冷凍食品特集
冷凍食品業界の20年は、新型コロナウイルスの影響で家庭用の販売が伸びる一方、業務用が苦戦を強いられる構図となった。全体として前年比3~4%程度の市場縮小と推測する。利益面も同様だが、商談など移動の制限、販促や交際費の抑制など経費削減がプラス要因となったのは大きい。だが9月以降は両販路ともに、各社が販促強化の方向を打ち出し、コロナ下で変化する消費者・ユーザーニーズへの対応を試みている。コロナが変えた生活習慣にマッチする商品・売場とは何か。販路や業態間の新たな収益バランスを模索する段階に入った。コロナ以前には戻らない分野、回復可能な分野、伸びる分野を見極めながら、短期・中期に課題や目標を整理して、地道に進むしかない。(本宮康博)
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◆冷凍食品特集:コロナ下でのニーズ対応を 収益バランス模索
冷凍・チルド 2020.11.30冷凍食品業界の20年は、新型コロナウイルスの影響で家庭用の販売が伸びる一方、業務用が苦戦を強いられる構図となった。全体として前年比3~4%程度の市場縮小と推測する。利益面も同様だが、商談など移動の制限、販促や交際費の抑制など経費削減がプラス要因となっ…続きを読む
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冷凍食品特集:家庭用=各社に問われる先見力
冷凍・チルド 2020.11.30家庭用の20年市場規模(末端売価ベース)は、前年比15%増程度と推測する。新型コロナによる巣ごもり需要が、弁当類を除くほぼすべてのカテゴリーで急拡大。市場の伸びは歴史的な高水準となった。新規ユーザーの流入効果が大きく、その後のリピート率も安定している…続きを読む
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冷凍食品特集:業務用=卸と協働で魅力的販促
冷凍・チルド 2020.11.30業務用の20年市場規模は、前年比15%程度の縮小と推測する。新型コロナによる需要減は外食・事業所給食・CVS向けで大きく、これらで市場規模を約17%押し下げそうだ。感染拡大による年末需要への悪影響は必至とみられ、回復傾向に水を差す状況となりそう。ただ…続きを読む
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冷凍食品特集:わが社の逸品=味のちぬや おつまみ需要で好調
冷凍・チルド 2020.11.30コロッケ・メンチカツで日本一を目指す、味のちぬやは19年7月、愛媛県にメンチカツやササミフライなど畜肉加工品を製造する第3工場「四国工場」を稼働。コロナ禍では、新工場の生産力を生かすために新規取引先の開拓強化した結果が出て、メンチカツやささみフライは…続きを読む
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冷凍食品特集:冷食100周年 歴史と未来語る
冷凍・チルド 2020.11.30今年の冷食業界の最大のトピックは、なんといっても事業発祥100周年だ。北海道森町の現ニチレイフーズ森工場の中庭には、当時の冷凍機=写真=がケース内に展示され、“日本冷凍食品事業発祥之地”とする記念碑が置かれている。100年=1世紀という時間の流れにロ…続きを読む
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冷凍食品特集:冷食100周年=日本冷凍食品協会・大櫛顕也会長 社会的責任果た…
冷凍・チルド 2020.11.30●技術革新経て繁栄 日本の冷凍食品事業は、1920年(大正9年)、北海道森町で日産10tの凍結能力をもつ冷凍庫を用いて、近郊湾で獲れた魚を冷凍したのが始まりです。山口県出身の実業家・葛原猪平氏が、米国から冷凍機械設備、技術者を導入し事業を開始しまし…続きを読む
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冷凍食品特集:冷食100周年=ニチレイフーズ・竹永雅彦社長 健康・ロス低減に…
冷凍・チルド 2020.11.30●さらに価値向上へ 冷凍食品事業の発祥から100年。冷凍食品業界は、メーカー各社が切磋琢磨して時代ごとの社会課題を解決し、生活者ニーズをとらえることで成長してきました。 業務用冷凍食品は、戦後すぐに学校給食として採用され、64年の東京五輪、70年…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ニチレイフーズ・宮川浩幸氏、滝英明氏
冷凍・チルド 2020.11.30◇ニチレイフーズ・宮川浩幸家庭用事業部長、滝英明業務用事業部長 ●家庭用=新常態への対応重視 業務用=ユーザー支援を継続 ニチレイフーズの家庭用調理品の4~9月期売上高は前年比11%増の344億円となり、戦略カテゴリーのチャーハン、唐揚げ類の同2…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=日本水産・中野博史氏、金澤建支氏
冷凍・チルド 2020.11.30◇日本水産・中野博史家庭用食品部長、金澤建支業務用食品部長 ●家庭用=来春商品は投入数増 業務用=期初予算達成目指す 日本水産の4~9月期の単体・家庭用調理品は売上高が前年比1.6%増の253億円、冷凍野菜は8%増で推移した。利益面は、増収効果と…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=テーブルマーク・亀山明記専務執行役員
冷凍・チルド 2020.11.30◇テーブルマーク・亀山明記専務執行役員営業本部長兼販売事業部長 ●素材系商材が好調推移 玉うどん、家庭用で伸びしろ 第3四半期累計(1~9月)のテーブルマーク単体冷食事業は、新型コロナウイルスの影響が続いたことで、業務用の落ち込みを好調な家庭用で…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=マルハニチロ・若宮靖史氏、安田大助氏
冷凍・チルド 2020.11.30◇マルハニチロ・若宮靖史執行役員家庭用冷凍食品ユニット長、安田大助執行役員業務用食品ユニット長 ●家庭用=米飯・麺類など増加 業務用=マグロ品で販路開拓 マルハニチロの家庭用冷食ユニットの4~9月期は、売上高が前年比8%増の317億円、営業利益は…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=味の素冷凍食品・黒崎正吉社長
冷凍・チルド 2020.11.30●マーケティング強化へ 業務用は構造改革を最優先 味の素冷凍食品の4~9月期は、国内販売の売上高が前年比4%減の512億円、事業利益が同31%増の46億4000万円となった。 増益要因としては、2019年度から進めてきた生産性向上の取組みが成果を…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ヤヨイサンフーズ・栗田晋吾執行役員
冷凍・チルド 2020.11.30◇ヤヨイサンフーズ・栗田晋吾執行役員営業本部長 ●新気仙沼工場を活用へ 主力カテゴリー販売に注力 ヤヨイサンフーズの今期4~9月期業績は売上高(出荷ベース)が前年比8%減の166億円となった。新型コロナ拡大による影響で特に第1四半期は学校の休校や…続きを読む
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冷凍食品特集:注目企業=見方 ホテル品質ミールキット「シェフナビ」が好発進
冷凍・チルド 2020.11.30エア・ウォーターグループで、北海道の冷食メーカー「見方」の新ブランド「シェフナビ」のミールキットが好調だ。9月発売のビーフシチューなど6種類が道内量販店で次々採用され、コロナ禍で苦戦中のホテルからはOEM製造の問い合わせが相次いでいる。青山昇平社長は…続きを読む
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冷凍食品特集:注目企業=小川香料 うま味調味料「OGテイスト」 植物肉にも積…
冷凍・チルド 2020.11.30小川香料はうま味濃厚調味料「OGテイスト」を中心に、添加することで出来たての“調理感”や香気を付与するクッキングフレーバー「クックオンアロマ」シリーズ、飲食時に口内から鼻腔へ抜ける香りを独自に分析して表現した「バックアロマフレーバー」シリーズなどを組…続きを読む
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冷凍食品特集:キユーピー 第3四半期以降プラスに 時短商品で料飲店支援
冷凍・チルド 2020.11.30キユーピーの業務用食品を手がけるフードサービス(FS)事業の冷食分野は、主力販路の料飲店向けで新型コロナの影響が大きく、冷食商材の大半を占めるタマゴ加工品の今期12~8月累計売上高は前年比10%減の631億円となった。利益面は政府のGoToキャンペー…続きを読む
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冷凍食品特集:昭和冷凍食品 自社工場製品が好調 家庭用プチケーキの採用進む
冷凍・チルド 2020.11.30昭和産業グループの粉関連業務用メーカー、昭和冷凍食品の今期1~9月業績は売上高が前年比3%減、営業利益は収益性重視の販売により、若干の増益で推移した。足元は新型コロナの影響から立ち直りつつあり、8~11月にかけて売上げ回復基調にある。 2大事業の調…続きを読む
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冷凍食品特集:日東ベスト 市場回復に素早く対応 ベーシックメニューに注力
冷凍・チルド 2020.11.30日東ベストの4~9月期中間は、冷食部門の売上高が前年比15.6%減の181億円だった。新型コロナの影響で外食・給食向けの需要減が響いた。特に4~5月の学校給食休止が痛手となったが、6月再開後は回復した。外食はインバウンド関連の回復が遅れている。中食惣…続きを読む
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冷凍食品特集:ライフフーズ 家庭用フルーツ急伸 機能性表示食品も
冷凍・チルド 2020.11.30冷凍野菜・フルーツメーカー、ライフフーズの4~9月期中間決算は、総売上高が前年比10%減、販路別では業務用同17%減・家庭用同28%増だった。売上比率は直近で業務用6に対し家庭用4と、家庭用の構成比が高まっている。中でも注力するフルーツ類がコロナ下で…続きを読む
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冷凍食品特集:日清食品冷凍 ラーメン、30%以上伸長 今夏は汁物需要が増加
冷凍・チルド 2020.11.30日清食品冷凍の4~9月期業績は、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の勢いに乗って、売上高は前年比2桁増と好調に折り返した。営業利益は量販店が特売を控えたことで、販促費を抑えられたことなどもあり、前年を大幅に上回る着地となった。 カテゴリー別売上げ…続きを読む
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冷凍食品特集:イートアンドホールディングス 「ぷるもち水餃子」40%増達成
冷凍・チルド 2020.11.30イートアンドホールディングス(HD)の21年2月期第2四半期の食品事業は、前年比7%増の81億7300万円と好調に推移した。定番品「大阪王将 羽根つき餃子」は同17.4%増、「同 ぷるもち水餃子」は同40%増と大きく売上げを伸ばした。秋冬新商品「同 …続きを読む
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冷凍食品特集:ケイエス冷凍食品 肉だんごで鍋料理を提案
冷凍・チルド 2020.11.30●「鶏つくね串」シリーズ、配荷が拡大 ケイエス冷凍食品の20年1~9月業績は、家庭用・業務用累計で減収となった。好スタートを切った家庭用は、4~5月の弁当商材が落ち込んだものの、6月からは回復傾向が続いている。中でも「国産鶏 鶏つくね串」シリーズは…続きを読む