全国卸流通特集2025

2025.09.30
全国卸流通特集2025

 食品業界がコスト高と節約志向に直面する中、大手食品卸売業は2024年問題による物流費高騰を乗り越え、戦略的な価格転嫁や物流改善による販管費抑制で3期連続の収益改善、過去最高益を達成した。
 物流面では、長年の取り組みに加え、日食協(日本加工食品卸協会)が推進した製・配・販連携のFSP会議を通じた商慣習是正やルール整備が奏功し、供給停止などの混乱なく物流の安定化を実現。改正物流効率化法の制定にも結びつき、物流の持続性確保に道筋を開いた。今後はチルド物流の合理化や情報基盤整備などが課題だ。
 一方、業界の競争は激化。三井物産流通グループやヤマエGHDなど1兆円規模の再編・統合が相次ぎ、三菱商事による三菱食品の完全子会社化や国分の新会社発足など、業界地図が塗り替わる動きが加速している。

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