冷凍食品特集
冷凍食品業界の19年はさまざまな好・悪材料が入り混じり、全体として1.5%程度の市場成長は達成するとみられるが、利益面では引き続きやや苦戦といった年になりそうだ。最大の収益圧迫要因は物流費・保管料・人件費の上昇。また水産原料はじめコメや畜肉原料も高止まり傾向。資材・包材価格も上昇している。需要面はおおむね堅調を保って推移したが、各メーカーの直近業績を見ると、数社を除いて利益率は依然として伸び悩んでいる。構造的なコスト増が長期的に重なるとみられる状況下、5G(第5世代移動通信規格)の活用などに期待は高いものの、労働節約型のイノベーションが一気に進むとは考えにくい。ならば未購入層の取り込みをさらに強化し、売上げ成長を加速させて利益確保を狙いたい。冷食市場の潜在成長力は大方の指摘の通り高い。今後、コスト抑制力とともに商品開発力がますます問われそうだ。(本宮康博)
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◆冷凍食品特集:市場成長も利益で苦戦 問われる商品開発力
冷凍・チルド 2019.11.29冷凍食品業界の19年はさまざまな好・悪材料が入り混じり、全体として1.5%程度の市場成長は達成するとみられるが、利益面では引き続きやや苦戦といった年になりそうだ。最大の収益圧迫要因は物流費・保管料・人件費の上昇。また水産原料はじめコメや畜肉原料も高止ま…続きを読む
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冷凍食品特集:業務用動向=値上げ効果限定的に
冷凍・チルド 2019.11.29業務用の19年市場規模は、前年比1.5%の拡大と推測する。業態別ではスーパー・CVS・弁当向けがけん引役の中食惣菜が1%増、インバウンド需要が際立つ外食が1%増、介護食が依然として成長軌道にある給食は1%増とみる。物流費・人件費上昇と原料高から、3~4…続きを読む
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冷凍食品特集:家庭用動向=弁当回復へ戦略に注目
冷凍・チルド 2019.11.29家庭用の19年市場規模(末端売価ベース)は、前年比2%増程度と推測する。トレンドとして一昨年から、チャーハン・鶏唐揚げ・ギョウザ・ラーメンといった品目が安定して伸び続けている。冷凍野菜も生鮮価格の不安定化で、着実に認知度を高めている。好調カテゴリーの伸…続きを読む
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冷凍食品特集:強みを生かす!静岡の2工場=ヤヨイサンフーズ・清水工場
冷凍・チルド 2019.11.29●得意技術で品揃え強化 自動化・省力化で増産可能に ヤヨイサンフーズの主力拠点、清水工場(静岡市)は建屋内と周辺に品質保証・商品開発・情報システム・営業統括・静岡支店・物流センターなど多数の機能をもち、これらを総称して“清水サイト”と呼ぶ。中枢機能…続きを読む
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冷凍食品特集:強みを生かす!静岡の2工場=米久デリカフーズ・本社工場
冷凍・チルド 2019.11.29●成型・包あんに高いノウハウ 家庭用を本業に 米久グループの米久デリカフーズ(以下、米久DF)本社工場(沼津市)は、来年で稼働30年を迎える同社の主要拠点。全生産量の約3分の一を供給する。同社の母体は米久が09年に取得したアンゼンフーズ。71年創業…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ニチレイフーズ・宮川浩幸氏、松尾哲哉氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇家庭用事業部長・宮川浩幸氏、執行役員業務用事業部長・松尾哲哉氏 ●家庭用=楽観できない下期収益 業務用=物流改善の加速が必要 ニチレイフーズの家庭用調理品の4~9月期売上高は前年比5.2%増の310億円と、市場全体の伸びを上回り、予算に対しても…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=マルハニチロ・半澤貞彦氏、大西宏昭氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇取締役常務執行役員家庭用冷凍食品ユニット長・半澤貞彦氏、執行役員業務用食品ユニット長・大西宏昭氏 ●家庭用=商品戦略で内食誘導型へ 業務用=米飯類・自然解凍に注力 マルハニチロの家庭用冷食ユニットの4~9月期は、売上高が前年比2%減の293億円…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=テーブルマーク・亀山明記氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇専務執行役員マーケティング&セールス本部長・亀山明記氏 ●単体冷食で増収見込む 戦略的縮小完了へ 第3四半期累計(1~9月)のテーブルマーク単体冷食事業(J-GAAPベース)は、売上高が予算比では若干ショートしたものの前年同期を上回り、利益面は…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ヤヨイサンフーズ・栗田晋吾氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇執行役員営業本部長・栗田晋吾氏 ●大豆ミート商品に期待 「イートベジ」で売場づくり ヤヨイサンフーズの今期4~9月期業績は売上高(出荷ベース)が前年比1.9%減、営業利益は微増益となった。足元10月単月は前年比2%減で推移した。 消費増税より…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=味の素冷凍食品・上園健氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇国内統括事業部販売マーケティング部長・上園健氏 味の素冷凍食品の4~9月期は、国内販売が売上高494億円で前年に対し微増、事業利益は34億円で15億円増の大幅増益だった。増益要因は売上げ増に加え、主要商品の売上構成比が上昇したこと、業務用商品の3…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=日本水産・中野博史氏、松島和浩氏
冷凍・チルド 2019.11.29◇家庭用食品部長・中野博史氏、執行役員食品事業副執行委嘱、業務用食品部長委嘱・松島和浩氏 ●家庭用=主力10品で販促を強化 業務用=通期は微増収・微増益 日本水産の4~9月期の単体・家庭用調理品(冷凍野菜含む)は、売上高が前年比3%増283億円で…続きを読む
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冷凍食品特集:日清食品冷凍 ラーメン・パスタ好調 コスト増対応へ物流部新設
冷凍・チルド 2019.11.29日清食品冷凍の4~9月期業績は、主力の家庭用が堅調に推移して売上高が前年比5%増で予算をクリア、営業利益は物流費・人件費の圧迫が大きく減益となった。 家庭用のカテゴリー別売上げは、ラーメンが1桁前半の伸びとなり、特に3割増となった「冷凍 日清の台湾…続きを読む
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冷凍食品特集:昭和冷凍食品 新成型機で品揃え強化 来期は増産・拡販期す
冷凍・チルド 2019.11.29昭和産業グループの粉関連業務用メーカー、昭和冷凍食品の今期1~10月業績は売上高が前年同期並み、営業利益は若干の減益で推移した。段階的な上昇基調にある物流費の圧迫が響いた。2大事業の冷凍パン生地と調理冷食は、ともに前年並みの売上げだった。冷夏など天候…続きを読む
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冷凍食品特集:キユーピー 卵加工品が各業態で好調 通期も堅調な着地見込む
冷凍・チルド 2019.11.29キユーピーの業務用食品を手がけるフードサービス(FS)事業の冷食分野は、今期12~10月累計売上高が前年同期を上回って堅調に推移した。利益面は物流費・人件費増の圧迫や資材高などがあったものの、売上げ増と卵価の安定もあり堅調に推移した。 7月の冷夏や…続きを読む
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冷凍食品特集:大冷 直販部が増収に寄与 “骨なし魚”ブランド守る
冷凍・チルド 2019.11.29業務用メーカー、大冷の4~9月期決算は売上高が前年比2.8%増138億円と予算を若干上回り、営業利益は26.0%増5億9500万円ながら予算比では若干の未達だった。増益の要因は、前期の大幅値上げに伴う値引きが今上期は削減でき、粗利率が回復したことによ…続きを読む
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冷凍食品特集:ライフフーズ 冷夏直撃で上期苦戦 来春の組織変更を準備
冷凍・チルド 2019.11.29冷凍野菜・果実メーカー、ライフフーズの9月期中間は売上高が前年比4%減、販路別では業務用2%減・家庭用9%減だった。減収と物流費上昇などで減益を余儀なくされたが、最大要因は7月の冷夏による、拡大傾向で推移してきたフルーツの荷動きが鈍化。特に家庭用で影…続きを読む
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冷凍食品特集:イートアンド 「カレーぎょうざ」が人気 弁当にもギョウザ提案
冷凍・チルド 2019.11.29【関西】イートアンドの20年3月期第2四半期の食品事業は、売上高7.5%増の76億3700万円と好調に着地した。新商品では「大阪王将 羽根つきカレーぎょうざ」=写真=がすでに好調に推移している。また、同社は11月中旬に関東第二工場が竣工し12月に本格…続きを読む
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冷凍食品特集:ケイエス冷凍食品 季節限定品認知拡大 シリーズ併売で底上げ奏功
冷凍・チルド 2019.11.29【関西】ケイエス冷凍食品の19年1~10月業績は、家庭用が前年比3%増、業務用が同1%減、原料や包材、物流・人件費高騰の影響や価格競争の激化など、厳しい事業環境の中で、トータルでは同1%増と堅調だった。 家庭用では、同社の看板商品「国産鶏 鶏つくね…続きを読む
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冷凍食品特集:日東ベスト 各販路とも前年クリア 悪天候影響も目標を維持
冷凍・チルド 2019.11.29日東ベストの4~9月期中間は、冷食部門の売上高が前年比2.6%増だった。伸び率は予算に対して若干下回ったが、利益面は計画通りの進捗(しんちょく)。ほぼ全ての商品カテゴリーで前年を上回って推移し、販路別でも給食・惣菜・外食とも前年売上げを上回った。当初…続きを読む
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冷凍食品特集:トピックス=アサヒウェルネスフーズ 冷凍弁当年間500万食製造
冷凍・チルド 2019.11.29●新工場竣工で1000万食体制へ 【関西】超高齢化社会、生活習慣病、女性の社会進出などの社会情勢が追い風となり、業績が伸長する冷凍食品製造会社がある。19年春に新本社兼工場を竣工し、新たな社名でスタートを切ったアサヒウェルネスフーズだ。 もともと…続きを読む