デザート特集

菓子 2021.05.12
デザート特集

 コロナ禍による生活環境の一変で大きく変化した新たな消費環境の中で、常温・チルド両温度帯のデザートに対する消費者意識は大きな転換点を迎えている。2020年度のデザート市場のうち、手作り風フレッシュデザートを除く大量生産のゼリー・プリン類は、外出自粛と並行した在宅時間の増加で、「値頃感のある子どものおやつ」はもちろん、「満足感のある大人のプチ贅沢」や「健康に貢献する日常使いのアイテム」へと、求められるハードルがさらに高くなっているようだ。展開チャネルは量販店が伸びているものの、CVSの手作り風スイーツとの競合環境はさらに激しさを増している。
 コロナ禍では販促活動が制限され、各社情報・コミュニケーション策の「空中戦」を広く展開してきたが、今後は売場や商品周りでの「地上戦」での優位性が成長の鍵を握りそうだ。ベーシックアイテムのブラッシュアップはもちろん、新規の話題性の高いアイテム投入にも浮沈がかかるとみられ、各社積極的な動きを見せている。冷凍デザートも、ボリュームの大きい業務用での回復を目指し、施策展開を進めている。デザート分野は多岐にわたるため、ここでは加工食品メーカーがNB商品として大量生産する家庭用の常温品・チルド品と、外食や給食分野などを含む冷凍デザートの動向を中心に、近況と今後の展望を探った。(小澤弘教)