プレミックス特集

◆プレミックス特集:高まる存在感 人手不足対応で機能・簡便性訴求

小麦加工 2019.11.04 11966号 05面
プレミックスがフライ惣菜の品質を高めている

プレミックスがフライ惣菜の品質を高めている

インストアベーカリーではさまざまなプレミックスが使用されている

インストアベーカリーではさまざまなプレミックスが使用されている

ラインアップが豊富な家庭用プレミックス製品

ラインアップが豊富な家庭用プレミックス製品

プレミックス市場は、プレミックスならではの簡便性、機能性を強みに存在感を高めている。ボリュームゾーンの業務用カテゴリーでは、顧客の人手不足という大きな課題解決に向けた製品やサービスの投入が行われている。一方、家庭用は、家庭内での調理機会の減少に歯止めをかける提案をすることで、プレミックスとしての価値を高めている。(久保喜寛)

●業務用=加糖ミックス順調に伸長 家庭用=家庭内調理促す提案を

業務用プレミックスで順調なのは加糖ミックスだ。業界の課題となっている人手不足に対応して、“誰でも簡単に”調理を可能とする製品を提供することで、利用幅を広げることや使用頻度の増加につなげている。

業界ではベーカリー向けの食パン関連が安定して売上げを伸ばしているようだ。高級食パンのブームが続き、その影響を受けて、個人店というよりチェーン店などで食パンをメニューとして取り入れる顧客から要望が増えているという。ベーカリー市場に対しては、今後も人気の食パン提案とあわせて、全粒粉やライ麦といった健康素材を組み合わせた製品を展開していくことで、カテゴリーの拡大を目指していく。

また、一時期のブームであったドーナツやパンケーキなどは、需要の底を打ったようで、徐々に増加基調にあるという。さらにはアメリカンドッグやクレープ、たい焼きなどのスナック系ミックスも堅調に推移しているようだ。

無糖ミックスは、やや伸び悩んでいるようだ。天ぷら粉は、中食や外食で天ぷらメニューが導入されていることもあり、順調に推移している。SMの惣菜で天ぷらは定番アイテムとなっており、売上げも安定しているようだ。今後は、より簡便に天ぷらをつくることができる製品や、調理後の経時変化の少ないミックス粉の開発などに取り組む。

唐揚げ粉は、専門店の登場以降、惣菜関連でも人気のアイテムとなっている。外食などで専門店の味が手軽に味わえるようになっていることから、惣菜でも専門店に近いクオリティーが求められるようになっている。メーカーとしては、簡便で専門店の味に近づけるミックスの開発と提供に注力を図っている。ただし、唐揚げは、揚げるだけのより便利な冷凍食品の輸入品が増加しているようで、今後唐揚げ粉の需要に影響を与えてきそうだという。

業務用のトレンドとしては、1kgなどの小容量化が進んでいる。小容量化は、持ち運びが楽になるだけでなく、省スペースや調理に際しても無駄が省けるなどにもつながっているという。

家庭用の天ぷら粉は今年、回復の兆しが見えている。4月以降、“ハレの日”需要の影響か、1~9月で前年を上回っている。単身世帯の増加などで、調理機会が減っていたことから、ダウントレンドとなっていたため、今年の伸長は大きい。国際的なイベントが続く国内で、あらためて日本食の代名詞の「天ぷら」を一般消費者に意識付けすることで、食卓への登場頻度の向上を図っていきたい。

唐揚げ粉は、少し低調気味となっている。専門店が注目されたことで家庭内需要も拡大していったが、現在はやや伸び悩んでいる。そんな中でも、唐揚げを日常的につくるロイヤルユーザーは根強くいるようで、リピート率の高い商品が多い。唐揚げは食卓でも人気のメニューであることから、今後はライトユーザーを取り込んでいくことで、さらなる成長を図っていきたい。

ホットケーキミックスは減少傾向にあるが、高付加価値製品は販売を伸ばしている。パンケーキの人気以降、家庭でも店舗で提供されるような味わいの商品が求められているようだ。この状況下、品質面だけでなく、調理の簡便さを訴求した商品も登場し、ユーザーの裾野拡大に取り組む。

お好み焼き粉は堅調に推移しているもののたこ焼き粉はやや苦戦している。お好み焼き粉は、キャベツの価格が安定していたこともあり、ホットプレートを使い家族で楽しみながら調理する機会が増えたとみている。半面、たこ焼き粉は、タコが高騰していたため、売上げが落ちた。お好み焼き粉は、引き続き成長を促していくとともに、たこ焼き粉については、タコ以外でチーズやソーセージなど中身を楽しみながら味わえる提案をしていくことで、販売増を目指す。

いずれのカテゴリーについても、家庭での調理機会を創出していくことが重要な課題となっている。また、商品の原料にも国内産の使用や全粒粉といった、健康や安全・安心にも対応していくことで、新規需要を獲得していく狙いだ。

プレミックスの主原料の輸入小麦の政府売渡価格が10月1日から5銘柄平均で8.7%引き下げられた。これを受けて、製粉メーカーは、日清製粉が11日、日本製粉と昭和産業が15日、日東富士製粉が16日、千葉製粉が16日、奥本製粉が18日に相次いで業務用小麦粉の価格改定を発表した。輸送費や外部委託費などのコストが上昇しているため、コスト増加分を織り込んだ改定額(25kg当たり値下げ額・税抜き)は、強力系小麦粉(および準強力粉)が130円、中力系・薄力系小麦粉が100円(日本製粉は105円)、国内産小麦100%小麦粉35円(昭和産業、千葉製粉、奥本製粉は30円)。改定時期は2020年1月10日出荷分から実施する。

業務用小麦粉の値下げに伴い、プレミックスの価格も改定される可能性は高いものの、小麦粉以外の包材や輸送費、人件費などのコストが上昇していることから値下げ幅は小麦粉より小さいと予想される。

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