中部外食産業特集
●問われる消費者モラル
今年も年末年始に向け各地で活発な動きが見られる。行楽シーズンが到来し、全国でさまざまな催しが行われる中、名古屋の人気スポットの一つに数えられる大須商店街では10月19・20の両日、「第42回大須大道町人祭」が開催され、2日間で延べ約30万人が訪れた。赤門・新天地・万松寺・観音・東仁王門・仁王門・本町・門前の8商店街をメーンとする大須商店街。同祭りでは、全国から集まった大道芸人ら約50組が大須商店街の至るところに設置された大小さまざまなステージに分かれ、パフォーマンスを披露。パントマイムや舞踏、ストリートミュージック、ジャグリングといった多岐にわたる演目で、あちこちから笑い声が沸き上がるにぎかな祭りとなった。
普段は食べ歩きの町として知られる大須商店街。運営店舗数は1200~1400店といわれ、飲食物を販売する路面店も非常に多い。特にここ数年は、タピオカブームの影響で、タピオカドリンク専門店が急増。いまや、その数は40店以上にものぼり、学生を中心に連日、大勢の若年層が訪れる新たな大須の魅力となっている。
しかし、タピオカドリンク専門店の急増の裏で、容器を店の周辺や路上へ放置する行為や自動販売機の横にあるリサイクルボックスに詰め込むといったケースが相次いで発生。また、外食店ではSNSの普及とともに、撮影目的の注文者が大量に食べ残すといった問題もあり、外食店では頭を抱える。
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◆中部外食産業特集:存在感増す外食・中食産業 新業態・サービスに期待
外食 2019.11.30●問われる消費者モラル 今年も年末年始に向け各地で活発な動きが見られる。行楽シーズンが到来し、全国でさまざまな催しが行われる中、名古屋の人気スポットの一つに数えられる大須商店街では10月19・20の両日、「第42回大須大道町人祭」が開催され、2日間…続きを読む
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中部外食産業特集:外食トップインタビュー=物語コーポレーション・加治幸夫社長
外食 2019.11.30◇25年6月期、グループ売上高1500億円が目標 「個」の尊厳を「組織」の尊厳より上位に置く企業。これは物語コーポレーション社員が携帯するクレド(行動指針)「The Monogatari Recipe」の冒頭に大きく書かれた一文だ。14期連続増収増…続きを読む
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中部外食産業特集:外食トップインタビュー=甲羅・鈴木雅貴社長
外食 2019.11.30◇創業50周年、縁を大事に100年企業へ 創業50周年のタイミングでトップが交代した甲羅。創業者でこのほど会長に就いた鈴木勇一氏が1969年に豊橋駅前に山小屋風スナック「どん底」の開業から始まる。現在は「甲羅本店」「カルビ一丁」「赤から」など多種多…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=中部食糧・水井雅博社長
外食 2019.11.30●「製造卸」さらなる進化へ 来春、チルド生産ライン稼働 今期(19年1月~)方針は、引き続き「製造卸」を志向した取組みを加速させるとともに、社会全体の人手不足という課題の中で、商品を含めて「集中と選択」を進めた。その結果、取引の消失もあったが、それ…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=サカツコーポレーション・牧野充宏社長
外食 2019.11.30●「攻め」「企業価値向上」を 環境変化に対応し基盤構築 20年3月期の上期売上高は、前年比1%増と順調であった。特に9月単月では、消費増税前の特需で小売店部門・アルコ事業が同30%増を記録。しかし、10月以降は特需の反動が大きく、11月に関してもG…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=三給・林元造社長
外食 2019.11.30●今期新2年計画スタート 一括物流で新価値に取組み 19年3月期売上高は前年比1.2%減の53億8000万円。新規開拓効果はあったが、新基幹システムのソフト面の一部不具合が影響した。ただ、ハード面は更新しているので、今後のさまざまな変化にも順応して…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=ヒカリ・平井英雄社長
外食 2019.11.30●ミクロとマクロ両視点で 「町内」ニーズ捉え商品提供 少子高齢化による社会構造の変化に加え、単身世帯や共働き世帯の増加といったライフスタイルの変化で消費者ニーズは多様化。さらに小売業の再編や異業種からの参入で、食品業界を取り巻く環境は劇的な速度で変…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=大光・金森武社長
外食 2019.11.30●外商とアミカ両事業好調 人材育成など事業基盤強化 日本経済が緩やかな回復基調にあるといいながらも、外食産業は、競合環境の激化や根強い消費者の低価格・節約志向に加え、人手不足による人件費や物流費、一部を除く食材費の上昇などもあるため、厳しい状況が継…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=山一商事・山下喜一郎社長
外食 2019.11.30●地域食材など品揃え強化 高齢者向けにカタログ充実 19年3月期売上高は微増の30億円。昨年は豪雨によるJR高山線土砂崩れ発生の影響があったが、全線開通したことで上向いた。ただ慢性的な人手不足から京都の店舗を閉店し、採算性の見直し、生産性の向上、配…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=ジーケーエス・竹尾匡利社長
外食 2019.11.30●大口ユーザーへ深耕営業 物流見直しで総合卸目指す 今期第1四半期(7~10月)の売上高は2.3%増で推移し、利益は前年並みとなった。 業態別では、売上構成比30.1%の外食、32.4%の弁当関係、老健、惣菜分野、13.5%の委託関係が伸長してい…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=黒地商店・黒地将典社長
外食 2019.11.30●新規開拓で売上げ伸ばす 既存品の知識高め営業強化 19年9月期は、ほぼ横ばいで推移。昨年7月の豪雨災害によるJR高山線の不通の影響もあったことでそれほど伸長しなかった。また、最近、海外の観光客が増えていることに伴いホテルの建設が続く高山市内で大規…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=プロン・山田哲司社長
外食 2019.11.30●筋肉体質の組織づくりへ 3温度帯物流に切替え急ぐ 19年8月期は、人件費・物流費・取引先のセンターフィー増加などを要因に減収で着地。ただ売上げは当初の減益予想を裏切り、2.4%増。要因には、近年好調なメディカル部門が新規獲得などによって前期比14…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=きゅうざい・小川眞也社長
外食 2019.11.30●一括配送で売上げ2桁増 少ロットに最適物流を模索 19年7月期決算は、主に既存ルートの取り扱い拡大に伴い、売上高が前年比10%増の49億9000万円。商品では、主力の冷凍食品は横ばいだが、和日配商品の扱いが増えており、既存ルートの便で一緒に配送す…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=浅地産業・浅地則夫社長
外食 2019.11.30●フルライン化で地域貢献 新中期3ヵ年経営計画始動 前期(19年7月期、71期)は、当社として初めて策定した中期3ヵ年経営計画の最終年。結果として、定量目標には届かなかったが、会社の将来を見据えて取り組んだ従業員の意識改革は、会社の方向性をしっかり…続きを読む
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中部外食産業特集:卸インタビュー=アコス・藤田亮一社長
外食 2019.11.30●創業の「給食」を再度強化 商品は4カテゴリーに重点 前期(19年3月期)決算は、売上高は40億円強の前年並みで、利益も横ばい。施策では給食や外食などの直販部門の強化を掲げて臨み、得意先の有力ホテルの改装や、外食は地元店が大手チェーンの攻勢を受ける…続きを読む
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中部外食産業特集:ビクター商事、HACCP対応洗濯システム「自家リネン」提案
外食 2019.11.30業務用洗濯機などを扱うビクター商事(名古屋市)は、食品工場で使用する作業服などからの感染を防ぐ提案として、HACCP対応で「感染対策」と「トレーサビリティー」をシステムで提供することで、外注ではなく工場内に適切な洗濯設備を設け洗濯する「自家リネン」を…続きを読む
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中部外食産業特集:物語コーポレーション、外国籍従業員で店舗営業 一日限定で
外食 2019.11.30ダイバーシティ実現に向けた施策の一環として、外国籍従業員の採用に力を入れる、物語コーポレーション。10月4日には、「焼肉きんぐ前橋店」(前橋市)で、外国籍従業員だけで一日限定の営業を実施した。「個の尊厳を組織の尊厳の上位に置く」。この経営理念には「ひ…続きを読む
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中部外食産業特集:オオヤ、飲食物に写真印刷 「カフェプリ」で差別化
外食 2019.11.30障がい者福祉事業を展開するオオヤは、昨秋から新たな事業として「フード&ドリンク専用プリンター」による飲食物に写真を印刷して販売する「CAFE PRI(カフェプリ)」を提案しており、差別化を求めるカフェ、外食店、CVSなどから徐々に問い合わせが増えている…続きを読む
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中部外食産業特集:ジーケーエス、岐阜で食品展示会 食のデザイン再発見
外食 2019.11.30ジーケーエスは10月19日、岐阜産業会館(岐阜市)で「令和元年度食品総合展示会」を開催し、地場有力メーカーを中心とした出展社73社、前年並みの約1500人が来場した。テーマは「食のデザインを再発見」とし、注目コーナーに少子高齢化社会に伴い需要が高まっ…続きを読む
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中部外食産業特集:物語コーポレーション、LGBT支援評価でゴールド受賞
外食 2019.11.30創業70周年を迎える物語コーポレーション(加治幸夫社長)はこのほど、LGBT(※)などのセクシャルマイノリティーに関する取組みで、LGBTの活躍と定着を支援する任意団体「work with Pride」が策定した評価指標「PRIDE指標2019」で最…続きを読む
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中部外食産業特集:札幌かに本家、「かに供養」開催 本格シーズンに臨む
外食 2019.11.30札幌かに本家(名古屋市)は10月29日、第52回かに供養=写真=を市内の八事山興正寺で開催した。中部地区の従業員約120人が参加し、読経、護摩祈願、出席者が全員焼香をした。 年間カニ使用量は全14店舗で使用するズワイガニ、本タラバガニ、毛ガニを合わせ…続きを読む
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中部外食産業特集:バロー、「スーパーマーケットバロー木津川店」開設
外食 2019.11.30バローは22日、京都府木津川市に「スーパーマーケットバロー木津川(きづがわ)店」を開設した。総店舗数は240店舗、京都では2店舗目。同店は複合商業施設「フォレストモール木津川」内にあり、商圏は約1万9100世帯(人口約5万2000人)を想定する。 …続きを読む
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中部外食産業特集:働き方改革最前線=タキモ本店 「女性とママの視点」が基本
外食 2019.11.30●柔軟な勤務時間を実現 1760年ごろから名古屋圏の和食文化を支えてきた老舗のタキモ本店が、令和時代においても他社に先駆け働き方改革を進めている。先頭に立つのは創業家出身の早川敏江社長。 改革の基本は「女性とママの視点」で、柔軟な勤務時間と子連れ…続きを読む
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中部外食産業特集:マルハニチロ 時短ニーズに対応 「便利な」シリーズ伸長
外食 2019.11.30マルハニチロ中部支社業務用部門の19年4~9月の売上高は、前年並みで推移。一方、利益は減少した。要因は物流費が上昇したことで苦戦した。 今期の状況は人手不足による時短ニーズを反映した自然解凍ができる「便利な」シリーズの商品が好調だ。人手不足や働き方…続きを読む
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中部外食産業特集:理研ビタミン 「冷凍海藻」が2桁増 成長のエンジンに
外食 2019.11.30理研ビタミン名古屋支店業務用部門の上期(4~9月)売上高は、主力のドレッシングの競合激化があるものの、今後の成長エンジンの一つに据えるおいしさと使いやすさを両立した「冷凍海藻」シリーズが、前年度に引き続き2桁増と好調。そのほか、「素材力だし」などの粉…続きを読む
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中部外食産業特集:ヤヨイサンフーズ 「イートベジ」投入 健康とおいしさ両立
外食 2019.11.30今秋冬、健康訴求商品として新たに立ち上げたブランド「イートベジ」シリーズが注目を集めるヤヨイサンフーズ。同シリーズは、「野菜を食べよう。」をテーマに健康志向とおいしさの両立を目指したシリーズで、野菜や豆などの植物由来の食材で仕立てられている。ベースと…続きを読む
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中部外食産業特集:エム・シーシー食品 主力品の伸長継続 要望くみ最適提案
外食 2019.11.30エム・シーシー食品名古屋支店の19年8月期着地は、業務用部門も前年をクリアし、支店全体で前年比3%増で着地した。主力商品群のカレーやピザなどが順調に伸長。カレーでは、ビュッフェ市場に同社の大袋タイプが好評で、ピザではイタリア地方のクラストを再現した「…続きを読む
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中部外食産業特集:ケイエス冷凍食品 鍵は「選択と集中」 ミニハンバーグ好評
外食 2019.11.30ケイエス冷凍食品名古屋支店の今期10月までの販売状況は、支店全体で前年実績をクリア。業務用部門は外食ルートの厳しさを受けているが、販売ボリュームの大きい12月商戦に向け、おせち商材、スーパー惣菜のオードブル、ホテルの朝食バイキングなどに、主力のミート…続きを読む
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中部外食産業特集:テーブルマーク 季節感にスポット 最注目はアップルパイ
外食 2019.11.30テーブルマークの秋冬向け新商品で最注目は「フリーカットケーキ アップルパイ」。そのほか、新たに「PS彩ロール 苺みるく」と「PS和ロール おさつ黒胡麻」を加え、全18種となった人気シリーズ「patissier style」や、「かぼちゃパン」「チョコ…続きを読む
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中部外食産業特集:六甲バター 新しいチーズ開拓 今期は業務用2品発売
外食 2019.11.30六甲バターは今期、学校給食向けに鉄分を強化した商品が好調だ。特に静岡県では「チーズデザート鉄人アップル」の引き合いが多く、今後も鉄分を強化したチーズ商品を愛知県などでも広げていく。そのほか、好評だったラグビーの型抜きチーズを定番商品として提案していく…続きを読む
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中部外食産業特集:三島食品 「ゆかり」50周年に ウエットふりかけ拡大
外食 2019.11.30三島食品は、17年春から順次発売した「-18度C以下保存」シリーズのウエットふりかけの売上げが好調だ。現在シリーズ14品をラインアップし、来年は追加で1品を発売する予定。そのほか業務用商品は学校給食、病院への販売から外食のレストランへ季節ごはんの素や…続きを読む
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中部外食産業特集:極洋 「オーシャンキング」など機能・簡便性が評価
外食 2019.11.30極洋名古屋支社上半期(4~9月)の売上状況は、主力の冷凍食品ではお盆需要期で台風の影響があったが、第1四半期が好調であったことと、水産品が想定以上であったことが貢献して増収。 冷凍食品では、完全油調商品の、「自然解凍でそのまま食べられること」が評価…続きを読む
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中部外食産業特集:大冷 現場の省力化実現 新たに2ブランド上市
外食 2019.11.30大冷は今秋冬向けに魚と野菜のオールインパック「Fish Deri」と時短調理用「Quick」シリーズという新ブランドを発売。いずれも、人手不足が深刻化する調理現場の省力化を実現する心強い味方に仕上がっている。 「Fish Deri」シリーズは、自然…続きを読む
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中部外食産業特集:味の素冷凍食品 軸は人手不足解消 米飯類・デザート堅調
外食 2019.11.30味の素冷凍食品中部フードサービス営業部は、「調理オペレーションによる人手不足解消」提案を機軸に、主力の米飯やシェアの高いスイーツなどが堅調に推移し、今期の4~10月累計売上高は、外食、中食、給食の各業態で前年実績をクリアしている。 スイーツは、産地…続きを読む
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中部外食産業特集:創業50周年迎えるカネ美食品 おいしさ磨き直す
外食 2019.11.30カネ美食品はオーナー企業から、生え抜き社員による経営事業体へと変わった。「これから大切なことは時代に即して臨機応変に対応していくことですが、その一方で変えていけないのは企業風土やこれまで培ってきた文化です」と新社長の園部明義氏は語る。そのために現場の…続きを読む