2024年は、食品業界にとって試練と変革の年でした。
食品価格の高騰や物流問題の深刻化などの課題が浮き彫りになる一方で、新たな食のトレンドが消費者の注目を集めるなど、業界全体にさまざまな動きがありました。
このページでは、日本食糧新聞の1面を飾った注目記事を厳選し、1年間の重要なトピックを振り返ります。
1月
1/8
能登半島地震 食品業界復旧急ぐ 供給は道路状況次第
[2024.01.08 12699号]
—北陸、物流寸断で大きな被害
—新潟、局所的な被害 各社の影響限定的
Point
地震発生当日から取材。現地写真付きで被災・復旧状況を精緻に報道。
1/17
ビール市場、競争激化で新銘柄も 2番手育成焦点、大手主力品は好調
[2024.01.17 12703号]
Point
ビール類の酒税一本化に向け、割安感の出るビールに経営資源を集中させる各社の取り組みを解説。
1/19
Point
カナカン幹部への取材を軸に能登半島全体のインフラ・流通復旧動向を詳報。
1/22
製パン業界、能登半島地震で緊急支援 経験値重ね「仕組み」構築し迅速に被災地へ
[2024.01.22 12705号]
Point
被災地のSNSで話題になっていた製パン業界の迅速な支援をタイムリーに総括。
1/29
今春の健康関連市場、タンパク質訴求続く 複数栄養素組み合わせバランス配慮も
[2024.01.29 12711号]
Point
カテゴリーをまたぐ商品展開でマーケティングデータによる分析が難しい健康系食品の開発・販売動向を解説。
2月
2/28
大手食品メーカー30社、24年3月期決算 28社、営業増益見込む
[2024.02.28 12722号]
上場大手食品メーカー30社の24年3月期決算は、28社が営業増益で着地する見通しだ。足元の業績はコロナ収束に伴う人流回復や価格改定効果、海外事業の為替差益などが寄与し、総じて好調に推移。
Point
30社3Q決算から着地見通しと増益化の背景を分析。30社の概況一覧表付き。
2/2
アルファ化米需要旺盛 フル生産も追いつかず 能登地震1ヵ月
[2024.02.02 12713号]
Point
能登半島地震関連。工場フル稼働で特需に対応する尾西食品、アルファー食品らの取り組みを独自取材で詳報。
2/16
包装もち生産量、7万tの大台に 通年需要で上昇傾向
[2024.02.16 12718号]
Point
団体の生産データに基づいて増加背景を解説。発注締め日設定という業界トピックにも触れた。
3月
3/18
食品界、賃上げ広がる 物価と所得上昇の好循環へ
[2024.03.18 12730号]
食品業界でも賃上げの動きが広がってきた。大手上場企業を中心にベースアップを含めて5~8%台の賃上げが公表されており、13日の春闘集中回答日にはキリンホールディングスや明治など満額回答が相次いだ。
Point
食品業界の春闘回答内容を読み解いたタイムリーな内容。
3/27
即席袋麺、進む3食化 カテゴリー確立し存在感
[2024.03.27 12734号]
Point
値上げと世帯人数減少の中で進む5食パックから3食パックへの移行状況を解説。メーカー取材とPOS分析を組み合わせた。
4月
4/17
生産年齢人口、ピーク比835万人減 人繰り対策待ったなし
[ 2024.04.17 12745号]
国内労働力の減少が加速している。総務省が12日に発表した23年10月1日現在の人口推計によると、15~64歳の生産年齢人口は7395万人となり、総人口がピークアウトした08年に比べ835万人減少した。わずか15年で大阪府の人口に匹敵する労働力が失われた計算だ。
Point
総務省の人口推計から労働供給力の加速度的な低下を読み解いた統計分析記事。
4/8
乳業大手、植物性飲料続々 味作りや栄養面、独自性を発揮
[2024.04.08 12740号]
Point
アーモンドミルク、オーツドリンクなどの開発・導入状況をサステナ意識の高まりと絡めて解説。
4/24
ふりかけ市場、400億円規模に回復 市場拡大も利益圧迫
[2024.04.24 12748号]
Point
実質賃金の減少が続く中、経済性で活況を呈するふりかけ市場全体の流れを俯瞰し解説した。
5月
5/31
ヨーグルト購入に変化 若年層が台頭 ギリシャ系拡大、SNS感度もプラスに
[2024.05.31 12764号]
ヨーグルト市場の購入層に変化が起きている。総務省「家計調査」によると、2人以上の世帯における2019~23年度の世代別支出金額を見ると、20~30代の若年層の購入金額が右肩上がりで上昇。
Point
家計調査の世代別支出金額データを引用し、購入層の変化とその背景を読み解いた。
5/1
変わる消費・購買行動:家庭用冷食、行動変容で魅力再認識 多様な食スタイル合致
[2024.05.01 12751号]
Point
シリーズ企画第1弾。冷食活況の背後にある生活者の行動変容を分かりやすく解説。
5/8
コープいしかわ、被災地のインフラ支える 全国から462人応援に
[2024.05.08 12752号]
Point
能登半島地震後のコープいしかわの事業継続活動を独自取材で報告。避難所生活の長期化による生協利用者数の減少など、他地域に伝わりにくい情報を生々しく伝えている。
6月
6/3
ヨーカ堂・西友、相次ぎ撤退 道内流通、急展開
[2024.06.03 12765号]
2024年に入ってから北海道小売の再編が加速している。イトーヨーカ堂と西友の相次ぐ撤退で道内流通業界は節目にある。
Point
GMS撤退、ロピア・トライアル・業務スーパー多店舗化など、北海道流通の変化を網羅的に解説。
6/12
食品工場用地、新規取得が活発化 23年面積7.5%増の193ha
[2024.06.12 12771号]
Point
製造業種別の設備投資意欲を経産省・工場立地動向調査に基づいて解説。食品製造が他業種を圧倒した。
7月
7/5
漬物業界、文化継承へ連携機運 改正食衛法で構造変化
[2024.07.05 12784号]
6月からの改正食品衛生法の完全施行を受け、漬物業界の構造変化が加速しそうだ。
Point
漬物が製造許可制の対象業種に移行したことで、許可に必要な設備を持たない零細製造業者の撤退が進行。その影響と対策を独自取材で取りまとめた。
7/3
地域価格差に異変、北海道・沖縄が上位定着 物流費高騰など影響か
[2024.07.03 12783号]
Point
県別食料物価指数の年次推移解説。物流費の高騰に伴う北海道・沖縄の物価高を指摘。
7/17
農生産者の加工販売額、年額1兆円を突破 規制受け個人農家失速
[2024.07.17 12789号]
Point
農水省・6次産業総合調査をもとに、HACCP義務化や表示制度の複雑化による個人農家の加工品生産意欲の低下を解説。
8月
8/21
売場にコメがない 不作と地震注意で殺到
[2024.08.21 12808号]
関東や関西の都市部では、小売の棚にコメがほとんどない状態が見られる。コメ卸の在庫も「枯渇している」という声も聞こえる。
Point
8月最大の業界関心事。店頭・在庫状況や卸の現状など多角的に分析。
8/9
三菱食品「BPM2024」 日本食文化の輸出拡大 国内需要減、海外人気対応
[2024.08.09 12803号]
Point
独自の海外戦略を通じ、国内サプライチェーンの持続性確保の方向を示した。
8/9
サステナビリティ 未来への胎動:マルコメ アオサの陸上養殖挑戦 27年までに14t目指す
[2024.08.09 12803号]
Point
サステナビリティの観点から、画期的な食資源開発を取り上げた。
8/16
小売の的 未来への顧客創造:良品計画 諸国良品で地域貢献 ネットに加え店舗も
[2024.08.16 12805号]
Point
地域商品を扱う調達戦略に目を向けた。小規模生産者への貢献にもつながる取り組みを紹介。
8/30
機能性表示食品とトクホ、9月から規制強化 報告義務化やGMP順守など
[2024.08.30 12813号]
Point
健康被害発生時の当局報告義務強化方針を分かりやすく解説。ルール変更スケジュールを詳述。
9月
9/25
「東北物流みらい研究会」が発足 共同配送で15社協業 垣根越え新物流網を
[2024.09.25 12827号]
トラックドライバーの時間外労働規制の適用によって輸送能力の低下が危惧される「2024年物流問題」をめぐり、東北の小売業が協業に向けて動き出した。
Point
東北の物流研究会発足を通して、全国で直面する物流課題へ小売業の連携が広がっている状況を詳しく解説した。
9/2
厚労省、3年ぶりに「国民健康・栄養調査」実施 野菜摂取量が悪化
[2024.09.02 12815号]
Point
ソースは厚労省・国民健康栄養調査。想像以上に大きな問題で、業界でも話題となった。
9/2
AlgaleX、新たなうまみ食材「うま藻」提案 AIで均質な生産管理 泡盛かす栄養源に
[2024.09.02 12815号]
Point
食資源を有効利用した新素材を紹介。サステナブルな食材として注目した。
9/4
今秋の健康訴求商品 食物繊維・ビタミン増加 腸活ブームを反映
[2024.09.04 12816号]
Point
健康訴求型商品の開発トレンドを解説。注目の栄養成分も取り上げ、今後の動向を探った。
10月
10/23
食品値上げ 10月以降3000品超 価格改定作業の合理化急務
[2024.10.23 12841号]
食品業界が今秋も値上げ対応に追われている。業績改善などを背景に値上げメーカー数は昨年の半分に減少した見通しだが、それでも10月以降の価格改定数は3000品超と規模が大きい。
Point
10~3月の値上げ予定アイテム数を本紙独自調査で集計・分析。対象カテゴリー、要因、マスタ変更等の業務負荷発生状況など具体的に示した。
10/16
菓子メーカー、「喫食音」を価値化 “音を食べる”需要創造
[2024.10.16 12838号]
Point
スナック菓子などの喫食音の情緒的価値に関する複数メーカーの研究成果を紹介。イグノーベル賞受賞学者の先行研究に言及も。
10/21
SMギフト好調、1~9月は4.2%増 パーソナル需要急拡大
[2024.10.21 12840号]
Point
手土産の購入先として存在感を高めつつある食品スーパーのギフト動向をPOSデータに基づいて解説。
10/25
GMS・SM中間決算、13社が減益 粗利率低下、人件費増吸収できず
[2024.10.25 12842号]
Point
節約志向と価格転嫁の遅れに起因する粗利低下と人件費を中心とする販管費の膨張を俯瞰。
10/28
フェムテック市場、食品ニーズが拡大 手軽さでより身近に
[2024.10.28 12843号]
Point
日雑先行のフェムテック市場を展望。トレンド情報を網羅的に押さえたいメーカー・卸のマーケッターに訴求。
10/30
日本加工食品卸協会「N-Sikle」、年内めどに運用開始 見積もり情報標準化
[2024.10.30 12845号]
Point
日食協が2年越しで準備を進めてきた製配見積もり支援ツールの開発背景、導入計画を解説。
11月
11/22
新ジャンル拡販 ビール類内で4割堅持 年末年始へ値頃さ訴求
[2024.11.22 12856号]
年末年始に向け大手メーカーのビール系新ジャンル(発泡酒(2))への注力が加速している。近年は酒税改正による増税が続き苦戦を強いられているが、物価高の中で節約志向が顕在化。
Point
複数の新商品情報をもとに、節約志向による新ジャンル回帰という足元の消費トレンドをタイムリーに解説。
11/13
業務用卸、検品効率化で団結 標準QRコード活用
[2024.11.13 12852号]
Point
外食協が打ち出した期限情報付き標準QRコードによる入荷検品合理化→荷待ち・荷役削減施策を解説。
11/15
10月まで食品値上げ6万品超 国分グループ本社の価格改定実績 業界対応は依然厳しく
[2024.11.15 12853号]
Point
国分グループ本社の商品マスタ更新情報を活用し、今年の業界全体の商品値上げ件数を推計・分析。
12月
12/6
群馬製粉、日本初・植物工場で「生ヨモギ」水耕栽培 安定供給を可能に
[2024.12.06 12864号]
群馬製粉は、日本初の完全人工光型植物工場で水耕栽培する生ヨモギの製造・販売を開始する。
Point
生産量が不安定な生ヨモギを工場で栽培、和菓子メーカーなどへの安定供給につなげる地域製粉会社の取組みを独自取材で解説。
12/4
サステナビリティ 未来への胎動:エフピコ 店舗起点のリサイクル
[2024.12.04 12863号]
Point
食品容器大手のエフピコが推進する食品トレーのリサイクルループモデルを解説。スーパー1万1000店舗が回収に参画する社会的影響度の高い取組み。
12/6
変わる消費・購買行動:家庭用醤油1L復調 値上げ後の付加価値化に変化
[2024.12.06 12864号]
Point
コロナ後の醤油の市場動向を概観。主力は小容量密封容器だが、節約志向による1L回帰など新たな動きも。