ヨーグルト・乳酸菌飲料特集

乳肉・油脂 2021.05.28

 2020年度は、コロナ禍で高まる健康需要を背景に、ヨーグルト・乳酸菌飲料市場は久しぶりに活発な動きを見せた1年となった。感染予防の自己管理ニーズから、両カテゴリーの持つ健康感が注目され、「免疫」がトレンド化する中で新たなユーザー獲得や、既存顧客の深耕が進み、これまで一服感のあった機能性市場は激しい動きを見せた。ただし、感染への危機意識がピークに達した上期と比較し、下期はトーンダウン。特に21年1~3月は前年の裏年にも当たり、中でも機能性市場は明暗が分かれた。起伏の激しい1年を経て、健康を志向する消費者の裾野が広がり、両カテゴリーともに価値理解が進んだことも事実だ。
 21年度は、拡大基調にある市場のステージアップが正念場を迎えそうだ。定着したニューノーマル(新常態)の生活様式の中で、ウィズコロナの常態化は、感染予防はもちろん、日々の体調管理や体型維持など多様化しており、ヨーグルト・乳酸菌飲料に求められる期待も比例して多彩になってきている。各メーカーとも、ベーシックアイテムの強化策や、時代に対応した新商品の投入など施策を進めており、新たな段階に入りつつある市場へ、攻めの姿勢で挑んでいるようだ。(小澤弘教)