カレー特集

カレー特集:レトルトカレー 18年も3.2%増と成長 追い風になるレンジ化

調味 2019.07.01 11901号 06面

家庭用のレトルトカレーは、17年度にカレールウを市場規模で逆転し、18年度も拡大傾向が続いている。18年度の市場は前年比3.2%増となった。この傾向は現在も継続し、5月までの1年間でも同2.6%増とレトルトカレー市場は成長している。

日本缶詰びん詰レトルト協会による18年(1~12月)のレトルト食品生産量を見ても、レトルトカレーは前年比3.5%増の15万6245tと伸長している。

各社別にみると、ハウス食品は前年比4.0%増の159億円。複数パックの「プロ クオリティ」シリーズが同6.4%増と大きく拡大が続く。また、中高価格帯の「選ばれし人気店」シリーズが貢献した。

「〓〓(カリー)屋カレー」が同3.4%減となったものの、これは「プロ クオリティ」シリーズの増産の影響を受けたためで、同シリーズの人気は底堅い。

エスビー食品は同2.3%増の101億6000万円。「ゴールデンカレーレトルト」が同8.4%増、「噂の名店」シリーズや「神田カレーグランプリ」シリーズといった名店系も好調に推移している。

直近の5月までの1年間の市場動向を見ても、ハウス食品、エスビー食品、大塚食品、明治といったメーカーが数字を伸ばし、レトルトカレー市場はデータ上も成長が続いている。

現在のレトルトカレー市場は、東日本大震災などで備蓄需要が高まったことと、これらの結果、レトルトカレーを食した消費者が増え、その進化したおいしさを認識したことなどが挙げられる。

さらに個食化への対応として、複数パックの製品では具材を煮溶かした形態としているメーカーもある。これは各消費者が好みの具材をのせることでオリジナルのカレーとすることができる。

中高価格帯の製品群が好調に推移していることも市場を押し上げる一因となっている。これはいわゆる名店系やご当地系の製品が多い。そのバラエティーの豊富さが市場を支えているといえそうだ。

レトルトカレーの分野では近年、レンジ対応製品が増えつつある。新製品は当然のこと、リニューアル品でもレンジ対応化を進める動きは強まりつつある。

レンジ対応の包装は湯せん用と比較してコストが高くつくものの、消費者が求める簡便性などの要望に応えるためにはレンジ対応は必然の状況となりつつある。このレンジ対応化も時代のニーズをとらえた動きとして、レトルトカレー市場の維持拡大に貢献していくことは間違いないだろう。

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