冷凍食品特集

冷凍食品特集:業務用 若干鈍化やむなしか 成長への期待は変わらず

冷凍・チルド 2019.06.28 11900号 06面
販促企画次第で大きな売りにつながる

販促企画次第で大きな売りにつながる

業務用の18年度市場規模は前年比約2%拡大した。チャネル別ではCVS・量販店惣菜・弁当ルートなど中食が2%増、外食が2%増、学校・事業所・病院・福祉施設など給食が横ばいと推定する。深刻な人手不足を背景に、各業態で手作りや一次加工の手間を省ける冷食へのシフトがじわりと進んだ。中食の伸びを支えたのは主にCVS、外食はインバウンド需要が好調なホテル、給食は介護食を中心に病院・福祉施設向けが引き続き伸長した。

商品カテゴリーでは米飯類・麺類が家庭用に押されて苦戦、チキン加工品・デザート類は堅調、水産フライ類は横ばい、冷凍野菜は伸長した。

各社の19年度市場予測を総合すると、若干の伸び率鈍化となる1.5~2%拡大とみられる。総じて物流費はじめ各種コストの逆風がさらに強まると予想し、収益面での苦戦を想定。各社が3~4月から一斉に値上げに踏み切ったが、全面浸透とはいかない状況だ。さらなる採算改善へ、PB品・留め型を含めたアイテム集約を進めた結果、売上げ数量のダウンもあり得るとみるメーカーも。また10月実施予定の消費増税により、外食などで消費心理の冷え込みも懸念。全体の押し下げ要因となり得るとの判断だ。

ただ市場の成長期待は変わらず高い。ユーザーの人手不足や賃金上昇が続く環境下、時短調理やロス削減が可能な冷食へのシフトが各業態でさらに加速することは確実。20年東京五輪へ向けたインバウンドなど需要押し上げ効果も期待できる。

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