コメを食べ稲作を支えるということ 稲には陸稲(おかぼ)と水稲があるが、水稲の方が高品質で収量も多いうえ、地力の低下が少なく同じ土地で連続して栽培できるメリットがある。わが国 では豊かな水資源に恵まれていたことも相まって、水田での栽培が広がっていった。 …続きを読む
結局、佃煮とは何か さて、佃煮とはどういう定義によって存在する食品であろうかということを確認する必要があるが、これがきわめて漠然としているのである。佃煮と名づけられた 経緯については前述のとおりであるが、その後乾燥原料佃煮が生まれ、保存性を高める方法が…続きを読む
アイスクリームの区分け アイスクリームは 形状や内容など、今や多品種時代。あらゆる創意工夫の下に新規製品がつぎつぎと出現した。しかし品種の多いことからその品質はまちまちである。そこでアイスクリームはもともと牛乳から造られる製品であるということからも、乳…続きを読む
ちらし寿司に用いられることの多い「でんぶ」とは でんぶにもいろいろ種類があるが、一番多いのはタラでんぶである。普通タラでんぶの原料となるタラソボロは、タラの産地に専門業者があって量産しているので、佃煮業者としては「そぼろ」として仕入れることが多い。タラ…続きを読む
落雷と干ぴょう 干ぴょうは7~8月が生産期となるが、栃木県は雷(地元では方言でらいさまとよぶ)の名産地でもあり、夏のこの時期、日光や那須連山に発生した雷が勢力を強めながら南東に進み、夕方になって干ぴょうの産地に雨を降らせる。この雨が灼熱の地表を冷やし、…続きを読む
フレッシュな日本酒、生酒 最近、清酒の需要開発の一端として生酒が市場に出まわっている。生酒とは火入れを行っていないフレッシュな酒のことである。 貯蔵するにしても短期間の低温貯蔵であり熟成は行われない。製荷に当たっては、ミクロフィルター などによる除菌を…続きを読む
日本の小麦粉 日本の小麦粉は種類が多い。定義や規格はなく、小麦から皮を除いた粉が小麦粉で、便宜上、種類と等級で分類する。種類は強力粉、中力粉、薄力粉で、それぞれ硬質、中間質、軟質小麦からつくる。強力粉はたん白質が多く、適量の水で捏ねた生地は弾力が強い。…続きを読む
東京オリンピックをきっかけに発展した洋菓子 1960(昭和35)年頃はバタークリーム仕上げのクリスマスケーキが、まさに飛ぶように売れる時代であった。その頃最先端を走っていたホテルやレストランなどではソースアングレーズ、ディブロマート、メルバ、 アプリコ…続きを読む
船内で加工されていたカニ缶詰 明治の揺籃期を経過したわが国の缶詰産業は、1894(明治27)年勃発の日清戦争で軍用食料としての需要急増(戦争中の軍需缶詰は251万5,738円)を機に大きく発展していった。また、1904〜05年の日露戦争でいっそう軍需が…続きを読む
高度経済成長期に登場した冷凍エビフライ 第二次世界大戦終結後アメリカでの冷凍食品の急速な普及に刺激され、国内での研究・試作も活発になった。1948年に日本冷蔵(現在のニチレイ)がライファン詰めのホームミート、ホームシチュウと称する調理冷凍食品をデパート…続きを読む
古代ローマ時代、ローマ時代に発展したワイン醸造 古代ローマ時代になるとワインは大量に消費されるようになり、ブドウ農場経営が大規模に行われるようになった。カエサルはガリア征服後に現在のボルドーを統治し、ワイン造りを奨励したが、ワインの貯蔵や運搬に樽が用い…続きを読む
ふかふかの生地ができる原理 シュー生地といわれるもので、シュー・ア・ラ・クレーム、エクレールなどが代表的な製品である。 牛乳または水と油脂を混合、煮沸して小麦粉を加えてよく練り、卵を徐々に加えて練り上げる。グルテンと卵の作用により、ペースト状の独特な生…続きを読む
おにぎりに欠かせない、日本のコメの歴史 わが国の稲作は、長江下流から山東半島経由で、対岸の朝鮮半島南部に上陸し、対馬海峡を渡って北九州に伝播した説と、長江下流から東シナ海を渡って、朝鮮半島南部と北九州に伝播した2つのルートが考察されており、どちらかに特…続きを読む
油揚げの価値を高めるために 昭和30年代に油揚げは油に浮かせてあげる手揚げから湯中式の機械揚げとなったが、現在は付加価値商品として手揚げ同様に油に浮かせて揚げる機械揚げ が手揚げ風と称し販売されるようになった。 近年、豆腐業界の競争は激しく付加価値商品…続きを読む
饅頭から発展した和菓子の歴史 奈良朝後期の754年には、砂糖や蜂蜜などが唐僧鑑真によってもたらされ、平安時代に入り806年には僧空海によって煎餅の製法が伝えられた。さらに菓子類発展の大きな契機となる茶の導入が鎌倉時代の初期に行われた。すなわち、1191…続きを読む
ジンジャーパウダーはジャマイカ産が最上品 日本でも薬味として、あるいは梅酢につけた紅しょうが、寿司屋のガリなど生魚などの生臭味を消してくれる。説明の必要もなさそうであるが、ここではジンジャーパウダーについてみることにしよう。ジンジャーパウダーは、辛味と…続きを読む
皮や軟骨も味わいたい手羽先 鶏の翼の部分は「手羽先」と「手羽元」に分かれる。手羽先は、肉は少ないが、柔らかく、濃厚な味わい。鮮度のよいものは、身のつきが多く、皮にツヤとハリがある。皮の部分にコラーゲンが、軟骨部分にカルシウムが多く含まれる。一方、手羽元…続きを読む
日本のスパイス「薬味」 山の幸、海の幸に恵まれ国土も狭い日本では、新鮮な食材をそのまま摂ることが比較的容易だったことから、素材本来の持ち味を活かす食文化が発達してきた。また、 鰹節、昆布、しいたけに代表されるアミノ酸、核酸系のうま味によって日本人の繊細…続きを読む
多様化する豆腐 昭和30年代まで豆腐は木綿豆腐・焼き豆腐と袋豆腐、揚げ物は油揚げ・生揚げ・がんもどきと6種類程度であったが、その後絹ごし豆腐・充填豆腐が加わり現在はおぼろ豆腐(寄せ豆腐)・絹生揚げなどが追加されさらに容量や原料大豆(輸入・国産)・凝固剤…続きを読む
ハワイ名物、マカデミアナッツ 1858年にブリスベン市植物園の責任者ウォーター・ヒルは、原住民少年がマカデミアナッツを食べて病気にならなかったのを見て原住民以外で初めてマカデミアナッツを食べたといわれている。 1860年代にブリスベン南部に住むアボリジ…続きを読む
キャラメルの美味しさとは ソフトキャンデーの代表的なキャラメルは、砂糖、水あめ、練乳、油脂、乳化剤、香料などを混合溶解し、水分8~10%まで煮詰めた生地を、冷却・成形したchewy candyである。キャラメルの成分のなかで、水分はチューイング性(ch…続きを読む
好ましい卵の風味を得るために 鶏卵を食品に利用する目的の一つは、好ましい風味を製品に付与することである。この鶏卵の風味は脂質や低分子物質などによる。酵素処理卵はより強い風味を得る目的でプロテアーゼ やリパーゼなどで分解した製品である。液卵を酵素分解する…続きを読む
果物にも期待できる薬膳効果 中国は医食同源の考えをもつ国であることをしみじみと感じさせてくれるものに、家庭でつくるスープがある。材料をとろ火で数時間かけてゆっくりと煮出していくのである。これは単なる家庭料理ではなく、身体に滋養を与えたり、余計なものの排…続きを読む
流通歴の長いノルウェー産「オイルサーディン」 イワシ缶詰には、中くらい以上 (中羽、大羽)のマイワシを原料にした「味付」、「味噌煮」、「蒲焼」、「油漬」、「トマト漬」、「梅肉煮」、「南蛮漬」、「水煮」など、多彩な調味スタイルの製品がある。また、20g~…続きを読む
ラッキョウは小粒が好まれる 酢漬類に属する代表的な漬物で、原料のラッキョウは青森、福井、栃木、茨城、鹿児島などで栽培されている。近年、中国産の塩漬原料の輸入が増大している。らっきょう漬は、塩蔵ラッキョウを成形した後、水にさらして脱塩を行い、甘酢液に漬け…続きを読む
先覚者がデンマークで学んだ酪農 チーズの民間製造の歴史はバター、練乳にくらべてはるかに新しい。 トラピスト修道院(北海道・ 湯ノ川)の女子部では、1904 (明治37)年頃、ソフトチーズやゴーダ系のブリックチーズを造った。当別の男子部の方でもやや遅れて…続きを読む
多様な日本の菓子パン あんパン、クリームパン、ジャムパン、メロンパンのようなわが国独自の菓子パン類は同一生地からつくられる場合が多い。製パン用酵母が市販される以前の明治、大正時代には、酒種がガス発生力源として使われていた。このような製パンは手間暇がかか…続きを読む
栄養豊富、美肌美髪効果も期待できるクルミ 名前に中国周辺の異民族を示す「胡」が使われていることから、外来種であることがわかる。漢代に武帝の命令で西域に行った張憲 (zhàng qian)が持ち帰ったといわれている。殻が硬いので日持ちするが、古くなると酸…続きを読む
イタリアの発泡性ワイン、スプマンテ スプマンテとはイタリア語で発泡酒の意味。主な生産地はピエモンテ州のアスティ、アレッサンドリア、クーネオ。タンクで2次発酵を行うシャルマー方式で造られる。アスティはマスカット・ブドウ(モスカート・ビアンコ)を原料とする…続きを読む
福沢諭吉や仮名垣魯文が広めた牛乳の価値 東京では、将軍御用の乳製品をつくっていた吉野郡造が1869 (明治2)年頃から牛乳の販売を始めている。70年には旧旗本阪川当晴が築地にできた牛馬会社から牛乳を払い下げてもらい、販売を始めている。阪川は後に自ら牧場…続きを読む