小豆のポリフェノールをたっぷり摂れるぜんざい かつて日本や韓国、中国では小豆は食物である前に、その美しい赤色が呪術的な意味をもち、魔除けや汚れ払いなどに用いられてきた。小豆の原産地の定説 はないが、有力な説として東南アジアといわれている。中国では五世紀…続きを読む
パルリと一緒にやってきた炭酸 わが国に初めて炭酸飲料が伝えられたのは1853(嘉永6)年パルリ提督のひきいる米艦3隻が浦賀に来航した時、飲料水の一部として艦にレモネードを積んでいて、幕府の役人にこれを飲ませたのが最初であると伝えられている。その後186…続きを読む
自給率が唯一半数を超える畜肉、鶏肉 そして、平成23年(概算)のわが国の食肉の自給率は牛肉が40%、豚肉は52%、鶏肉が66%となっている。しかし、国産の飼料による肥育した食肉の自給率は1割以下で、食肉と飼料のほとんどを輸入に依存している。 輸入に依存…続きを読む
古から重要な食物だったカツオ 日本人とカツオとの関係は古く、主に北関東から東北地方太平洋沿岸の縄文時代前期の貝塚よりカツオの骨は発見されている。太古の時代よりカツオは日本人に好まれ食されてきた魚である。律令制度では堅魚・煮堅魚(かたうお:乾燥させたかつ…続きを読む
マグロもカツオもツナ マグロ類とカツオの缶詰は総称して「ツナ缶詰」といわれる。原料魚種別では肉色が白いビンナガマグロを使用した「ホワイトミート」と、魚肉が淡紅色のキハダ・メバチ・カツオを使用した「ライトミート」とがある。なお、カツオはキハダやメバチと区…続きを読む
山梨ではほうとう、名古屋ではきしめん きしめんの名称は、干しひらめん・ひらめん・きしめん・ひもかわと乾めん類品質表示基準で規定している。太さは幅が4.5mm以上厚さが2.0mm未満の帯状に成形したものと規定している。 きしめんの主要な生産地は、何といっ…続きを読む
シェアナンバーワンのコシヒカリ コメマーケットは過剰感を強める一方で、縮小パイの争奪戦による過当競争時代となり、コメ価格は年々下落傾向を強めていった。とくに流通規制緩和にともない農家直売が急増し、米穀卸を通じて販売するコメが減少するとともに単価ダウンが…続きを読む
普仏戦争がきっかけで生まれたマーガリン マーガリンは1869年フランスで発明された。当時のフランスはプロシア(現在のドイツ)との普仏戦争により、バターが欠乏状態になっていた。そこで、 ナポレオン3世は懸賞金を出して、バターの代用となる油脂食品を募集した…続きを読む
じっくり育つ、津軽の味噌 仙台味噌に比較的似た面をもち、旧来はかなり塩味がつよく麹歩合が低かった。そのため熟成にはかなりの期間を要したもののようである。 (日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人 中央味噌研究所))
はじめは果肉を食べていたコーヒー 人類の起源と同様にコーヒーの起源もアフリカ大陸だと考えられており、発見の場所とされるアビシニア、現在のエチオピアでは、現在でもコーヒー樹が自生している。 しかし初期の飲み方は果実をそのまま煮ただけのスープか、果肉を団子…続きを読む
いまや一大農産国であるベトナム。シナモン市場でも存在感 正確にはセイロン(スリランカ)産をシナモンとよび、ほかはカッシアとよぶ。日本においては、一般には肉柱(ニッキ)と称され、古くから知られているスパイスの一種である。原料業界では桂皮あるいはカシア桂皮…続きを読む
ごまの一大産地であるグアテマラ 胡麻(ごま)はゴマ科ゴマ属の一年草の植物である。品種としては、それぞれの栽培地に適した品種があり、3,000種以上といわれている。原産地はアフリカ、インド、インドネシアなど諸説あるが、熱帯から温帯にかけての降雨量が多すぎ…続きを読む
ロシアの酒といえばウオッカ。しかし現代、ウォッカを最も消費しているのは…… ウオッカの起源として、12世紀にロシアにすでにあったという説と11世紀にポーランドに存在したという説の2説がある。しかし、記録としてはモスクワ公国(13世紀~16世紀)の記録に…続きを読む
冷凍食品、発祥の地は北海道 日本で冷凍魚がはじめて生産されたのは1919(大正8)年、網代でシャープフリージングによる魚の急速凍結と、その後の1年にわたる冷凍保管に成功したこととされる。1920年から北海道の森町で冷凍魚が本格的に生産されたため、この森…続きを読む
減塩醤油とうす塩醤油、塩分が低いのは? 「減塩醤油」はこれら5種類(※こいくち醤油、うすくち醤油、たまり醤油、さいしこみ醤油、しろ醤油)の定義とは別に、「食塩含有量について、しょうゆ100g中食塩9g以下のものであって、かつ、健康増進法31条第1項の規…続きを読む
世界の食市場は急速に拡大中 世界の食の市場規模は、現在340兆円であるが、2020年には 680兆円に倍増することが予想されている。とくに、中国・インドを含むアジア全体で考えると、市場規模は、09年の82兆円に比べ、229兆円へと約3倍増するといわれて…続きを読む
日本で最も生産量が多いきのこ、椎茸。江戸時代には総輸出額の1%を占めた 大阪の椎茸商が、元文元(1736)年に扱った干椎茸は、790石650合(30t)あった。 これらの椎茸は、藩の直営で生産・集荷されたものが、大阪蔵屋敷に送られ、物産問屋(日向物産問…続きを読む
1万年の歴史があるワイン ブドウ栽培の始まりはBC8000年頃にさかのぼると推定され、新石器時代のトルコ、シリア、レバノンなどの西アジア地域の遺跡から炭化種子が発見された。ワイン醸造の始まりを確認できる証拠は、土器の内部に炭化種子が見つかったり、底部に…続きを読む
日本における豆とは何か 一般に「豆」とよぶ穀物は、植物分類学上ではマメ科に属し、ササゲ属、インゲン属、ソラマメ属、エンドウ属、ダイズ属、ラッカセイ属などがある。ササ ゲ属は小豆とささげの2種類からなり、インゲン属はいんげん豆とべにばないんげんに分かれ、…続きを読む
1980年頃に豆乳の一次ブームが起きた 豆乳は大豆から豆腐をつくるときの途中の固める前の乳状の液体で、豆腐の中間産物として豆腐の歴史とともに紹介されている。豆腐の歴史は古く、今から2000年も前に中国で発見されたと言われているが、わが国に紹介されたのは…続きを読む
日本最古のめんは、そばではなく…… 「めん」というと、関東地方以北では、まず、蕎麦(そば)の名 があげられるだろう。しかし、日本の「めん」の歴史をたどると、そばが「めん」として作られるようになったのは、15世紀頃からのことで、さらに一般的に食べられ る…続きを読む
全国に流通させるために進化した餅 “もち”そのものは歴史が古く、縄文時代からあったといわれている。しかし、その時代は雑穀の粉を水でこね、蒸上げて搗(つ)いたもので、“もちひ”といわれるものであったという。 歴史上“つきもち”が認められるのは天平年間にな…続きを読む
「トクホ」の目的と意義とは 少子・高齢・人口減少社会が進行する中で、医療費の上昇が続いている。この医療費の上昇を防止する策として、治療にかかる医療費を抑制するばかりでなく、 健康な人が病気にかからないようにする「予防医療」 が必要なのである。 予防医療…続きを読む
もともとは羊の肉で作られていたようかん 喫茶の習慣が中国から日本に伝えられたのは奈良朝の初め1190年頃、禅宗の僧侶であった栄西禅師が茶の苗木を持ち帰って植えたことによるとされる(自生説もある)。その喫茶の習慣が広がるのが「茶道」の発達だが、茶道には「…続きを読む
海戦中も食べられていたかもしれない。地中海諸国ではるか昔から食べられていたアーモンド 人類は古くからアーモンドを栽培していたとみられ、紀元前3200年ごろのヨルダンの首都アンマン南西部の遺跡でアーモンドの殻が発見されている。紀元前1500年頃の地中海東…続きを読む
日本発!世界に知られるメロン味のリキュール 日本の古来のリキュールはほとんど屠蘇のような薬酒である。16世紀末の豊臣秀吉の時代の文書に「宣教師が、ブドウ酒や利久酒を飲ませて改宗させようとしている」と記されたものがあるが、この「利久酒」がリキュールをさす…続きを読む
ポルトガルの甘口ワイン、ポート・ワイン 1670年代からポルトガル北部のドウロ(Douro)川上流で生産が始まり、18世紀にはポルト(Oport)港からイングランドに大量に輸出された。ブランデーを加えて造るフルーティな甘口ワインである。 1…続きを読む
わが国の缶詰製造は、1871(明治4)年、長崎で松田雅典 (1832~95)がフランスのL.デュリー(Leon Dury・帰化し広運館の教師をしていた)から製法を教わり、イワシ油漬缶詰をつくったことにより始まった。政府でも、内務省勧農局新宿試験所におい…続きを読む
食材をサンドして食べると美味しいドイツパン ドイツでは下記のようなパンが普及している。 ミッシュブロート ライブレッド(ライ麦粉パン)の代表例で、穀物粉にライ麦粉と小麦粉を同量使用している。ドイツやオーストリアでよく食べられている。小麦粉が50%以 上…続きを読む
かつては贅沢品だった豆腐 豆腐とは、大豆のたん白質を水で抽出し熱変性を行い凝固剤で固める、いわゆる大豆たん白を物理化学的な処理により製品化したものである。赤ちゃんからお年寄りまで安心して食べられる栄養価の高い安価な健康食品であり、東アジアを中心に世界中…続きを読む
世界の調味料、しょうゆ しょうゆのルーツは、古代中国に伝わる「醤」であるといわれている。いつ頃、日本に伝わったかは明らかではないが、大宝律令によると、「醤院」で大豆を原料とする「醤」が造られていたと記されている。「醤」とは、 草醤、肉醤、穀醤の3種類を…続きを読む