チーズ特集
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消費行動の変化を受けチーズ市場は、「ウィズコロナ」の生活様式が長期化する現在、市場拡大を継続できるかどうか、まさに正念場を迎えつつある。2020年度は「巣ごもり消費」の常態化で、家庭用チーズ市場は年間で前年比2桁成長。一方で業務用市場はコロナ禍のマイナスインパクトが大きく、チャネルによる差はあるものの、度重なる緊急事態宣言の発令などの行動制限が響いて同2桁以上のダウンとなった。
21年度に入ってからは前年の反動を受け、足元の厳しさは続いているが、家庭用は19年度比では着実なベースアップを達成。業務用は反動増の傾向があるものの、一昨年並みのレベルはまだ遠いとの見方が強い。輸入に目を向けると、生産は逼迫(ひっぱく)状況にはないものの、世界的な需要の高まりで、相場は上昇基調にあり他の食品同様、物流・原料コストの高まりが気になるところ。食材としての役割にとどまらず、海外の香りを運び、ストーリー性の高い食文化を演出するチーズの本領を発揮するために各社はさまざまなコミュニケーション策や販促策を投じており、市場のさらなる活性化が期待される。(小澤弘教)
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◆チーズ特集:続伸へ正念場、本領発揮を期待 各社刺激策を投入
乳肉・油脂 2021.08.13新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消費行動の変化を受けチーズ市場は、「ウィズコロナ」の生活様式が長期化する現在、市場拡大を継続できるかどうか、まさに正念場を迎えつつある。2020年度は「巣ごもり消費」の常態化で、家庭用チーズ市場は年間で前年比2桁成長…続きを読む
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チーズ特集:雪印メグミルク・末安亮一常務執行役員に聞く チーズのグローバル展…
乳肉・油脂 2021.08.13◆新たな成長ドライバーに 雪印メグミルクは、チーズ事業におけるグローバル展開を加速させている。現中期経営計画における事業ポートフォリオ変革の柱の一つとして位置付け、特にインドネシアにおけるプロセスチーズ(PC)販売物量を、2023年までに年間1万tにす…続きを読む
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チーズ特集:主要チーズ輸出国・地域の対応 情勢に翻弄、値上げ基調
乳肉・油脂 2021.08.13●産地多角化進む 世界的なコロナ禍の長期化は、チーズ輸出国・地域の対応にも大きな影響を与え続けている。20年は「ジェットコースター状況」と呼べる相場の乱高下を招いたが、21年に入って以降は各地域の人流や需要の激変、為替影響などの情勢に翻弄(ほんろう)さ…続きを読む
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チーズ特集:チェスコ 伸長業態へ選択と集中 新アイテムでブランド再強化
乳肉・油脂 2021.08.13チェスコは今期(22年2月期)、家ナカ需要の高まりで伸長する直販SMと中食業態へ資源の選択と集中を進める。重点アイテムの集中販促に加えて新規メニューの提案を進め、消費者の志向にマッチした取組みを推進。ブランド戦略では、「イル・ド・フランス」と「ジェラ…続きを読む
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チーズ特集:野澤組 チリ産ハードに期待 費用対効果を重視した提案を
乳肉・油脂 2021.08.13野澤組の今期(21年9月期)チーズ事業は、上半期でほぼ前年を維持したものの、4月からの緊急事態宣言の延長や再宣言が響き、通期では前年を10%程度下回って着地となりそうだ。小売用はシュレッドやアソートが善戦したものの、業務用は苦戦。盛り返しへ向けて、費…続きを読む
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チーズ特集:三井物産 シーン見極め供給・提案とも多角化
乳肉・油脂 2021.08.13●エンドユーザー訴求強める 三井物産は、コロナ禍で変化が進むチーズの食シーンの変化を見極め、供給・提案の両面での多角化を強めた戦略を進める。盤石な海外ネットワークを背景にして、拡大を続ける物量を武器に、開発センターや子会社の物産フードマテリアル(B…続きを読む
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チーズ特集:東京デーリー テーブルチーズで全方位展開 NCスライスに新商品
乳肉・油脂 2021.08.13東京デーリーの20年度販売実績(森永商品を除く同社品)は、金額ベースで前年比2~3%増だった。主力の「チーズチップス」は前年未達となったものの、昨秋にブランド変更を行ったブリーが好調に推移。今年度は、ブリー、ブルーチーズ、セットアイテムなど、テーブル…続きを読む
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チーズ特集:ラクト・ジャパン 機能性・高付加価値を継続
乳肉・油脂 2021.08.13●安定供給網の堅持にも注力 ラクト・ジャパンは今年度(21年11月期)、引き続き機能性・高付加価値チーズの二本柱の注力を継続し施策を進めている。世界的に価格が上昇傾向にあるチーズ相場の今後の動向をにらみ、同社の持つ広範な安定供給網を堅く維持し、同時…続きを読む
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チーズ特集:エフ アール マーケティング チーズ文化の魅力発信
乳肉・油脂 2021.08.13●「ガルバーニ」業務用で新機軸を発揮 エフ アール マーケティングの21年2月期は、前年超えで着地した。小売での巣ごもり需要を取り込み、「ル・ルスティック」ブランドはメーカー出荷ベースで取扱数量500tが目前に迫っている。今期も引き続き伸びが続くラ…続きを読む
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チーズ特集:日本マイセラ 小売向け販路、着実に拡大 適時供給と提案力で勝負
乳肉・油脂 2021.08.13日本マイセラは、小売向け販路を着実に広げ、これまでに無いルートへ加速度的な取組みを進めていく方針。コロナ禍で業務用の苦戦が続くが、主戦場である百貨店に加えて、一般SMなどへの供給を進め、徐々に成果が上がってきている。今秋からはステイホーム需要にマッチ…続きを読む
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チーズ特集:雪印メグミルク ラインアップ軸にアレンジ発信
乳肉・油脂 2021.08.13雪印メグミルクは21年度、昨年度大きく広がった家庭内需要の定着に向けて、使い方や食べ方などで積極的な提案を進める方針だ。伸長傾向のラインアップを基軸としたさまざまなアレンジや活用法を店頭などで発信。チーズの特徴である汎用(はんよう)性や物語性を伝えてい…続きを読む
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チーズ特集:森永乳業 モッツァレラの食シーン開拓加速
乳肉・油脂 2021.08.13森永乳業は21年度、成長が続くモッツァレラの食シーン開拓を加速させる。間口拡大が続く同商品の使用頻度のさらなるアップを目指し、加熱メニューでのおいしさや楽しさを訴求し、定番のカプレーゼにプラスワンメニューを加えていく。家庭内調理需要の高まりで「フィラデ…続きを読む
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チーズ特集:明治 拡販へ3重点アイテムで空中戦
乳肉・油脂 2021.08.13明治は21年度、「明治北海道十勝」ブランドの、「カマンベール」「生モッツァレラ」「スマートチーズ」の3アイテムを重点アイテムと位置づけ、Webプロモーションやコミュニケーションなど、拡販へ向けた空中戦を仕掛けていく方針だ。特に、昨年から上市した「生モッ…続きを読む
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チーズ特集:六甲バター 堅調推移、期間限定品がヒット
乳肉・油脂 2021.08.13六甲バターの1~6月業績は、チーズ全体で前年比1%増、家庭用前年並み、業務用同1%増と堅調に推移した。上期は期間限定ベビーがSNSで話題になりヒット。また、チーズデザート6Pの季節限定品、定番品がしっかりと棚を獲得して好調推移している。 家庭用商品のカ…続きを読む
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チーズ特集:宝幸 夏場商材展開、家庭用活性化を
乳肉・油脂 2021.08.13宝幸ロルフ事業の20年度実績は、金額・数量ベース共に前年比10%減となった。家庭用は中・大容量ニーズが高まり、前年をクリアした一方、業務用は展開チャネルの不調が響き、マイナスで推移。21年度は、家庭用で夏場にマッチした商材を投入、前年度の反動を受けてい…続きを読む
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チーズ特集:マリンフード スモーク類伸長、業務用も回復
乳肉・油脂 2021.08.13マリンフードのチーズ類全体の前期業績は、金額ベースで前年比9%増、物量ベースで同11.5%増と好調に推移した。家庭用では金額で同10.1%増、物量で同12.5%となり、コロナ禍での内食増加や、前期下半期に販売開始したスモーク類がプラス要因となった。業務…続きを読む
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チーズ特集:ヨシダコーポレーション 引き続き高付加価値商品に注力
乳肉・油脂 2021.08.13ヨシダコーポレーションの前期(21年3月期)決算は、売上高が前年比微増で着地した。売上構成比の大きい家庭用商品はコロナ禍での巣ごもり消費を追い風に、特に4~6月の需要急増で大きく伸長。業務用商品はデリバリーピザ用途が好調だったが、外食全体で需要低迷が…続きを読む
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チーズ特集:協同乳業 サワークリームの“面”拡大を継続
乳肉・油脂 2021.08.13協同乳業の20年度チーズ部門業績は、市販用でほぼ前年並みを維持したものの、業務用の苦戦が大きく響いた1年となった。 拡大策を続けている「サワークリーム」は、家庭内調理需要の高まりで伸長が続いているが、今年度も引き続き使用頻度・間口といった「面」での…続きを読む
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チーズ特集:伊藤ハム 内食需要高まりで今期も順調推移
乳肉・油脂 2021.08.13伊藤ハムのチーズ部門(ベルチーズ)の前年実績(20年1月~12月)は、金額ベースでは前年比7.7%増、重量ベースでは同3.1%増とコロナ禍による内食需要の高まりで堅調に推移した。 主力のキリシリーズ(クリームチーズ)のポーションタイプ(ブロック含む)は…続きを読む
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チーズ特集:雪印メグミルク 「1才からのチーズ」で“食べる”ことと成長支える
乳肉・油脂 2021.08.13●「日本子育て支援大賞」受賞 国内でのチーズ総消費量は年々増加し、食卓出現率も並行して高まっているが、テーブルチーズやスペシャリティーチーズはユーザーの年齢層が比較的高いとされている。一方、チーズを使ったメニューは子どもからの人気も高く、他の食材と…続きを読む
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チーズ特集:たべぷろ、食卓の健康貢献 “野菜嫌い”克服へレシピを多数紹介
乳肉・油脂 2021.08.13日本食糧新聞社が運営する働く母親(ワーキングマザー=ワーママ)向けメニュー提案サイト「たべぷろ」では、野菜が苦手な子どもでも食べやすくアレンジできるチーズを使ったレシピを多数紹介している。日々、仕事や家事で忙しいワーママが、手軽に時間をかけずに調理でき…続きを読む