酒類流通の未来を探る

酒類 2022.07.16
酒類流通の未来を探る

 酒類業界が新型コロナウイルスの感染拡大を機に変容しようとしている。低価格品を主軸に「量」を追い求めていたコロナ禍前とは異なり、コロナ下でも選ばれる「質」を重視する商品や取組みが目立つ。ただ、酒類の価値向上は道半ば。外飲み減少や大型値上げなど逆風が吹く難局の中、売上げを回復しながら酒類の魅力を高める施策が新たな課題だ。
 酒類市場は人口減少や酒類を提供する飲食店数が減り、コロナ収束後も国内需要の縮小が続くとみられる。足元では業務用市場が復調している半面、家飲みが減少し家庭用の販売が鈍化している。
 急速に進む円安とロシアのウクライナ侵攻で資材コストが上昇し、輸入酒類の安定調達も難しい状況だ。今秋には大手ビールメーカーの一斉値上げが控え、流通業者は新価格への対応が今年最大の焦点だと指摘する。(岡朋弘)