中部秋季特集

中部秋季特集:アイスクリーム動向=下期は販促企画と商品力勝負

小売店のアイス売場にはたくさんの商品が並ぶ

小売店のアイス売場にはたくさんの商品が並ぶ

今年のアイスクリーム市場は、全国的に2~3週間早い梅雨明け、その後の7、8月の猛暑で統計開始以来最も気温が高くなった地域もあり、西日本では豪雨災害があったが、気温の高い天候が影響して、業界売上げを押し上げ、一部メーカーでは7、8月に在庫が品薄状態となり、店頭で欠品となる状況があった。この数年、各社注力しているのは中間価格帯商品で、大人が楽しめるワンランク上の商品だ。また、中部地区はアイスクリームの家庭年間支出額が高く、2018年は都道府県庁所在地・政令指定都市全52都市の中で、浜松市が1万1493円、15~17年平均の14位から全国トップになるなど、市場規模が大きい地域だ。(藤田順也)

●老若男女に支持 家庭で高い年間の支出額

アイスクリーム市場は年々伸びている。日本アイスクリーム協会によると、アイスクリーム類と氷菓販売金額は08年度が3845億円(メーカー出荷ベース)だったが、18年度は5186億円(同)、17年比1.4%増と市場規模は拡大している。販売数量も92万9031kl、前年比4.3%増と94年以来90万klを超えた。18年度種類別販売物量ではアイスクリームが前年比1.9%減の18万1797kl、アイスミルク1.6%増の18万2186kl、ラクトアイスは8%増の37万3582kl、氷菓6.2%増の19万1466klとなり、単価の低い種別が伸長した。

また、同協会発表のアイスクリーム白書によると、好きなスイーツを尋ねたところ、ここ5年以上アイスクリームが45.1%の1位で、ケーキ21.8%やチョコレート15.9%、和菓子5.3%よりも支持されている。好きなフレーバーはバニラ30.2%、チョコレート17.9%とほかのフレーバーを引き離している。購入場所はスーパーマーケット71%、コンビニエンスストア16.5%、ディスカウントストア・ドラッグストア9.3%とスーパーマーケットが突出して1位だ。多くの人に親しまれるアイスクリームは、子どもにも支持される。クラレが発表した19年版、新小学1年生の将来就きたい職業ランキングで、女の子では過去最高の6位にアイスクリーム屋が加わり、ケーキなどとともにスイーツへの関心は高まっている。

今上期は4月、6月後半~7月の気温の低下が影響し、前年と比べ動きが鈍かった。8~9月で少し盛り返したが、前年と比べると、悪い印象だ。上期の低調な動きを払しょくすべく、下期は各社、中間価格帯などの新商品を投入し、市場を盛り上げる。

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