか「ヒット大賞」は令和に入り2年連続「該当なし」となりました。

 令和2年度の「優秀ヒット賞」の受賞商品はコロナ応援食をはじめテレワーク、外食産業、業務用の打撃を背景に、新技術や変わる新ニーズの先取り、新容器活用による新開発、健康元気、さらなる簡便性や上質感、一方で格安感など、さまざまなTPOに沿う期待感、商品価値を高める挑戦など消費者からの話題を呼んだ商品が多く見られ、各社の知恵と新しい気付きを競う商品開発力、マーケティング力、企業努力が正に分散型で評価されました。コロナ禍で自宅、家庭用食材が底上げした一年でもあり、非接触、外出低下の特殊な一年ともいえましょう。

 しかし総体としては一極集中型の大型商品は誕生せず、分散型商材が多く、総体迫力という点では今後に課題を残した年ともいえます。移動なき社会のニーズ集約の難しさを垣間見た年となりました。

 ロングセラー賞は非日常のさなか、確実に力をつけ、ここにきて環境変化とともに長きにわたりきらりと目立った商品がモニターの支持を受けました。10年以上にわたり消費者から「飽きない商品」として応援をされてきた点は見逃せません。

 「新技術・食品開発賞」は、新技術を駆使して商品開発に取り組み、今後の成長・拡大が楽しみな技術力を持った商品に授与されるもので、今回も新技術や先端性、その応用商品など高い評価を得た6商品が受賞しました。コロナ禍と新技術の融合は新しい価値提供でもあったと考えます。

 両賞の受賞商品は、いずれも健康志向、簡便性、個食対応、価格志向など食生活向上への貢献、新技術による機能と味を組み合わせた新価値創造、巧みな価値発信など、各社の優れたマーケティング力とのコラボを感じさせるものでした。あの手、この手、身近な手、そして次の先読みなどくるくる変わる消費者の心の奥底が探りにくい一年でもありました。社会の変化とともに売れる要因が激しく揺れ動いた年も実感しました。

 日本食糧新聞社では、今後も当社の社是である食品産業・流通・関連産業への「提言紙・世論紙・応援紙」という報道基本方針を胸に、時代背景から報道方法が新聞からWebへと大きく変わりゆく中でも情報だけではなく、配信システムの最新化をも加え続けてまいります。どうぞ引き続いてのご理解とご協力、ご支援をお願い申し上げます。

 ◆参考資料(昭和57年~令和2年の39年間の受賞商品数)

 食品ヒット大賞:44品

 優秀ヒット賞:625品

 ロングセラー賞:129品

 ロングセラー特別賞:16品

 ロングセラー特別大賞:1品

 合計:815品

 ◆参考資料(昭和63年~令和2年の34年間の受賞商品数)

 新技術・食品開発賞:97品

 開発製品素材ロングセラー賞:1品

 合計:98品

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

  • 食品ヒット大賞特集

    食品ヒット大賞特集

    総合

     日本食糧新聞社制定、令和2年度「第39回食品ヒット大賞」および「第34回新技術・食品開発賞」の受賞商品が決まった。今年も大賞は選ばれなかったが、コロナ禍による内食向け提案商品の増加など受賞商品にも時代の変化の「今」が色 […]

    詳細 >