冷凍食品特集

冷凍食品特集:業務用=卸と協働で魅力的販促

冷凍・チルド 2020.11.30 12153号 06面

 業務用の20年市場規模は、前年比15%程度の縮小と推測する。新型コロナによる需要減は外食・事業所給食・CVS向けで大きく、これらで市場規模を約17%押し下げそうだ。感染拡大による年末需要への悪影響は必至とみられ、回復傾向に水を差す状況となりそう。ただ2~3%の規模拡大とみられる福祉給食はじめ、外食でも健闘するファストフード店、生協宅配、C&C、Eコマースといった業態の伸長もあり、各社の営業戦略が明暗を分ける可能性もある。

 量販店デリカ売場がけん引役の中食惣菜は、前年並み~2%減での推移とみる。店内の精肉・青果やグロッサリーとの競合にやや苦戦した。衛生面から袋売りや弁当類などパック売りに売場構成がシフトし、品揃えや販促策の方向感が定まらない店舗もある。家庭内調理が増える中、コロナ下で高まった健康意識や適量感に訴える提案が求められる。

 起伏の激しい1年となったのが学校給食。6月以降の給食再開と、7月の夏休み短縮による需要発生で持ち直した。感染リスク低減のため、調理済みの小分け・個包装商材でニーズが高まり、加工食品の利用が全般的に増した。今後も底堅い需要が見込まれる。

 “新しい生活様式”への変化が加速する中、影響の大きいインバウンド関連、社員食堂、居酒屋などは「もう以前の需要水準には戻らないだろう」との声も聞かれる。そうなれば販路や商品構成を含めた事業戦略の見直しも必要となろう。現時点では、家庭用売場も視野に入れた商品開発が複数メーカーで進みそうな様子だ。

 営業手法の変化も激しい。家庭用に比べ重要度の高い訪問営業やその他の交際が困難な中、各社が知恵を絞った商談スタイルを試みている。Web商談など多くはデジタル化を進め、ホームページなどで業務ユーザーへの直接的なメニュー提案も積極化している。今後は卸とも協働し、魅力的な販促につなげる企画開発力にも期待がかかる。

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