介護食品特集

非常食・介護食他 2020.07.27
介護食品特集

 ●課題はウィズコロナ対応
 コロナ禍でも、365日3食を提供する病院・診療所・介護老人保健施設・特別養護老人ホームなど施設給食の提供は行われた。給食提供関係者は、調理する職場に陽性患者が発生したときの対策に苦慮し、同施設などを中心に受託業務を行う企業団体の日本メディカル給食協会には感染者が出た場合の代行保証対応の問い合わせが多数あったという。もちろん、どこも同じ環境下では代行保証もままならないのが実情だ。加えて、緊急事態宣言では学校が休校となり、子どものいる親の通常勤務ができないケースもあった。
 このようなことから、これからはウィズコロナで共存が長引くことを考慮すると、業務用介護食、スマイルケア食を利用して給食施設は働き方改革を考えざるを得ない状況で、喫食者にも提供する人にもやさしい食事提供を食品業界を挙げて考える時である。業界で唯一、民間で介護食を安全に喫食できるように「ユニバーサルデザインフード」(UDF)認定を行っている日本介護食品協議会の生産統計では2019年度は生産量倍増、生産額5割増と大幅に増加している。そして、生産数量においては初めて市販用が業務用を逆転した。市販用介護食品売場の本格拡大はこれからである。地域包括ケアシステムによって在宅利用は待ったなしの状況で、業務用も市販用も介護食品のさらなる発展を期待したい。(福島厚子)

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