縄文時代に伝来したそば そばの発祥地はアジア大陸中心部の内陸山岳地帯といわれており、日本にそばが伝来したのは約3000年前の縄文晩期と考えられている。そばに関する世界最古の文献は、中国本土の南北次代末期(6世紀)に記された『斉民要術』という農業技術書と…続きを読む
アーモンドを結実させるには アーモンドはサクラに似た花が枝に直接咲くように開花するが、その時期はカリフォルニアでは例年2月中旬に早咲き品種のノンパレイルからはじまり約2週間の間に交配が行われる。 アーモンドは他の品種と交配しないと確実な結実をしない(異…続きを読む
サナトリュウムで生まれたシリアル シリアル食品は、そのまま、あるいは温めるだけで食べられるように加工した、穀物を主原料とした加工食品を指す。原材料としては、トウモロコシ、小 麦、米、大麦、燕麦(えんばく、オーツ麦)、ライ麦などの穀類を主原料としている。…続きを読む
アルメニア人が広めたレーズン 紀元前のはるか昔に、ぶどう畑で自然に乾燥された一粒のぶどうがたまたま偶然に発見されたものが人類が初めてみたレーズンと考えられている。 紀元前1490年に、「レーズンはぶどうを天日乾燥したものである」との記述があると歴史書が…続きを読む
豆の蜜漬で作る小倉あん 小豆の大納言、白小豆、白いんげん豆など、粒形の整ったものを原料とし、煮崩し生あんの場合と同様に、蒸らして軟らかく煮上げる。砂糖の濃厚液で軽く煮沸して、そのまま一夜蜜漬けする。翌日豆をとり出したのち、糖液を煮沸し再び蜜漬けする。こ…続きを読む
グルジアで見つかった最古のワイン土器 ブドウ栽培の始まりはBC 8000年頃にさかのぼると推定され、新石器時代のトルコ、シリア、レバノンなどの西アジア地域の遺跡から炭化種子が発見された。ワイン醸造の始まりを確認できる証拠は、土器の内部に炭化種子が見つか…続きを読む
タイやニュージーランドから輸入されるミートソース ミートソース缶詰は、牛肉や豚肉をミンチにして、ミジン切りにして炒めたタマネギとニンジン、トマトペースト、香辛料、 肉エキス、調味料とともに充分に煮込む、というのが基本製法である。これら原材料の配合比率は…続きを読む
減少している旨いすり身の原料 2010年のスケトウダラの水揚量は25万1,166tで05年に比べ5万7,117t(29%)増加した。漁業種類別による水揚量では、沖合底曵網が14万1,591t(05年と同等)、遠洋底曵で6,929t(5%)、刺網7万1,…続きを読む
明治時代に売られはじめた発酵乳 わが国において、発酵乳が商品として販売されたのは文明開化の明治20(1887)年代。整腸効果をうたい「凝乳(ぎにゅう)」、あるいは「滋養食品ケフィール」 など、乳酸菌飲料状の乳加工品が販売されていた。 法令による規制を見…続きを読む
成長に必要な栄養をたっぷり含む卵 全卵の固形分は約25%で、脂質とたん白質の含量がほぼ同じで炭水化物はごくわずかである。卵黄と卵白の重量比は約1:2である。卵黄は水分約50%、たん白質約17%、脂質約34%である。ただし、液卵として流通するものは、割卵…続きを読む
フランス菓子がブームを起こす 1970(昭和45)年には大阪で万国博覧会が開催されたが、この万博を契機に洋菓子が急激に変化した。この時も各国のパビリオンでは食の催しがあり、食に関する関心が高まった。そして万博後、国の名を店舗やお菓子、料理に国分けするよ…続きを読む
姿を変える健康食品、こんにゃく わが国の長い食生活の歴史のなかで、こんにゃく製品は豊富な食物繊維および腸内活動の活性化などの機能性が消費者に認知されており、健康食品(機能 性食品)として位置づけられている。これらの機能について消費者の理解度が高いことは…続きを読む
節(ふし)とはなにか かつお節の定義を明文化している公的な報告はない。しかし削りぶし品質表示基準のなかに節(ふし)の定義の記載がある。 また、削りぶしの原料として 「煮干し」「圧搾煮干し」を使用することもあるため、煮干しの定義もあわせて示した。 かつお…続きを読む
効率よく食物繊維を摂取できる漬物 漬物は食物繊維を始め、ビタミン類、ミネラル、機能性成分を含む香辛料など、 健康を維持するのに有用な成分を数多く含む食品である。糖尿病、大腸ガンなどのいわゆる生活習慣病は、食物繊維不足が原因の一つであることが明らかにされ…続きを読む
東京では労働者の食事、関西では女性の簡易食として浸透したお茶漬け お茶漬けは、平安時代から夏季の水飯や、湯漬けとして貴族社会で親しまれてきた。ご飯にお茶をかける、現在のお茶漬けの原点は、お茶の木が全国で植えられ始め、茶道が発達した室町時代後期とみられる…続きを読む
剥く姿、干された町並みが絵や俳句の題材になった干ぴょう (干ぴょうが)栃木県に入ってきたのは1712年 (約300年前)、江州(今の滋賀県)水口城主鳥居忠英(ただてる)公が、幕府の命により下野(栃木県)壬生城主に国替えになり、その旧領地の木津からユウガ…続きを読む
使用乳酸菌が制限されていたヨーグルト わが国において、発酵乳が商品として販売されたのは文明開化の明治20(1887)年代。整腸効果をうたい「凝乳(ぎにゅう)」、 あるいは「滋養食品ケフィール」など、乳酸菌飲料状の乳加工品が販売されていた。 法令による規…続きを読む
ジャムとは明確に区別されるマーマレード ジャム類には、びん詰、缶詰 (大缶、丸缶)、カップ詰、小袋詰があり、びん詰の流通量がもっとも多い。原料種別では、イチゴ、ブルーベリー、アンズ、リンゴのほかプラム、チェリー、パインアップル、ブドウ、モモ、イチジク、…続きを読む
リキュールの普及が先か、カクテルの流行が先か リキュールの言葉の語源は、 アルノード・ビルヌーブとラモン・ルルが命名したリケファケレが変化したとする説と、ラテン語で液体を意味するリクオルが語源とする説がある。リキュールは古代ギリシャ時代に医師のヒポクラ…続きを読む
アセロラジュースにはJAS規格がない 果実飲料には数多の種類の果実が利用されている。果実飲料に適している、いわゆる果汁適性果実の原則的な条件として、適当な甘酸さがあり、風味が良いこと、色調、香味が優れていることなどがあげられる。また、商品化するために必…続きを読む
歴史を動かす原動力となったスパイス 人類とスパイスの付き合いは大変古く、すでに古代エジプトのピラミッド建設にあたって、労働者が大量のにんにくを食べていたことはよく知られた史実である。この頃からにんにくは、優れた滋養があると考えられていたのだろう。ピラミ…続きを読む
油のはじまり 油が人類に利用されるようになったのは灯火として照明に用いられたのが始まりとされている。すなわち魚肉や獣肉を焼く時に油が燃えるということから油を明かりに利用することを覚え、次いでこれを灯火に使用したのが初めで、エジプト人は4,000年以前に…続きを読む
「味は至ってあまく口中に入るとたちまち解けて誠に美味なり。これをアイスクリンという」 アイスクリームは、幕末に外国へ渡った人々によって、初めてその味がわが国に伝えられた。 まず、1860(万延元)年日米通商条約使節の護衛のため、最初に太平洋横断をした威…続きを読む
江戸時代にぬか漬けが流行った理由 戦国時代は、ほとんど玄米食であったが、江戸時代に入ってからは、食生活もぜいたくになり、一般の町民も白米を食べるようになった。その頃から江戸市民の間に「江戸患い」と称する病が流行した。ビタミンB1不足による脚気で、それま…続きを読む
デザートにも料理にも、酒にも加工できる万能果実 ヤシ科の常緑高木。中国では、昔から南部で栽培されている。果実が熟す前の中身は半透明の液状で、これをココナッツジュースと呼んで飲み物にする。やがて果実が熟すとともに、殻に近い部分から脂肪の多いゼリー状に変化…続きを読む
コロッケを含む「惣菜」とは 「惣菜」は昔からの「庶民の食 べもの」で、「おかず」としての役目をはたしてきた。「料理」という言葉がなぜか外食イメージを感じさせるのに対し、「惣菜」 は素朴。家庭内で家族のために三度の食事用に手作られた「おかず」程度に考える…続きを読む
柏餅のみそ餡に用いられることのある白味噌 近畿各県と岡山、広島、香川 で主に醸造され、一般に白味噌の名でよばれるクリーム色をした甘い味噌である。 産地により品質的に若干の違いがあり、西京味噌、府中味噌、 讃岐味噌、関西白味噌などと称せられている。 麹歩…続きを読む
日本でラムネを製造しはじめたのは別の人物 1865(慶応元)年長崎の商人藤瀬半兵衛氏がラムネの製造を学び、レモン水と名づけて販売したが、この名前は使われずラムネといった。ラムネという名称はレモネードが「ラムネ」となったといわれる。1874 (明治17)…続きを読む
和生菓子の原点、団子 縄文時代、まだ稲作が充分でなかった頃に一番身近だった椚(くぬぎ)や楢(なら)の実はアクが強いためそのまま食用にすることはできなかった。そこで粉にして水にさらしアクを抜いてから、粥状や団子状にして加熱し食するという粉食の文化が生まれ…続きを読む
日本人のカルシウム不足を補うために考案されたふりかけ ふりかけの元祖商品は、全国ふりかけ協会(日本食糧新聞事務局)の1994(平成6)年の定時総会において、熊本県の吉丸末吉氏が考案した「御飯の友」であることが承認された。 薬剤師であった吉丸氏は大正初期…続きを読む
カルフォルニアにレーズンが渡るまで 18世紀までに、時の女王イザベラの命を受けメキシコに渡った宣教者たちは、宗教の布教だけでなく、聖餐用ワインを作るためのぶどう、レーズン用のマスカットの栽培法も伝授していった。 18世紀にはスペインの宣教師たちはメキシ…続きを読む