チーズ特集
新型コロナウイルス感染症拡大で生まれた生活・行動様式の新常態(ニューノーマル)は、今期の国内チーズ市場に大きなインパクトを与えている。テレワークの定着による「巣ごもり消費」は、これまでのチーズ食シーンを変えた。外出自粛により業務用需要の苦戦が続く一方、家庭での調理・菓子作り需要は例年にない高まりを見せている。これまでの簡便・直食から、非直食ジャンルへのニーズが高まっているが、一方で今まで喫食機会の少なかったチーズを購入する動きが広がるなど、感染拡大の緊迫した状況が続く中でも新たな消費動向が生まれてきた。下期は最需要期に向けて各メーカー・輸入商社は安定供給を優先課題として事業を推進することに加え、既存品の再注力、新商品のオンラインを中心にしたコミュニケーションなどを展開。食べ方提案のステージも変化を迎え、新たな年に向けて、高水準で推移する需要の堅持と定着に照準を合わせた積極策が進みそうだ。(小澤弘教)
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◆チーズ特集:新常態のインパクト大 需要堅持と定着に照準
乳肉・油脂 2020.12.23新型コロナウイルス感染症拡大で生まれた生活・行動様式の新常態(ニューノーマル)は、今期の国内チーズ市場に大きなインパクトを与えている。テレワークの定着による「巣ごもり消費」は、これまでのチーズ食シーンを変えた。外出自粛により業務用需要の苦戦が続く一方…続きを読む
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チーズ特集:関西市場動向=小売各社、NCの伸長続く
乳肉・油脂 2020.12.23関西地区のチーズ市場は金額ベースで、オークワ(3~11月)は前年比13.4%増、関西スーパーマーケット(4~10月)は同11.6%増、コープこうべ(4~10月)は同19.1%増といずれも2桁成長した。 オークワの販売構成比はPC53.9%に対しNC…続きを読む
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チーズ特集:量販店5社の販売状況=好調維持向け拡大策
乳肉・油脂 2020.12.23量販店5社に見る20年度上期のチーズ販売状況は、全社で前年を上回って折り返した。家庭内需要の高まりを反映し、調理・直食系いずれも伸長。秋冬最需要期はこれまでの好調維持に向けて、売場の品揃え充実やクロスMDなど各社拡大策を展開していく考えだ。(小澤弘教…続きを読む
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チーズ特集:主要チーズ輸出国・地域の対応=供給地混乱で値上げ
乳肉・油脂 2020.12.23チーズの主要輸出国・地域の動向を見ると、生乳生産は総じて堅調だが、供給地自体がコロナ禍の混乱のただ中にあることから価格の値上げ基調に影響している。ロックダウンによる業務用需要の停滞があったものの、エッセンシャルフードとしての家庭内需要は変わらず。今後…続きを読む
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チーズ特集:チェスコ 伸長チャネル拡充へ 新たに米国産を本格強化
乳肉・油脂 2020.12.23チェスコは21年2月期上期業績が前年割れで推移したことを受け、下期は続く量販・小売チャネルの拡大策を展開する。「ジェラール」ブランドの販促を強化するとともに、新商品で市場活性化を推進。新たな強化軸として米国産チーズの展開も本格化させ、巣ごもり消費で高…続きを読む
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チーズ特集:野澤組 販売バランス改善を 子会社の加工力鍛える
乳肉・油脂 2020.12.23野澤組は今期(21年9月期)、加工食品や小売向けのルート強化に取り組み、販売バランスの平均化に向けた改善策を進める方針だ。素材の調達力を生かし伸長チャネルをレベルアップする。子会社のエフエフシーの加工能力も鍛え上げ、業務用シェア維持と並行してエンドユ…続きを読む
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チーズ特集:三井物産 規模拡大ペース堅持 消費パターン変化を注視
乳肉・油脂 2020.12.23三井物産は、継続している「BtoBforC」戦略などの重点方針に注力し、規模拡大ペースの盤石化を進めている。コロナ禍の激動の中にあった20年は昨年よりも順調に取扱数量を伸ばしてきたが、市場の競争は激しい。外食などBtoB需要の落ち込む一方、家庭用消費…続きを読む
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チーズ特集:東京デーリー 主ブランド育成に注力
乳肉・油脂 2020.12.23●「ル・ルスティック ブリー」SNSで認知拡大 東京デーリーの21年3月期上期業績は、金額ベースで前年比8%増で推移。白カビ・青カビが前年を上回り、シュレッドも同2桁増を達成した一方、チーズチップスは苦戦となった。迎えた下期は、今秋からブランド変更…続きを読む
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チーズ特集:ラクト・ジャパン 高付加価値など開拓
乳肉・油脂 2020.12.23●フードサービス回復状況に注目も ラクト・ジャパンの20年11月期は、上期は順調に推移したものの、下期は国内在庫が増えたことで輸入量減少となった。下期にチーズの動きが鈍く、マイナス影響が出た。今期は引き続き高付加価値・機能性チーズの開拓を重点方針と…続きを読む
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チーズ特集:エフ アール マーケティング 21年2月、加州産投入
乳肉・油脂 2020.12.23●新たな楽しみ方を提案 エフ アール マーケティングの21年2月期直近(3~10月)までの業績は、増収減益で推移している。ラクレット、ブリー、フォンデュが好成績を収め、「ル・ルスティック」ブランドはメーカー出荷ベースで取扱量450tとなった。来年2…続きを読む
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チーズ特集:日本マイセラ ネット販売好調維持 リアル店舗と両輪展開
乳肉・油脂 2020.12.23日本マイセラの20年9月期は、業務用の売上高減が響き減収となったが、コスト削減により利益はキープした。マーケットが混乱する中、ネット販売が好調を維持。リアル店舗との両輪展開で信用感を獲得していることから、今期は好調チャネルを堅持しながら新たな販路開拓…続きを読む
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チーズ特集:雪印メグミルク 「6P」拡販策へ焦点 業務用、旗印に国産付加価値
乳肉・油脂 2020.12.23雪印メグミルクの21年3月期上期チーズ部門は、前年比1.9%増の376億円で着地した。PCは若干市場を下回ったが、NCは2桁近く伸びを見せた。迎えた下期は家庭用で、今年発売66周年を迎えた「6P」の拡販施策に焦点。積極的なプロモーションを仕掛け、消費…続きを読む
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チーズ特集:森永乳業 「フレッシュモッツァレラ」 ユーザーの定着推進
乳肉・油脂 2020.12.23森永乳業は今下期、フレッシュモッツァレラの購入率アップへ向けて、積極的なプロモーション展開を進める。拡大を続けてきた同市場だが、購入者の大部分であるミドルからライト層からの定着を推進。TVCMや他社とのコラボを通じて、販売の奥行きを広げていく方針だ。…続きを読む
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チーズ特集:明治 3軸前面に成長図る カテゴリーの底上げも
乳肉・油脂 2020.12.23明治は下期、今秋エリア限定で上市した「明治北海道十勝生モッツァレラ」で、成長が続くモッツァレラ市場の活性化への貢献を目指す。Webプロモーションなどのコミュニケーション施策も積極展開して商品認知を高め、売場のフェース拡大でカテゴリー全体の底上げを推進…続きを読む
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チーズ特集:六甲バター 食シーン拡大目指す SNS活用で認知度アップ取組む
乳肉・油脂 2020.12.23六甲バターの1~11月業績は、チーズ全体で前年比2%増となった。家庭用は同6%増、業務用は同16%減で推移した。同社得意のベビーチーズ市場は激化が続く。SNSを活用して「ベビーチーズといえばQBB」の認知度向上に注力し、新たなファン獲得で食シーン拡大…続きを読む
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チーズ特集:宝幸 変化続く需要対応を 独自差別化素材に注力
乳肉・油脂 2020.12.23宝幸のロルフ事業上期4~9月は、金額・物量ベースともに前年比13%減となった。家庭用は同12%増だったが、業務用は同19%減となり、業績に大きく影響した。 下期は、業務用ダイスやスライスなど他社にない独自の差別化素材に注力。テークアウトなどこれまで…続きを読む
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チーズ特集:マリンフード 家庭用製品群が好調 埼玉工場、目標は生産量5000…
乳肉・油脂 2020.12.23マリンフードの1~11月のチーズ類全体業績は物量ベースで前年比21.5%増、金額ベースで同14.1%増と2桁増で推移した。物量ベースでNCは同6.5%増、PCは同30.1%増となった。埼玉工場は来年度、生産量5000tを目標に掲げて稼働している。 …続きを読む
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チーズ特集:全酪連 事業構造大きく転換 独自性高い商品で引き続き安定供給
乳肉・油脂 2020.12.23全国酪農業協同組合連合会(全酪連)は今期、OEMによる製造体制にかじを切り、事業構造を大きく転換した。製造設備を移管し、販売・開発に特化。これまで培ってきた知見などを引き続きブランドを通して発信し、独自性の高い商品の安定供給を図っていく。 今期は7…続きを読む
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チーズ特集:ヨシダコーポレーション PC4ライン目が稼働 開発の幅と領域広げ…
乳肉・油脂 2020.12.23ヨシダコーポレーションの今年度(20年4月~)は、新中期5ヵ年計画の初年度で、付加価値商品強化の戦略の下、PCの売上比率を現在の3割から5割に引き上げていく。 基本戦略商品は「ベビーチーズ」と、簡単にチーズデザートが作れる「まぜるの簡単クリームチー…続きを読む
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チーズ特集:伊藤ハム ポーションタイプけん引 積極的な販促強化が奏功
乳肉・油脂 2020.12.23伊藤ハムが輸入販売するベル社チーズの20年1~9月累計実績は、前年の価格改定の影響が残っているが、コロナ禍で家庭内でのチーズ需要が高まり金額で前年比7.7%増、重量同1.6%増と前年実績を上回っている。 主力のキリシリーズ(クリームチーズ)のポーシ…続きを読む
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チーズ特集:協同乳業 食卓出現率向上狙う 新営業体制で新規獲得
乳肉・油脂 2020.12.23協同乳業は下期、メニュー提案などの市販用商品訴求へ積極策を推進、商品の食卓出現率のアップを目指す。伸長続く同カテゴリーの勢いを継続させようと、ABCクッキングスタジオとの年間タイアップ継続で商品露出を高めるとともに、デジタルコミュニケーションの稼働率…続きを読む
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チーズ特集:ローカル発・国産チーズの挑戦
乳肉・油脂 2020.12.23チーズ総消費量の過去最高更新が続くといった旺盛な国内需要を背景に、各地で国産チーズの積極的な取組みが生まれている。各土地の歴史や風土を生かしたチーズ作りや酪農乳業の認知度向上に向けた事業など、規模の大小を問わず、ローカルな取組みからグローバルなニーズ…続きを読む
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チーズ特集:ローカル発・国産チーズの挑戦=高秀牧場 酪農の魅力アピール
乳肉・油脂 2020.12.23●地道な工夫、世界で評価 千葉県いすみ市の高秀牧場は、同牧場の良質な生乳を使ったチーズ作りなどを通して、酪農の魅力発信に取り組んでいる。フレッシュからセミハードまで、バラエティーに富むラインアップを生産し、直販だけでなくネット通販を展開し、全国から…続きを読む
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チーズ特集:ローカル発・国産チーズの挑戦=淡路島牛乳 新たな特産品育てる
乳肉・油脂 2020.12.23●高品質な生乳を生かす 淡路島牛乳は19年に「淡路島モッツァレラ」の製造販売を開始した。淡路島にホルスタインが導入されたのは1900(明治33)年で、日本で4番目の導入だという。実に120年の歴史がありながら、チーズの製造販売は初めて。20年4月に…続きを読む
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チーズ特集:ワインとのマリアージュ提案を 家飲み彩る売場に注目
乳肉・油脂 2020.12.23●最需要期に向け各社展開 家飲みの広がりを契機に、チーズとワインをマリアージュ(好相性の組み合わせ)提案する機運が高まっている。ワインと合わせて楽しむおつまみの代表格ともいえるのがチーズで、年末の最需要期に向けワイン企業によるチーズを使ったレシピ提…続きを読む