人気高まるベトナム産の「カッシア」 正確にはセイロン(スリランカ)産をシナモンとよび、ほかはカッシアとよぶ。日本においては、一般に は肉柱(ニッキ)と称され、古くから知られているスパイスの一種である。原料業界では桂皮あるいはカシア桂皮とよばれているが、…続きを読む
ナポリタンの隠し味になるスパイス、ローレル 古代オリンピックの勝者の頭に冠したという、月桂樹の葉っぱ。 それを乾燥し、あるいは砕いたものであり、清潔な芳香と涼感をともなった苦味をもつ。レストランなどでカレーあるいはシチューなどを食べると、時時砕かれた葉…続きを読む
修道院で醸造されていたドイツワイン ドイツでは、1130年にベネディクト派のヨハニスベルク修道院が設立されるとラインガウのワイン醸造がさかんとなったが、1135年に設立されたシトー派のエバーバッハ修道院は200以上のブドウ畑を所有し、当時の世界最大のワ…続きを読む
「ギリシャの木の実」と呼ばれたアーモンド 人類は古くからアーモンドを栽培していたとみられ、紀元前3200年ごろのヨルダンの首都アンマン南西部の遺跡でアーモンドの殻が発見されている。紀元 前1500年頃の地中海東岸を中心にした古代オリエント世界では、香辛…続きを読む
タンザニアの重要な作物、クローブ クローブは、丁子樹の花蕾を乾燥したもので、高い芳香と灼くような辛味を有している。 クローブは、モルッカ諸島に限って産していたもので、オランダ領になって種子、苗木の輸出を厳禁して独占につとめたが、18世紀初頭にフランスに…続きを読む
日本で起きた2度のドルチェブーム 平成の初めに第一次の イタリアブームが起こり、ティラミス、パンナコッタ、ピナコラーダ、ズッパー、エングレーズ、ズコット、カスターニャといったようなものが流行した。 そして10年ぐらい前の1998(平成10)年頃からビス…続きを読む
“たれ”が発達したうなぎ料理 わが国で発達した代表格はうなぎ用のたれで、江戸時代にはすでに完成され、現在でも老舗の味として当時の味が伝承されている。 室町時代の『大草家料理書』によると、うなぎの食べ方は「醤油と酒をまぜたもので食するなり、山椒味噌付でも…続きを読む
ホップの添加によって品質が飛躍したビール 中世に入ると、上等なビールは修道院でつくられるようになった。知識人である聖職者は醸造知識にも優れ、香味剤であるグルートを使ったグルートビー ルが主流であったところが、 11世紀後半にはホップをビールに添加するこ…続きを読む
ショートケーキが作られるようになったのは大正末期から? 大正に入ると銀座を中心に本格的な「カフェ」が出現し、文人や画家、文学好きの会社員たちの集いの場所となり、そこで出されるケーキ付きのコーヒー セットは当時の若者たちを魅了したという。その頃のケーキと…続きを読む
一番美味しい一番茶 茶は植物学的には、ツバキ科カメリヤ属の多年性常緑作物である。原産地については、アッサム種と中国種の二つに分かれるとする説と、大差はなく一元であるとする説があるが決定はみていない。 日本で栽培されているものは中国系である。 気象と茶の…続きを読む
中国やエジプトからの輸入が増えているジャム ジャムは、前処理した原料に適量の砂糖を加えて一定濃度まで煮熟して仕上げる。ジャムが凝固するのは、果肉中のペクチンと酸および加えた砂糖の3成分が一定の割合になった時にゼリー化するため。したがって、原料の種類によ…続きを読む
医薬書で乳牛の飼育法を学んだ日本人 日本の牛乳の歴史は欽明天皇の時代(511〜571年)に朝鮮半島に遠征した大伴狭手彦が百済(現在の韓国)にいた知聡を連れてきたことから始まる。知聡は仏像などとともに、医薬書164巻をもってきた。そのなかに牛乳の薬効や乳…続きを読む
三重県名物、手こねずし すしは、魚をご飯で漬け込んだなれずしとして、奈良時代から存在が知られている。長期保存できる魚食だったが、江戸時代には酢を用いた現在のすしが 登場し、幕末には屋台で食べるファストフードとしてにぎりずしが普及した。すしの素は酢飯が簡…続きを読む
姿を消しつつある天ぷら油 (サラダ油は)精製油の基準に加えてさらにロウ分の除去など精製度を高くした植物油で、冷却に対する安定性が高いのが特徴である。したがって、サラダ油という名称は用途を示す商品名がそのまま品質を示す名称として用いられ たものである。 …続きを読む
イタリアで生まれ、アメリカで成長したエスプレッソ 1970年代から米国西海岸で始まったスペシャルティーコーヒーのベースになっているエスプレッソの抽出器具は、元来イタリアで1903年にラビット・コーヒー・エスプレッソとして考案されたもので、それ以来イタリ…続きを読む
「ぎゅうひ」とは何か 白玉粉あるいはもち粉を主材料とし、水を加えて加熱、十分に練り、砂糖、水あめを加え、さらに練り上げる。練り方に蒸し練り、ゆで練り、水練り法があるが、基本は水練り法である。熱があると延びや粘りがあって加工しやすいが、冷えると弾力性がで…続きを読む
戦後のオレンジジュースブームとは 果実飲料は炭酸飲料誕生から約30年後の1897年(明治30年)に、和歌山県有田郡において温州みかんを搾ってびん詰めにした“みかん水”が発売されている。しかし、殺菌方法が厳格に確立されていなかったこともあり内容物が発酵し…続きを読む
1981年にピークを迎えた喫茶店 戦後、レギュラーコーヒー消費の主流は業務用だったが、贈答用を含む家庭用市場も拡大した。缶コーヒーを含むリキッドコーヒーの普及はコーヒー飲用習慣の定着に貢献し、抽出器具の別途購入を必要としない一杯抽出用のカセットコーヒー…続きを読む
パンのはじまり パンは人類にとってきわめて伝統的な食品であり、約6000年前のチグリスユーフラテス河畔では小麦粉粥を熱した石の上で焼いた無発酵パンが食べられていたと推察されている。このようなパンが中近東諸国では今日でも継承されている。 無発酵パンがいつ…続きを読む
コスタリカでも生産されるマカデミアナッツ 1858年にブリスベン市植物園の責任者ウォーター・ヒルは、原住民少年がマカデミアナッツを食べて病気にならなかったのを見て原住民以外で初めてマカデミアナッツを食べたといわれている。 1860年代にブリスベン南部に…続きを読む
高度経済成長によって少なくなった弁当食 高度経済成長により、国民生活も急激に向上して、食生活様式にも大きな変化が現れはじめた。すなわち洋風化の波と生活環境の変化である。 米食からパン、めんなどの粉食への移行がはじまり、魚肉ソーセージが開発された。 各家…続きを読む
薬品として大仏に献上された砂糖 日本に砂糖がもたらされたのは奈良時代とされている。当時は貴重なもので薬品として扱われ、大仏へ献上されたという記録も残っている。 その後、鎌倉〜室町時代になると茶の湯の発達などで菓子などに砂糖が使われるようになったが、江戸…続きを読む
風味と食感にすぐれた干しアワビ アワビを殻からからはずし、ゆでてから乾燥したもの。乾貨のなかでも、最上級のうま味と香り、そして滑らかで弾力のある触感を併せもつ風格のある素材といえる。品質を判断するのに、光に透かす方法がよく利用される。全体が透き通ってみ…続きを読む
酒の種類 醸造酒、蒸留酒、混成酒に大別される。 醸造酒は原料をそのまま、または糖化し、酵母により発酵させて造った酒である。たとえば 果実の酒として、ブドウから造られるワイン、リンゴからのシードルなどがある。 穀類の酒として、米を原料とする清酒、黄酒(中…続きを読む
塩の使い分け サラサラの乾燥塩は精選特級塩 (高純度塩、微粒塩)、特級塩、食塩があり、しっとりした湿塩は並塩、白塩(大粒、中粒)、造粒塩 などがある。精選特級塩、特級塩、白塩はブランド数が多く、粒径、純度などが異なる。食塩、並塩もメーカーにより各種ブラ…続きを読む
濃厚な味わいを楽しめる手羽 鶏の翼の部分は「手羽先」と「手羽元」に分かれる。手羽先は、肉は少ないが、柔らかく、濃厚な味わい。鮮度のよいものは、身のつきが多く、皮にツヤとハリがある。皮の部分にコラーゲンが、軟骨部分にカルシウムが多く含まれる。一方、手羽元…続きを読む
どらやきとは 卵、砂糖、小麦粉を同量配合、はちみつやみりん、少量の重曹を加えた生地を、加熱した銅板上に流して円形に焼き上げ、焼き面を外側に二枚の皮で小倉 あんを挟んだもので、形がドラ(銅鑼)に似ていることから、この名が付けられた。通常のどら焼のほか、虎…続きを読む
最も有名な洋酒、ウイスキー ウイスキーはわが国ではもっとも有名な洋酒であり、蒸溜酒のうちでは、世界でもっとも飲まれているものの一つである。ウイスキーの起源ははっきりしないが、12世紀の文献にウイスキーの語源と考えられる古ケルト語Uisqe Beatha…続きを読む
牛肉のコクと風味がある部位、肩ロース 肩ロース、リブロース、サーロインと続くロース全体の最前方にあるのが肩ロース。脂肪が適度にあり、霜降り状に分布している。上ランクのものほど、脂 肪の入り方がキメ細かいとされる。色が鮮やかで、脂肪は白か乳白色で、粘り …続きを読む
初夏の味わい、甘夏 「夏ミカン類」には、夏ミカンと甘夏がある。夏ミカンは夏ダイダイ、夏柑ともいわれ300年近く前、山口県の青海島で生まれた品種とされている。 このミカンの特徴は糖度が低くしかも酸が強く、苦味を含んでいる。果実になるのが早く、耐病虫性が強…続きを読む