近畿中四国卸売流通特集
●変化する売れ筋の見極めと商品供給力が鍵
新型コロナウイルスの感染拡大は、近畿中四国エリアの食品卸売流通業界にも大きな影響を及ぼした。3月に入り学校の臨時休校に伴い、カップ麺やパスタ、パスタソースといった「簡便商材」が伸長、その後は長引く外出自粛要請に伴い、「手作り需要」に即した商品が伸びた。その結果、商品の欠品やメーカーの出荷調整が生じ、大手量販店への商品の上位集中化が発生。地域卸を中心に商品が十分に揃わない時期もあった。
感染防止対策として卸各社ではテレワークや時差出勤を導入し、訪問営業が難しい状況では、オンラインによる営業活動を積極的に取り入れる事例も。一方で卸各社が例年、開催する大規模展示会はその多くが中止に追い込まれた。大手卸では、Web上で「提案会」を開催する動きも。関西エリアを拠点とする地域卸各社がメンバー社となり活動する「R-net」では、メーカーとともにこれまで注力してきた共同企画販売が一時、コロナ禍により展開できない事態に。これから迎える秋冬シーズンに向け、反転攻勢を仕掛ける構えだ。
6月以降は商品不足の逼迫(ひっぱく)状態は落ち着いたが、コロナ禍では売れる商材が刻々と変化している。新たな生活様式に沿う“食”の提案が商機になる。消費者の購買行動がどのように変わっていくのかを見極め、ニーズを先取りしていく取組みが求められる。(特別流通取材班)
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◆近畿中四国卸売流通特集:新たな生活様式に沿う『食』の提案を商機に
特集 卸・商社 2020.08.29●変化する売れ筋の見極めと商品供給力が鍵 新型コロナウイルスの感染拡大は、近畿中四国エリアの食品卸売流通業界にも大きな影響を及ぼした。3月に入り学校の臨時休校に伴い、カップ麺やパスタ、パスタソースといった「簡便商材」が伸長、その後は長引く外出自粛要…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:近畿地区大手卸=様変わりする「食」シーンをいかに読む…
特集 卸・商社 2020.08.29◇社会的使命として食を安定供給 令和2年目は、奉祝ムードに包まれた前年からは一転、世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の事態への対応を食品卸売流通業界も迫られ、社会的使命として食の安定供給に努めた。 これまで関西圏の経済を支…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:近畿地区地域卸=得意先の売場支援に尽力
特集 卸・商社 2020.08.29◇伸びゆく販売チャネルへ備え 時代の変革期といわれる中で発生した新型コロナウイルスの感染拡大。地域卸にとっても、いや応なく事業戦略の変更を迫られた。一時は商品供給が逼迫(ひっぱく)する事態に見舞われたが、得意先の売場支援に尽力。同時に伸びゆく販売チ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:中国地区=激変する市場環境へ対応
特集 卸・商社 2020.08.29中国地方では、商社主導による全国卸の再編が一段落し、各社は時代に対応した組織変革や機能強化、新事業領域拡大といった次世代へ向けた段階へとステップアップを始めている。激変する市場環境への対応はもちろん、物販からサービス重視の企業への変革を進める一方、従…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:四国地区=イオン・イズミの再編に注目
特集 卸・商社 2020.08.29四国は全国でも人口減、高齢化が進んでいる地域で、総務省発表の19年10月時点の人口は372.1万人で前年比約3万人(0.91%)減であった。減少率の高い順では高知1.15%(69.8万人)、徳島1.09%(72.8万人)、愛媛0.93%(133.9万…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=旭食品近畿支社 地域密着・顧客親密基本に推進
特集 卸・商社 2020.08.29◇旭食品近畿支社・小松昌樹取締役支社長 今期から旭食品の取締役近畿支社長に小松昌樹氏が就任した。地域に根差して人間力で販売していきたい。メーカーさん、お得意先とともに力を合わせて地域密着・顧客親密で推進していくという小松支社長に今後の方針について聞…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=伊藤忠食品 重点分野はサイネージ・惣菜・物流
特集 卸・商社 2020.08.29◇伊藤忠食品・緒方学西日本営業本部本部長 伊藤忠食品の新中期経営計画「Transform2022~領域を超えて~」では「売場作りへの貢献度向上・新価値創出」と「社会課題解決への取り組みによる持続的成長基盤構築」を目指す姿とし、サイネージ、惣菜、物流…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=加藤産業 グループ営業の推進で課題解決
特集 卸・商社 2020.08.29◇加藤産業 菅公博常務取締役南近畿支社長 今20年9月期は、新型コロナウイルスの感染問題が拡大した中でも第2四半期を終え、売上高は前年を上回る進捗(しんちょく)の加藤産業。提案型営業のさらなる推進に加え、物流面では人工知能(AI)の導入でコスト削減…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=国分西日本 変化へ対処の積み重ねが大事に
特集 卸・商社 2020.08.29◇国分西日本・碇豊樹代表取締役執行役員 近畿・中四国地区の2府13県を管轄する国分グループのエリアカンパニー・国分西日本。今期(20年12月期)は、グループの第10次長期経営計画(16~20年度)の最終年度を迎える。コロナ禍にあるが、予測不可能な変…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=日本アクセス・近畿 求められる売場の提案を強…
特集 卸・商社 2020.08.29◇日本アクセス・石田雅也審議役西日本営業部門長補佐 近畿エリア統括兼大阪支店長 日本アクセスは第7次中期経営計画の最終年に入ったが、今回のコロナ問題で、展示会を含めたさまざまな施策が変更を余儀なくされている。今後変化していく消費者の行動に合わせて、…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=三井食品関西支社 農産品・原料供給など新分野…
特集 卸・商社 2020.08.29◇三井食品関西支社・森下康浩執行役員関西支社長 三井食品は今期を初年度とする新中計で、基本の徹底(卸の基本の回帰)と新しいことへの挑戦(卸からの脱却)という継続課題をもとに、新たに四つの基(基軸・基盤・基準・基本)をキーワードに据え、収益力強化に取…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=中村角 業務用に注力 デジタル化推進
特集 卸・商社 2020.08.29◇中村角・中村一朗代表取締役社長 18年の創業70周年を機に新たなスタートを切った中村角。瀬戸内沿岸エリアから九州北部に至るグループ全体の基盤強化を進め、着実に業容を拡大させるとともに、デジタル化などによるさらなる効率化も目指している。基本施策であ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=日本アクセス・中四国 エリアナンバーワン卸を…
特集 卸・商社 2020.08.29◇日本アクセス・和田龍裕審議役西日本営業部門長補佐 中四国エリア統括 第7次中期経営計画を進めている日本アクセス。今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で内食傾向が強まるなど、変化を続ける市場環境への対応も強化している。中四国エリアでも「フルライ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=藤徳物産 創業140周年 地域密着型継続
特集 卸・商社 2020.08.29◇藤徳物産・守分孝治代表取締役社長 地域の総合食品卸として、中国地区ナンバーワンの実績を積み上げてきた藤徳物産。三井食品との資本業務提携により、その商品力や営業力がよりパワーアップされている。昨年10月には、惣菜の製造販売事業強化のため、惣菜製造部…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=三菱食品中四国支社 新たなトレンドへの対応進…
特集 卸・商社 2020.08.29◇三菱食品・黒瀬晃一中四国支社中四国支社長 変化する消費構造への的確な商品供給、営業・物流のデジタル化による生産性改善などで激変する市場へ対応する方針を掲げている三菱食品。中四国地区でも、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費者の節約志向の高まり…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:大手卸=旭食品四国支社 地域と社会に貢献し、信頼を構…
特集 卸・商社 2020.08.29◇旭食品四国支社・槇山勝則取締役支社長 創業地の牙城の四国地区は全国でも少子高齢化の最たる地区で、ここ数年毎年1%以上の人口減と、小売市場に四国外のチェーンが参入して旭食品にとって厳しい市場になっている。その中でも四国支社はコスト意識を高め、利益面…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸動向=効率的な訪問活動に知恵絞る
特集 卸・商社 2020.08.29●反転攻勢に備えた動きも 既存の得意先とは需要の深耕図る 地域食品卸売業各社は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、従業員はもちろん取引先関係者の感染防止に加え、企業活動の両立をめぐり、厳しい対応を迫られた。テレワークの積極的な導入やオンラインツー…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=大物 今こそ果たすべき役割を
特集 卸・商社 2020.08.29◇大物・日阪俊典社長 大物は大阪を拠点に事業を展開し、関西エリアの多くの有力問屋を得意先に持つ。今期(20年9月期)は下期を迎え、食品スーパー(SM)部門などが上期に引き続き好調だ。9月の期末は、増収増益での着地を視野に入れている。 3月以降、新…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=五大物産 50期に向け努力惜しまず
特集 卸・商社 2020.08.29◇五大物産・角田勇吉社長 五大物産の20年3月期(48期)決算は、売上高62億9536万円(前年比7.3%減)、売上総利益7億8985万円(同5.9%減)だった。システム構築費用について特別減価償却費として6800万円以上の許容額のすべて費用処理を…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=大乾 前年並みの売上げが視野
特集 卸・商社 2020.08.29◇大乾・村瀬忠久社長 大乾の20年3月期の売上高は当初見込みを若干、下回る26億円(前年比4.3%減)で着地し、微減収微減益となった。前期よりも売上げはオーバーペースで進捗していたが、3月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大が影響した。ただ売上げ、…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=丸正高木商店 食品業界の垣根越え勝負
特集 卸・商社 2020.08.29◇丸正高木商店・高木誠治会長 丸正高木商店は、20年1月期(前期)に売上高47億円で着地し、今期は、売上高50億円超えを目指してきた。しかし2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により激しい変化に見舞われた。特にわれわれが拠点を置く京都は観光産業が…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=田辺米穀 電子化に引き続きトライ
特集 卸・商社 2020.08.29◇田辺米穀・柏木壽夫社長 田辺米穀の20年3月期の売上高は33億9300万円(前年比9.9%減)で着地した。減収要因は、漬け梅生産量の減少に伴う塩の売上高の減少が響いた。また量販部門において、利益の低い品目で過当競争への参入をしなかったことも一因だ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=藤澤 商品供給で得意先を支援
特集 卸・商社 2020.08.29◇藤澤・公庄勝明社長 藤澤は、地域に根差した地域問屋を基本方針に掲げ、北近畿エリアに基盤を置く。 20年2月期の売上高は35億円(前年同期比4.1%減)で着地した。前期はカップラーメンなど商品の値上げが相次ぎ対応を図ったが、売上げ、利益ともに厳し…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:地域卸=共栄 必要とされる存在であれ
特集 卸・商社 2020.08.29◇共栄・玉置宗克社長 共栄は地域卸として和歌山県内を地盤に、近畿エリアで事業を展開している。20年5月期の売上高は、24億5900万円(前年比1.4%減)で着地した。20年1月まではほぼ前年実績並みで進捗したものの、2月に入り貿易関係などで新型コロ…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:味噌卸=販売チャネルで明暗 漬物卸=発酵&巣ごもりに…
特集 卸・商社 2020.08.29●味噌 全国味噌工業協同組合連合会によると、2019年の味噌の累計出荷量は40万4832t(前年比0.1%減)だった。家庭内調理機会の減少で10年ほど前は右肩下がりの状況だったが、ここ数年はほぼ横ばいで推移。業務用や即席味噌汁向けの供給が下げ止まり…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:味噌・漬物卸=ジャポニックス コロナ禍のニーズ対応で…
特集 卸・商社 2020.08.29◇ジャポニックス・土屋勇蔵社長 味噌を主軸とした多彩なこだわり商材提案で多様化するニーズに対応するジャポニックスは、コロナ禍ならではのニーズ対応でさらなる存在感を発揮。今期は料理動画配信や動画・POP・レシピ制作を請け負う新たな事業を立ち上げ、SN…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:味噌・漬物卸=兵漬兵庫食品 社内基盤整備を継続強化
特集 卸・商社 2020.08.29◇兵漬兵庫食品・杉藤貞美社長 味噌・漬物問屋の兵漬兵庫食品の前期(20年3月期)業績は、減収増益で着地した。杉藤貞美社長は、就任2年目を迎える今期(21年3月期)も、社内組織の再編など、さらなる業容拡大へ向けた基盤整備に、引き続きチャレンジしていく…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:酒類卸動向=変化する市場へ新たな対応を
特集 卸・商社 2020.08.29少子高齢化や飲酒人口が減少する中、酒類市場の活性化は喫緊の課題となっている。しかし20年に入り新型コロナウイルスの感染が拡大。政府の緊急事態宣言により飲食店などでは外出自粛や店舗の休業要請を受け、経営に大きなダメージとなった。 こうした事態を受け、…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:酒類卸=名畑 苦境に立つ飲食店支援へ注力
特集 卸・商社 2020.08.29◇名畑・名畑豊社長 外食文化の発展に向け、飲食店を総合的にサポートする業務用酒類食品卸・名畑。新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている飲食店に対し、得意の提案力を生かした支援に力を入れる。名畑豊社長に今期の動きについて聞いた。 ●得意の提案…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:米穀卸動向=業務用需要落ち込みで販売不調
特集 卸・商社 2020.08.29新型コロナウイルス感染拡大による業務用需要の落ち込みにより、コメの販売が不調だ。農林水産省が7月30日に公表した「米穀の取引に関する報告」によると、3~6月のコメ需要量は、中食・外食用で前年より8万6000t(18%)減となった。巣ごもり需要で家庭用…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:米穀卸=神明HD 仕入れ改革を推進
特集 卸・商社 2020.08.29◇神明ホールディングス・藤尾益雄社長 コメ卸最大手グループの神明ホールディングス(HD)は、積極的に事業領域を拡大し、食品界全体でも存在感を高めている。藤尾益雄社長に現況と取組みを聞いた。 ●業界再編の主導を 3月期決算だが、前期は、売上高で前…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:米穀卸=幸南食糧 チルド惣菜に参入
特集 卸・商社 2020.08.29◇幸南食糧・川西孝彦社長 幸南食糧は、「コメの価値と魅力を伝える」を掲げ、近畿圏中心から関東や九州に順調に販路を広げる一方、加工食品や健康米分野でも積極的に展開している。川西孝彦社長に取組みを聞いた。 ●提案力評価され順調 6月決算だが、前期売…続きを読む
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近畿中四国卸売流通特集:米穀卸=ライスフレンド 合理化・効率化図る
特集 卸・商社 2020.08.29◇ライスフレンド・池嶋忠志社長 ライスフレンドは、在阪有力コメ卸グループの津田物産グループで、営業や販促業務を担う。加工食品への参入や、グループを挙げたSDGs取組みも開始した。昨年社長に就任した池嶋忠志氏に、現況と将来を見据えた取組みを聞いた。 …続きを読む