全国小売流通特集
●生活環境で課題変化、価値は多様に
食品小売が対応を進める生活者のニーズは、即食・簡便性が重要テーマになっている。家庭での調理機会が減ることで中食の拡大が続き、すぐに食べられること以外にも求められる価値は多様化してきた。
惣菜でも健康志向に対応できるよう、減塩や糖質オフ、栄養バランスを重視した商品開発が進んでいる。また、即食の中でもおいしさへのこだわり、選ぶ楽しみの広がりが求められており、メニューの領域は和風・洋風の定番にとどまらずアジアンなど新規の開拓に向かっている。選ぶ楽しみには適量も含まれる。ビュッフェ形式の売場展開は進化を続けている。生鮮3部門による「素材の惣菜化」も、調理の手間を省きながらもおいしく、選択肢を豊かに食を楽しみたいと考える消費者ニーズに対応するためだ。
小売各社の傾向として、ミールキットの開発が増えている。簡便性では調理済みの惣菜に劣るが、より出来たてを食べられるほか、素材を揃えるより無駄がないという価値提案だ。中食と内食の間でマーケットの可能性を探っている。
生活者の食卓には課題が山積し、単身、子育て、老後などライフステージの違いによって課題の中身も変化する。それぞれの悩みにどのような解決手段を示せるか、食品小売は総力戦で提案を競う。(流通グループ)
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◆全国小売流通特集:総力戦で提案、解決力を競う
特集 小売 2019.07.27●生活環境で課題変化、価値は多様に 食品小売が対応を進める生活者のニーズは、即食・簡便性が重要テーマになっている。家庭での調理機会が減ることで中食の拡大が続き、すぐに食べられること以外にも求められる価値は多様化してきた。 惣菜でも健康志向に対応で…続きを読む
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全国小売流通特集:特別インタビュー=日本スーパーマーケット協会・川野幸夫会長
特集 小売 2019.07.27◆増税後の試練に対峙 業界全体の将来に思いを 食品スーパー(SM)の業界団体の一つ、日本スーパーマーケット協会(JSA)は7月、設立20周年を迎えた。現会長の川野幸夫(ヤオコー会長)氏が就任して10年の節目でもある。これまでもSMを取り巻く環境は激…続きを読む
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全国小売流通特集:食品スーパー・総合スーパー業界動向=実験的取組みで生き残り
特集 小売 2019.07.272019年のスーパー業界は、電子商取引(EC)の利便性を武器に実店舗から売上げを奪う構図が業態を超えた競争に加わり、さらに競争を激化させていくだろう。そうした競争環境の変化が人口動態の変化と情報技術の進化と相まって総合スーパー(GMS)や食品スーパー(…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=北海道 三大勢力が多様な挑戦
特集 小売 2019.07.27●イオンはGMSとSM合併へ 北海道の小売流通市場は、アークス、コープさっぽろ、イオンの各グループが三大勢力を形成、シェアはほぼ固定化されており各グループの生存戦略が多様化している。アークスはシステム投資に注力、コープさっぽろは店舗事業の黒字化を積…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=ホクノー・野地秀一社長
特集 小売 2019.07.27札幌市厚別区もみじ台エリアを地盤とするホクノー。高齢化率の高い商圏として知られる。野地秀一社長は「食の安全・安心と食の提供」「高齢者の暮らしサポート」「サービス付き高齢者住宅、シニア向け旅行会社」を掲げ、食品スーパー軸から地域のインフラを基軸とした新…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=東北 東北CGC、動き活発
特集 小売 2019.07.27●競合の出店相次ぐ 青森県は激戦地の様相 全国の食品スーパー(SM)の共同仕入れ機構CGCグループの中で東北シジシー(CGC)加盟11社は、年商総額4300億円で、関東、東海に次ぐ規模を誇る。さらにTCGC加盟ではないが福島県には売上げ850億円の…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=みやぎ生活協同組合・宮本弘理事長
酒類 特集 小売 2019.07.27みやぎ生活協同組合の前期業績は供給高こそ0.3%増だったが、経常剰余金は33.3%減。新店の赤字、共同購入の利用単価落ち込みが影響した。競争が激しくなる中で先を見据えた施策、投資を行い組織の強化を図る。コープふくしまと福島県南生協がコープふくしまの通…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=関東 業態革新、SMで急務
酒類 特集 小売 2019.07.27●競争力の本質を磨く 内食サポートの重要性増す 関東の食品スーパー(SM)各社の18年度を振り返ると、客数の伸び悩みは多くのチェーンに共通する課題だった。要因は複数あるとしても、他店との競合がその一因であることは間違いない。ドラッグストア(DgS)…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=ヤオコー・川野澄人社長
特集 小売 2019.07.27ヤオコーの19年3月期の既存店売上げは1.3%増と堅調に推移した。ただ、客数は0.9%減で、売上げの8割を占めるカード会員の来店頻度も月間6.5回で頭打ちだ。ヤングファミリー層の獲得を重要テーマと位置付け、価格対応や時短ニーズの商品開発、夕方の売場充…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=甲信越 店舗過多で競争激化
調味料 特集 小売 2019.07.27新潟エリアは毎年2万人の人口が減少し、徐々にパイが縮小している。限られた市場に、県外ドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)の進出で、価格競争はより激化。地元食品スーパー(SM)チェーンは、価格対応はもちろんのこと、惣菜やオリジナル商品…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=東海・北陸 大手は再編真っただ中
特集 小売 2019.07.27●地方SMにも波及 新生マックスバリュ東海、9月始動 経済全体にいえることだが、特に胃袋産業といわれる食品界の成長を支えるのが人口。中部地区をけん引し、これまでも中部地区で唯一増加傾向にあった愛知県が、今年1月1日時点の総務省の人口動態調査(7月1…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=近畿 小型店の開発が加速
特集 小売 2019.07.27●大阪都市部で多店舗化も 事業モデル構築は試行錯誤 高齢化や人口減少による市場縮小、人手不足による人件費・物流コストの上昇、ドラッグストアやディスカウントストア、コンビニエンスストアなど業態の垣根を越えた競合激化に加えて、店舗形態の多様化やネット通…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=バローホールディングス・田代正美会長兼社…
惣菜 特集 小売 2019.07.27バローホールディングス(バローHD)は18年4月から21年3月期を最終年度とする中期3ヵ年計画を遂行中。その基本方針は「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」で、店舗収益の改善を課題とする食品スーパー(SM)、ドラッグストア(DgS)、ホームセンター…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=コノミヤ・芋縄隆史社長
特集 小売 2019.07.27大阪府・京都府・愛知県・岐阜県で食品スーパーを展開するコノミヤは、念願だった売上高1000億円を突破し、店舗数は84店舗と順調に業容を拡大している。一昨年には岐阜のエスアンドエスを子会社化し、東海圏での営業基盤強化が進んでいる。今年度は「激 心に火灯…続きを読む
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全国小売流通特集:わが社の成長戦略=生活協同組合ひろしま・横山弘成専務理事
特集 小売 2019.07.27広島県内に約40万人の組合員を抱える生活協同組合ひろしま。19年3月期決算は、売上高に当たる供給高が前年比0.3%増の418億9000万円と3年ぶりの増収となった。業態別でも、宅配事業が同0.3%増の335億6000万円、店舗事業も前年比微増の83億…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=中国 豪雨災害で重要度増す
特集 小売 2019.07.27●中山間部住宅団地、ライフラインの存在感 中国地方の地域経済は、生産は一部に弱い動きが見られるものの、個人消費などに緩やかな持ち直しの動きが見られており、有効求人倍率も高水準が続いている。中国経済産業局のまとめによると、中国地方の百貨店(15店舗)…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=四国 イオンの寡占化進む
特集 小売 2019.07.27●リニューアルで競合対策 生き残りかけた駆け引き続く フジは昨年10月にイオンと資本業務提携を行い、今年5月にマックスバリュ西日本の株式400万株(持ち株比率7.6%)を取得した。四国ではマルナカに次ぐ、2大大型チェーンのイオングループ入りで、四国…続きを読む
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全国小売流通特集:エリア動向=九州・沖縄 大手主導でSM再編
特集 小売 2019.07.27●DgS、DS拡大続く 九州小売業界を俯瞰(ふかん)する。価格競争の激しさにゆえに、ローコスト体制を構築することに小売経営は腐心する。元来、地代が安いことは出店において有利になることは事実。以前からオーバーストアの感は免れない。 食品スーパー(S…続きを読む
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全国小売流通特集:問われる生存戦略 持続可能な成長を追求
特集 小売 2019.07.27小売を巡る環境は少子高齢化によるマーケットの縮小だけでなく、生産年齢人口の減少による人手不足の深刻化を招いている。人件費を含めコストの上昇は経営を圧迫するだけでなく、人手不足で店舗運営に大きな負担になっており、企業には生産性の向上と働き方改革の対応も…続きを読む
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全国小売流通特集:コンビニエンスストア業界動向=ビジネスモデルの転換探る
特集 小売 2019.07.27◇加盟店支援に本腰 コンビニエンスストア(CVS)は、ビジネスモデルの転換期を迎えている。人手不足が深刻化している加盟店を支援するため、時短店の実験などで全店一律の運営の見直しや作業の省人化や効率化に本腰を入れて取り組む。19年度の出店戦略も立地移転に…続きを読む
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全国小売流通特集:ドラッグストア業界動向=M&Aで加速する寡占化
特集 小売 2019.07.27日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の発表によると、業界の総売上高は前年比6.2%増の7兆2744億円に達した。2014年度と15年度の伸び率が前年比1.0%増、1.1%増と低迷していた状態を脱して、ここ3年は前年比5.9%増、5.5%増、6…続きを読む
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全国小売流通特集:潮流分析=電子商取引 食品売上高、規模あるも脅威は限定的
特集 小売 2019.07.27◇優位性確立に課題も ●食品のEC化率は2.6% 経済産業省がまとめた「電子商取引(EC)に関する市場調査」によると、2018年のEC(消費者向け)市場は前年比8.9%増の約18兆円だった。このうち物販系ECの「食品・飲料・酒類」は8.6%増の1兆69…続きを読む
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全国小売流通特集:小売をめぐる主な動き 複雑化する競合状況
特集 小売 2019.07.27●18年 1月 楽天とウォルマート・ストアーズ・インク、日米における業務提携を発表。西友と日本でのネットスーパーの合弁会社を3月に設立 4月 イズミとセブン&アイ・ホールディングス、業務提携を発表 10月 ドンキホーテホールディングス(現・パン…続きを読む