デザート特集
コロナ禍による生活環境の一変で大きく変化した新たな消費環境の中で、常温・チルド両温度帯のデザートに対する消費者意識は大きな転換点を迎えている。2020年度のデザート市場のうち、手作り風フレッシュデザートを除く大量生産のゼリー・プリン類は、外出自粛と並行した在宅時間の増加で、「値頃感のある子どものおやつ」はもちろん、「満足感のある大人のプチ贅沢」や「健康に貢献する日常使いのアイテム」へと、求められるハードルがさらに高くなっているようだ。展開チャネルは量販店が伸びているものの、CVSの手作り風スイーツとの競合環境はさらに激しさを増している。
コロナ禍では販促活動が制限され、各社情報・コミュニケーション策の「空中戦」を広く展開してきたが、今後は売場や商品周りでの「地上戦」での優位性が成長の鍵を握りそうだ。ベーシックアイテムのブラッシュアップはもちろん、新規の話題性の高いアイテム投入にも浮沈がかかるとみられ、各社積極的な動きを見せている。冷凍デザートも、ボリュームの大きい業務用での回復を目指し、施策展開を進めている。デザート分野は多岐にわたるため、ここでは加工食品メーカーがNB商品として大量生産する家庭用の常温品・チルド品と、外食や給食分野などを含む冷凍デザートの動向を中心に、近況と今後の展望を探った。(小澤弘教)
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◆デザート特集:求められるハードル高まる “地上戦”へ新提案に期待
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12コロナ禍による生活環境の一変で大きく変化した新たな消費環境の中で、常温・チルド両温度帯のデザートに対する消費者意識は大きな転換点を迎えている。2020年度のデザート市場のうち、手作り風フレッシュデザートを除く大量生産のゼリー・プリン類は、外出自粛と並…続きを読む
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デザート特集:スイーツ市場 2割強の減少へ チャネル間で明暗分ける
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.1220年の国内スイーツは、外出自粛やイベントの中止、土産・インバウンド需要の大幅減や営業時間短縮などで大きく減少した。各チャネルで明暗を分けたことから、対象分野により推定規模に大きく差が出るが、百貨店や交通施設(土産)、外食、量販、コンビニエンスストア…続きを読む
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デザート特集:常温=たらみ 健康切り口にPR 新アイテムで裾野拡大
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12ドライフルーツゼリー市場シェアトップのたらみは今期(21年12月期)、基幹品での新たなおいしさ提案を主軸に、健康を切り口にした訴求を強めていく方針だ。カップゼリーで話題性や新規性の強いアイテムを投入し、アプローチの裾野を広げる。育成を進めるパウチゼリ…続きを読む
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デザート特集:常温=マルハニチロ 新シリーズで拡充 消費者志向の価値訴求
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12マルハニチロは今年、カップゼリーに新たなシリーズを投入し、消費者志向のラインアップ拡充を進める。3月から厳選した大粒の果肉を使用した、フルーツ感の高い「The Fruit」を上市。既存のアイテムも適宜リニューアルと季節品を展開し、フルーツゼリーならで…続きを読む
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デザート特集:常温=ハウス食品 購買層開拓進める 在宅増で手作りに追い風
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12ハウス食品のデザート関連製品の20年度は全体で前年比2.1%増とコロナ禍での巣ごもり需要増などで伸長した。主力の「フルーチェ」シリーズは同3.6%増となった。特に昨年の4、5月はコロナ禍での学校休校で子どもの在宅機会が増加。これにより、家庭での手作り…続きを読む
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デザート特集:常温=マンナンライフ 「蒟蒻畑」は30周年 TVCMなど積極展…
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12マンナンライフは、1991年発売の「蒟蒻畑」が2021年に30年を迎え、30周年記念の「Twitterキャンペーン」を実施している。3月に開設した蒟蒻畑公式ツイッターのフォロワー3万人を対象とし、3月に1ヵ月間実施した第1弾には2万人の応募があった。…続きを読む
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デザート特集:常温=ヨコオデイリーフーズ 今期25億円目指す カップの値頃感…
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12ヨコオデイリーフーズの21年5月期は、カップ入り、スパウト付きパウチを合わせた売上高が前年比微増の18億円強となるもよう。18年に発売したカップの「カスタード風プリンBIG」「珈琲ゼリーBIG」は引き続き好調で、カップのラインアップを増強している。5…続きを読む
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デザート特集:常温=関越物産 和風デザート好調
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●「わらびもち風こんにゃく」3品体制確立へ 関越物産の今期(21年5月期)デザート売上げは、前年実績を上回る見込みで好調に推移している。コロナ禍で、在宅時間が増加し内食化傾向が高まったことに加え、外出の自粛が求められる中、消費者がデパ地下や駅ナカな…続きを読む
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デザート特集:常温=ブルボン 高級志向などに対応 選択肢広げる新商品投入
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12ブルボンのデザート部門は、「食後の0kcal」シリーズで、果肉食感を味わえる「プレミアム」2品を今春から発売した。 市場で進む健康志向と価格帯の二極化に対応して、果汁感にこだわった高級感のある商品を投入し、消費者の選択肢の幅を広げたい考えだ。 同…続きを読む
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デザート特集:常温=たいまつ食品 カップ提案を強化 さらなるパウチ上乗せ
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12たいまつ食品のデザート事業は今期、森永乳業の「シールド乳酸菌M-1」を配合した「乳酸菌ゼリー」シリーズを投入するなど、新しい生活様式や環境に対応した新たなデザート商品を展開する。今期は、新商品投入やパウチ商品のさらなる上乗せを目指し、前年比10%増を…続きを読む
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デザート特集:常温=アイエー・フーズ 「ZOO」シリーズ、動物イラスト好評
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●計画比15%増見込む アイエー・フーズは前年度(20年8月決算)のデザートの売上げが、後半にインバウンド需要が消失したにもかかわらず微増となった。20年秋冬商戦は前年並みだが、輸出は分母が小さいながらも大幅に伸長した。 3月1日発売のコンニャク…続きを読む
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デザート特集:チルド=雪印メグミルク 多層デザート育成 シェア拡大と堅持注力
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12雪印メグミルクの20年度デザートカテゴリーは、ベーシックアイテムや4連商品の伸長が底上げ、前年比2桁増を達成した。巣ごもり需要をとらえ、市場シェアも前年よりアップに成功。今年度は多層デザートをてこ入れし、新シリーズを上市してさらなる市場拡大・堅持を進…続きを読む
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デザート特集:チルド=森永乳業 「杏仁豆腐」で存在感
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●焼プリン、15年連続トップに 森永乳業は21年度、新商品の「タニタ食堂監修の杏仁豆腐」で、乳業メーカーならではの独自性を発揮し、市場での存在感を強めていく。食感やフレーバーリリースの良さを武器に、こだわりの4連デザートとして新たに訴求。15年連続…続きを読む
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デザート特集:チルド=オハヨー乳業 巣ごもり増が寄与 マルチ中心に好調推移
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12オハヨー乳業の20年度デザート部門の販売実績は前年実績を上回った。コロナ禍で巣ごもりとなり家庭内需要が高まったことからマルチタイプ商品を中心に好調に推移した。販売チャネル別では、CVSは販売にブレーキ、量販店では売上げが伸長した。 ゲルプリンは、個…続きを読む
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デザート特集:チルド=フジッコ 「フルーツオン」味や食感を忠実再現
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●「フルーツオン」販売エリア拡大 フジッコはフランス発祥の「ヨープレイト」のライセンスを受け、昨春から愛知、三重、岐阜限定で販売していたスイーツヨーグルト「フルーツオン」の販売エリアを、3月から近畿、北海道、北陸、中部へと拡大した。 「フルーツオ…続きを読む
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デザート特集:チルド=協同乳業 「カスタードプリン」40周年迎え販促策
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12協同乳業の20年度デザート部門累計実績は、前年比5%増となった。コロナ禍でCVSや業務用チャネルはマイナス影響を受けたものの、量販店向けは回転アップもあり伸長。21年度は、「メイトーのカスタードプリン」が発売40周年を迎え、記念キャンペーンなどを実施…続きを読む
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デザート特集:チルド=安曇野食品工房 トレンド性強める チルドゼリーの価値訴…
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12安曇野食品工房は21年度、定番品好調の流れが続く市場の中で、トレンド性の高い商品を投入し、チルドゼリーの価値訴求を強めていく方針だ。新たに2商品を投入し、売場の再活性化を促進。10周年を迎える「SWEET CAFE」シリーズではキャンペーンも実施し、…続きを読む
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デザート特集:冷凍 学校給食正常化で恩恵 業務用は外食向けがダメージ
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12インバウンド需要に伴って成長が期待されていた冷凍デザート市場は、昨年の新型コロナウイルス発生から状況が一変した。20年は、メーンの業務用が前年比約20%減と大きくダメージを受けた。特に外食については、断続的な感染拡大の波に翻弄(ほんろう)された。ただ…続きを読む
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デザート特集:冷凍=ヤヨイサンフーズ 「SOFLI」が好調
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●ゼリー・ムースで攻勢へ ヤヨイサンフーズの21年3月期末業務用デザート部門の売上高は前年比2%増で着地した。コロナ禍でも病院・福祉施設向けやわらか食「SOFLI(ソフリ)」が好調だったことが大きな要因。また、主力の学校給食も昨夏以降再開し、今年1…続きを読む
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デザート特集:冷凍=日東ベスト 21年3月期、下期には業績回復
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12●学校給食の正常化が寄与 日東ベストの21年3月期末業務用デザートの売上高は前年並みに回復したようだ。上半期は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたものの、下半期は学校給食が正常化したことで業績回復に寄与。一方、季節の節目でフェアなどを打ち出した一…続きを読む
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デザート特集:冷凍=味の素冷凍食品 ロス削減などの課題に対応
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12味の素冷凍食品の21年3月期末業務用デザート部門の売上高は、主戦場である外食市場の低迷が響き、ホテル業態や居酒屋業態の市場傾向よりは上回ったものの、前年比2桁強の減少と苦戦を強いられた。今期も引き続き、提供者におけるロス削減や衛生的な提供への配慮など…続きを読む
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デザート特集:冷凍=五洋食品産業 業務用ケーキノウハウ活用で市販用立ち上げ
デザート・ヨーグルト 特集 2021.05.12五洋食品産業の21年5月期第3四半期(20年6月1日~21年2月28日)売上高(非連結)は、前年比4.6%減の16億1300万円となった。売上構成比の約7割を占める業務用デザートが外食需要落ち込みの影響を受けたが、通期売上高は同4.2%増の21億29…続きを読む