介護食品特集

総合 2019.11.23
介護食品特集

 今年は、介護食が誕生して35年だ。1984年、特別養護老人ホーム「潤生園」(神奈川県小田原市)で重度認知症の人が口から食べることができる、栄養価の高いミルクをゼラチンで固めた「ソフトな救命プリン」が開発された。これが、介護食の始まりとされている。
 このプリンを食べた利用者には寝たきりから座位に改善するなど、目を見張る現象が起きた。口から食事を取ることがいかに重要か。ということで、その後、先達者によって、病院・施設給食の大量調理現場で介護食の研究開発が進んだ。同時にメーカーによる個食用介護食品=ユニバーサルデザインフード(UDF)も市場を拡大しつつある。
 令和元年、介護食に何が一番望まれるかと考えると、喫食者も提供者も喜ぶ介護食品である。人手不足は深刻だ。4月に病院・施設給食の受託企業による日本メディカル給食協会は外国人技能実習生の試験機関となり、この秋から本格的に外国人の受け入れがスタートする。
 問題は市販用介護食品の普及である。UDFの温度帯別生産量を見ると、冷凍食品は常温品の約倍だ。しかし、市販用介護食品売場で冷凍ケースを見ることはほぼ皆無だ。地域包括ケアシステムによって在宅利用は待ったなしで増える。小売業には企業の社会性を考えて介護食品販売に本格的に動き出してほしい。(福島厚子)