カレー特集

カレー特集:カレールウ 主力品群は堅調推移 ニーズに即した対応を

調味 2019.07.01 11901号 06面

家庭用カレールウ市場の18年度は、各メーカーが軒並み減少傾向となった。各社の「バーモントカレー」や「ゴールデンカレー」「プレミアム熟カレー」といった主力品群は堅調に推移したが、廉価品群が数字を落としたことが市場の縮小につながった。各社別に見ると、ハウス食品が前年比1.9%減の363億円、エスビー食品が同2.3%減の262億2000万円、江崎グリコがほぼ横ばいといった状況となった。

カレールウ市場は、17年度に市場規模がレトルトと逆転して以降、縮小傾向が続く結果となった。家族構成人数の減少や、夫婦共働きなどによる家庭内調理の変化が大きな影響を与えている。

これまでカレールウはカレーを簡単に調理できる加工食品として地位を築いてきたが、現在ではより簡便なレトルトへの移行が顕著になりつつある。5月までの直近の1年間の数字を見ても市場は前年比4.4%減となっており、この状況に変化はない。

ただし、カレーの喫食率は安定して推移し、国民食としての人気は相変わらず高い。外食や惣菜などでのカレーメニューは充実し、カレーメニューの人気の高さを示している。現在のカレー市場はレトルトと外食、中食がけん引している状況だ。

このような状況下で各メーカーはカレールウでは新たな取組みを進め、ルウ市場の回復に取り組んでいる。

ハウス食品はペーストタイプの「きわだちカレー」に続き「お肉焼くだけカレーの素」を投入した。調理経験がない消費者でも肉類を焼いて、同品を混ぜるだけで手軽に本格的なカレーを味わうことができる。

2月発売でまだ数字は見えてこないが、積極的なサンプリングを行うなどトライアルを続け、今後の成長が期待される。

エスビー食品は2月に「チーズ好きの熟成欧風カレー」を発売。ルウのバラエティー化を進めることで、市場の活性化を狙う。

家庭用カレールウ市場は17年度以降、縮小傾向が続くが、各社の主力品群は堅調な推移を続けている。より簡便なルウやバラエティー化で市場を活性化させるとともに、値頃感ある製品群の市場を立て直すことが市場回復に必要となるだろう。

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