チーズ特集

チーズ特集:USDEC 初の米国産チーズ使用コンテスト 成長カテゴリーで拡大の可能性示す

乳肉・油脂 2021.12.22 12340号 08面
グランプリ「コクと旨みのメンチカツカレー味チーズのせ(北海道産とうもろこし入り)」

グランプリ「コクと旨みのメンチカツカレー味チーズのせ(北海道産とうもろこし入り)」

米国産チーズを使った多種多様なメニューの応募があった

米国産チーズを使った多種多様なメニューの応募があった

多田正幸バイヤー

多田正幸バイヤー

 USAチーズギルド・アメリカ乳製品輸出協会(USDEC)は、米国産チーズを使った初の惣菜・デリ新商品開発コンテストを開催し、日本市場における成長カテゴリーでの拡大の可能性を示した。同コンテストには米国産チーズを使った弁当、寿司、惣菜、調理パンなどさまざまな商品アイデアが寄せられ、和風メニューとの融合やこれまでにないアレンジ方法といった新たな使い方が幅広く提案された。参加者からは今後もさらなるメニュー開発への意向を示す声も多く、コロナ禍でも堅調な成長を続ける10兆円産業でのナチュラルチーズ(NC)の展開が期待される。(小澤弘教)

 ◆グランプリ

 マルイ(新潟)「コクと旨みのメンチカツカレー味チーズのせ(北海道産とうもろこし入り)」

 同コンテストは、USDECが主催し、アメリカ大使館農産物貿易事務所(ATO)と日本惣菜協会が後援。食品メーカー、SM、CVSベンダー、デパ地下、路面店などで惣菜を製造・販売もしく販路のある企業や団体が対象で、常温・チルド管理の商品アイデアを募集した。最終的に寿司・おつまみ・デザートなどの「クリエイション(創作)部門」に43品、弁当やプレートなどの「ミール(食事)部門」に12品、調理パンなどの「ベーカリー(惣菜パン)部門」に11品の応募があり、書類選考を経た最終審査会を経て、グランプリ1品、部門各金賞3品、審査員特別賞3品を表彰した。

 審査員を務めた福田久雄USDECディレクターは、中食・惣菜市場を「極めて重要な位置づけ」ととらえ、「コンテストのためのコンテストに終わらせず、商品としての導入を視野に入れたサポートを継続したい」と開催の手応えを示した。USDECでは、米国産チーズの拡大を三つのフェーズで進めていきたい考え。

 第1フェーズでは今回のコンテストに合わせて実施したサンプル配布など、米国産チーズを「まずは知ってもらう」段階を経て、商品開発のサポートを行う第2フェーズへつなげる。そして、商品化されたアイテムをプロモーションしていく第3フェーズへと発展させていくことで、市場浸透と定着を図っていく方針だ。

 同コンテストの審査委員長を務めた小平昭雄惣菜サミット会長からも、「コメ文化が主体の中でも、チーズを活用したクリエイティブなアイデアが多かった。2回、3回と重ねていくことで発展を期待したい」との総評があり、今後も米国産チーズを使った付加価値惣菜の登場機会が期待される。

 ●多田正幸バイヤー「早くも3000パック販売」

 当社は新潟県でスーパーマーケット27店舗を展開しており(11月29日現在)、11月23日から今回の受賞商品「コクと旨みのメンチカツカレー味チーズのせ(北海道産とうもろこし入り)」の販売をスタートさせた。全店で展開しており、3000パックを販売できている。今回のグランプリ受賞という評価が自信になり、良い経験をさせてもらった。今後も商品企画・開発に結びつけていきたい。

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