令和の食品産業特集

コメ・もち・穀類 2019.08.24
令和の食品産業特集

 2019年、4月末に平成三十余年の歴史の幕が降り、5月の改元を経て新たな元号「令和」の時代を迎えた。
 身の回りのあらゆる機械、機器、器具がインターネットに接続され相互制御が可能になるIoT(モノのインターネット)の技術やAI(人工知能)、デスクワークの自動化を可能にするRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の活用、時間や場所に制約されない勤務形態を情報通信技術によって実現するテレワークの採用など労働生産性を高める取組みは今後、企業にデジタルトランスフォーメーション(情報通信技術を活用した変革)を促す。
 現在、実用化されているAIは、深層学習のために多くのデータを必要とする“狭義のAI”と言われている。AI開発の世界最先端、IBMと米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の産学連携開発拠点であるMIT-IBMワトソンAIラボで研究しているAIアルゴリズムは、導き出した答えについて説明できる点で信頼性が高く、少ないデータでも深層学習ができる“広義のAI”を支えるものだ。開発には今後約10年を要するといわれている。その先にある汎用(はんよう)AIが登場するのは2050年以降。こうした研究を進めているMIT-IBMワトソンAIラボが今後、食品業界に影響を及ぼす可能性があるとみているのは、食品廃棄を減らす安全性の高いタンパク質のAIを活用しての開発だ。令和元年はこうした時代の入口の年になろう。