冷凍食品特集
冷凍食品業界は19年の折り返しを迎えた。17年下期から顕在化した厳しいコスト環境への対策や備えに手間取り、18年は主要メーカーが総じて利益を落とした。人手不足や賃金上昇による物流費・人件費の構造的なコスト増、不漁や世界的な需要増による広範な水産原料の価格上昇など、今後も厳しい事業環境が続く。利益体質強化に向け各社が取り組んではいるが、現時点ではニーズをとらえた商品開発のほか、価格改定と不採算商品の整理、得意領域に特化する選択と集中、工場の省人化や自動化による生産性向上などが共通する方向性だ。これらにより、利益面でも再度、上りエスカレーターに乗り移れるか。それとも淘汰(とうた)・再編の道へ進むのか。マーケットのもつポテンシャルに疑問を投げかける声はなく、中長期的な市場拡大が続くと予想する関係者が大半。今こそ業界の力量と真価が問われる。(本宮康博)
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◆冷凍食品特集:利益回復へ真価問われる
冷凍食品 特集 2019.06.28冷凍食品業界は19年の折り返しを迎えた。17年下期から顕在化した厳しいコスト環境への対策や備えに手間取り、18年は主要メーカーが総じて利益を落とした。人手不足や賃金上昇による物流費・人件費の構造的なコスト増、不漁や世界的な需要増による広範な水産原料の価…続きを読む
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冷凍食品特集:家庭用 今年度2%拡大か 収益重視も値上げ限定的
冷凍食品 特集 2019.06.28家庭用の18年度市場規模(末端売価ベース)は、前年比2%弱拡大し、17年度の約4%増に続き成長を保った。ただ成長ペースは明らかに鈍化し、特に18年10月~19年2月までは調理冷食の苦戦が続いた。昨秋に強力な商品提案がなかったほかに明確な不振原因の特定が…続きを読む
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冷凍食品特集:業務用 若干鈍化やむなしか 成長への期待は変わらず
冷凍食品 特集 2019.06.28業務用の18年度市場規模は前年比約2%拡大した。チャネル別ではCVS・量販店惣菜・弁当ルートなど中食が2%増、外食が2%増、学校・事業所・病院・福祉施設など給食が横ばいと推定する。深刻な人手不足を背景に、各業態で手作りや一次加工の手間を省ける冷食へのシ…続きを読む
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冷凍食品特集:日本冷凍食品協会創立50周年 尾辻昭秀常務理事に聞く
冷凍食品 特集 2019.06.28◆発展の基盤は「自主基準」、HACCP義務化に即対応 日本冷凍食品協会は7月で創立50周年を迎える。その歴史は冷凍食品の増産の歴史と軌を一にする。産業黎明期からいち早く広範な取り扱い基準を策定するなど、果たしてきた役割は大きい。品質・技術事業を担う…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ニチレイフーズ 宮川浩幸氏・松尾哲哉氏
冷凍食品 特集 2019.06.28◇家庭用事業部長・宮川浩幸氏 ●家庭用=米飯・チキン・凍菜・弁当に力 ニチレイフーズの家庭用調理品の前3月期売上高は前年比5%増603億円、営業利益は前期並みで着地した。特に戦略カテゴリーの米飯類は「本格炒め炒飯」を中心に売上げ約5%増、同じくチ…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=マルハニチロ 半澤貞彦氏・大西宏昭氏
冷凍食品 特集 2019.06.28◇取締役常務執行役員・家庭用冷凍食品ユニット長・半澤貞彦氏 ●家庭用=内部改革取組み収益強化 マルハニチロの前3月期末の家庭用冷食ユニットは売上高が前年比2.8%減590億円、営業利益1億円増の14億円と減収増益だった。 商品カテゴリー別売上げ…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=ヤヨイサンフーズ 栗田晋吾氏
冷凍食品 特集 2019.06.28◇執行役員営業本部長・栗田晋吾氏 ●得意カテゴリー重点化徹底 気仙沼工場本格稼働に向け準備 ヤヨイサンフーズの前3月期業績は売上高が前期比3%減375億1000万円、営業利益48.8%減5億3900万円となった。水産・畜肉など原材料高や物流費・人…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=テーブルマーク 亀山明記氏
冷凍食品 特集 2019.06.28◇専務執行役員マーケティング&セールス本部長・亀山明記氏 ●夏のうどん需要喚起へ販促 家庭用、回転率高まり大幅伸長 テーブルマークの第1四半期(1~3月)冷食売上高は、家庭用・業務用合わせて前年比約2%減で推移した。家庭用は1~2月の暖冬でうどん…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=味の素冷凍食品 下保寛氏
惣菜 特集 2019.06.28◇取締役専務執行役員マーケティング本部長兼国内統括事業部長・下保寛氏 ●国内はコア領域に戦力集中 ギョウザ拡大へ大規模販促実施 味の素冷凍食品を含む味の素グループ冷食事業の前3月期業績は、国内売上高が前年比3%減の973億円となり、事業利益はコス…続きを読む
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冷凍食品特集:キーマンは語る=日本水産 中野博史氏・松島和浩氏
調理品・コメまわり品 特集 2019.06.28◇家庭用食品部長・中野博史氏 ●家庭用=今期売上高3%増目指す 日本水産の前3月期末の単体・家庭用調理品は、売上高が前年比4.2%増478億円、家庭用農産品(冷凍野菜)が4%増53億円なので、合わせて4%増531億円と拡大。利益面は物流費高騰や人…続きを読む
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冷凍食品特集:昭和冷凍食品 イタリア製の成型機導入 プチケーキ一般向け展開も
冷凍食品 特集 2019.06.28昭和産業グループの粉関連業務用メーカー、昭和冷凍食品(新潟市)の今期1~5月業績は売上高が前年並み、営業利益も前期並みで予算通りの進ちょくとなった。2本柱事業のうち、冷凍パン生地と調理冷食ともに売上げが前期並みだった。物流費をはじめ各種コストの上昇を…続きを読む
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冷凍食品特集:日清食品冷凍 さらに単品力を磨く 静岡工場新ライン導入
麺類 特集 2019.06.28日清食品冷凍の前3月期末業績は、連結売上高が前年比3%増で、麺類を主力とする単体の市販品が寄与した。営業利益もこれに伴い予算を達成して増益だった。単品力の強化施策で収益力を高め、目標とする売上げ10億円商品の拡大はNB品で計5アイテムまで増えた。 …続きを読む
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冷凍食品特集:キユーピー 全方位で市場広がる 主力の卵加工品が好調
冷凍食品 特集 2019.06.28キユーピーの業務用冷食・チルド品などを手がけるフードサービス事業は、今上期(12~5月)の冷食売上高・利益とも前年並みとなる見込み。 主力の卵加工品と冷凍卵素材が引き続き好調。人手不足を背景に手作りからのシフトが進み、ベーシックな「スクランブルエッ…続きを読む
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冷凍食品特集:ライフフーズ 家庭用フルーツ伸長 縦パッケージ2品を投入
冷凍食品 特集 2019.06.28冷凍野菜・果実メーカー、ライフフーズの前3月期末業績は、注力する家庭用冷凍フルーツ類が前期に続いて大幅に伸び、冷食販売以外も含む総売上高は前期比1%増131億円。利益は物流費の高騰や資材値上がりに加え、昨秋冬にかけての青果安による冷凍野菜の荷動き悪化…続きを読む
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冷凍食品特集:イートアンド 「大阪王将」50周年で食品・外食事業連動も
冷凍食品 特集 2019.06.28【関西】イートアンドの19年3月期の食品事業は、前年比6.2%増の148億8700万円。焼きギョウザ類は同12.7%増、水ギョウザ類は同4.9%増の売上げとなった。 今期発売の新商品では「大阪王将 羽根つき焼き小籠包」が好調に推移した。新関東工場は…続きを読む
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冷凍食品特集:ケイエス冷凍食品 弁当商材が好調 ミートボールで消費者接点を
冷凍食品 特集 2019.06.28【関西】ケイエス冷凍食品の今期1~4月は増収減益で推移した。家庭用は前年比5%増、業務用は同2%増の売上げとなった。弁当商材が好調に動いた一方で、家庭用ミートボールは計画に対して苦戦した。冷凍ミートボールシェアナンバーワンの同社にとって、消費者とミー…続きを読む
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冷凍食品特集:日東ベスト 新・増設ライン活用 経常利益率の回復図る
冷凍食品 特集 2019.06.28日東ベストの冷食部門(連結)、前3月期末業績は売上高が前年比0.9%増425億6400万円で予算には未達、利益面は原材料価格や燃料費・物流費の上昇など各種コストアップの影響により減益だった。 販路別の売上げ増減は、給食ルートが1%増。このうち学校は…続きを読む
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冷凍食品特集:サンデリックフーズ 「麺名人つるつるうどん」大阪で局地的ヒット
冷凍食品 特集 2019.06.28【関西】大阪府内で局地的にヒットしている冷凍うどんがある。その名も「麺名人つるつるうどん」。さぬきや稲庭など、地域色が前面にでる冷凍うどん業界で、麺の特徴を表す商品名とインパクトあるパッケージで大阪人の心をつかんでいる。 「麺名人つるつるうどん(3玉入…続きを読む
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冷凍食品特集:トップに聞く=大冷・齋藤修会長 新たなイノベーションを
冷凍食品 特集 2019.06.28「骨なし魚」のパイオニア、大冷の前3月期業績は売上高が前年比0.8%減の272億円、営業利益は26%増の10億6600万円と減収増益だった。主な増益要因は前期の公正取引委員会からの下請代金支払遅延等防止法に基づく勧告が解消したため。骨なし魚は原料要因…続きを読む