全国卸流通特集
新型コロナウイルスの感染拡大が想定を超えて長期化し、食品卸業界が難しい舵取りを強いられている。緊急事態宣言の発令に伴う生活者の行動変化を受け、外食需要の回復に見通しが立たないほか、巣ごもり消費で堅調な家庭用市場では、今後の競争激化を懸念させる要因が相次ぐ。
内食需要にシフトが進む中で購買スタイルの変容が顕在化し、小売店舗での買い物回数が減少する一方、ECや宅配が急速に伸びている。20年度の通販市場は前年比20.1%増の10兆6000億円(日本通信販売協会調べ)と初の大台を突破し、CVS市場に匹敵する規模へ成長。かねて表面化していたネットとリアル店舗の競争は、コロナ禍を契機に新たな局面へ突入しそうだ。
この1年半、中断していた小売業の見積もり合わせの再燃を懸念する声も強い。昨年は店舗に客が殺到し、小売業は何よりも商品の安定供給を優先していたが、今年はその特需が消失。巣ごもりが長期化する中で業態間の顧客の奪い合いが進み、卸へ価格対応を求める要請が再び強まっているという。
相次ぐ流通業界の再編も、卸の経営に影響を与えそうだ。コロナ禍に見舞われた昨年から今年にかけて、小売業界ではM&Aや合従連衡の動きが加速。DgSが地域SMを傘下に収める業態を超えた再編も見られ、既存の取引構造に変貌を迫る可能性もある。
長期的な外食市場の不振を背景に業務用卸と総合大手卸が連携を強める動きも見られるなど、業界の勢力変動を促しそうな事例も後を絶たない。
昨年は卸業界が平時を大幅に超える商品供給に対応し、サプライチェーンの維持へ尽力する中で、それまで過剰だった物流サービスの是正が進むなど収益改善の兆しも見られた。それでも20年度の大手総合卸7社合計の経常利益率は平均0.69%の低水準にとどまり、業界指標の1%にはほど遠い着地となった。
卸業界が低収益体質改善の糸口を容易に見いだせない中、下期以降の相次ぐコスト圧迫要因へどう対処するか正念場だ。コロナ影響は少なくとも来年一杯は継続し、収束後も生活様式の中で元に戻らない部分が相当出てくると懸念する卸関係者は多い。
そうした中で、卸は厳しい市場環境を乗り切る耐久力・合理化に加え、変化へ的確対応できる経営戦略の双方を追求することが不可欠な情勢だ。大手卸が今期始動した経営計画では、従来の物販の収益だけに頼らない新たな事業モデルの構築ほか、業界連携によるサプライチェーンの最適化推進で効率性を追求するなど、収益構造の抜本的な見直しを本格化させる動きも目立つ。
大手卸を中心に広がるサステナビリティへの取組みも、新たな業界潮流となるか注目される。従来、この領域は社会貢献のイメージが先行してきたが、人手不足や地域の衰退などが深刻化するわが国にとって、持続可能性の追求は避けて通れない課題へ浮上してきた。
本業を通じたサステナブルへの取組みは、新たな事業機会の創出や非効率な商慣習是正、地域食文化の継承など、卸経営に多面的なメリットをもたらす可能性も秘めるだけに、業界共通の課題として取り組むスタンスが求められそうだ。(篠田博一)
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卸・商社 2021.09.30山星屋の小西規雄社長は、コロナ禍で日本のデジタル化への対応の遅れが浮き彫りになったと指摘した上で、卸売業において「サプライチェーンの全体最適化への取組みに向け、商品の調達から販売に至るまでの流れを総合的に管理するシステムの導入を含めたデジタルトランス…続きを読む
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卸・商社 2021.09.30コンフェックスの昆靖代表取締役社長兼グループCEOは、100年以上の歴史を誇る企業の構造改革に着手した。グループ会社の中部コンフェックス、中四国コンフェックス、九州コンフェックスをコンフェックス本体に統合。流通市場をめぐる環境が激変する中、グループ全…続きを読む
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全国卸流通特集:菓子卸トップに聞く=高山・高山時光社長 21年が「基準の年」…
卸・商社 2021.09.30高山の高山時光社長は、2021年をウィズコロナ時代における「基準の年」になると語る。新しい生活様式下における生活者の購買行動も、ある程度の決まったものになりつつある。20年に発生した特需も落ち着いた。21年の菓子市場は19年比で伸長傾向にある。同社の…続きを読む
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全国卸流通特集:菓子卸トップに聞く=ハセガワ・眞壁政雄社長 売上高250億円…
卸・商社 2021.09.302021年3月期に売上高250億円超えを達成したハセガワの眞壁政雄社長。20年3月期に売上高を8.7%伸長させ、コロナ禍に伴う巣ごもり消費の増加が落ち着いた21年3月期も売上高を5.3%増と高い成長を示した同社の強みは複数ある。一つは、中堅菓子卸だか…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸=アフターコロナ、問われる酒の真価 家庭用市場を深耕
卸・商社 2021.09.30新型コロナウイルス禍で2年目の秋を迎えた酒類業界が、活路を見いだそうともがいている。業務用市場は、飲食店に対する酒類の提供停止措置などを受け壊滅的な打撃を受けている一方、家庭用はビール需要の開拓や機能系商品といった高付加価値品の提案が増え、家飲み需要…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く現状打破のキーワード
卸・商社 2021.09.30下期に入っても新型コロナの影響から抜け出せない21年の酒類業界。かつてない苦境を打破するためのキーワードを、全国系卸の酒類トップと各エリアの有力酒卸トップに聞いた(日本食糧新聞7月17日付「酒類流通の未来を探る」から再録)。(岡朋弘)
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=国分グループ本社・東野聡執行役員 単価アップと個…
卸・商社 2021.09.30◇国分グループ本社・東野聡執行役員マーケティング・商品統括部酒類部長 家庭用は昨年好調だった反動で今年は8割ぐらいの店舗で売上げが落ちている。19年に比べればプラスだろうし、コロナ次第の業務用に比べればずいぶんよい。ただ、ビール類の価格の下落が進ん…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=日本酒類販売・村上浩二取締役 酒類のコーディネー…
卸・商社 2021.09.30◇日本酒類販売・村上浩二取締役常務執行役員営業本部本部長 当社は業務用需要が蒸発したことで疲弊している料飲店や業務用酒販店、地方メーカーの役に立ちたいと考えている。当社の「商品調達力」「供給機能」を生かした豊富な商品群を皆さまに積極的に利用してもら…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=三菱食品・橋本和典常務執行役員 ワクチン接種の広…
卸・商社 2021.09.30◇三菱食品・橋本和典常務執行役員酒類事業本部長 今年後半を考えると、ワクチン接種の浸透と経済活動の再開が最大の関心事。接種が広がれば観光や外飲みは増加に転じるだろう。そうなれば政府によるGoTo事業などにも期待したい。流通業としては、これら状況に応…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=三井食品・佐藤友治商品本部副本部長 新しい生活様…
卸・商社 2021.09.30新しい生活様式にしっかり向き合うという意味で「環境変化への対応」を挙げたい。二極化するニーズにどういう提案をしていくか。ノンアル飲料が伸びているのなら、いかに情報発信するかを卸の立場で考えていく。 物流対策では、「製配販の連携」も欠かせない。「量か…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=伊藤忠食品・角田憲治取締役 コロナ禍の変化に対応…
卸・商社 2021.09.30◇伊藤忠食品・角田憲治取締役常務執行役員 「引き続き変化への対応」を挙げたい。コロナ禍で消費者の行動や生活様式が大きく変化している。コロナ後は「業務用低調」「家庭用好調」の構図が少しずつ変わってくるだろう。消費変化をよく見極める必要がある。 二つ…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=イズミック・盛田宏社長 自社ブランドの育成に注力
卸・商社 2021.09.30「高付加価値・健康志向・新領域の開拓」が必要だ。その上で当社では、各子会社で製造する自社ブランドの育成が鍵となる。盛田金しゃちビールでは3月、RTDリキュール新ブランド「hyva(ヒュヴァ)」を発売した。国産果汁の含有量の高さと微炭酸の軽やかな口当た…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=名畑・名畑豊社長 感染防止対策で提案力発揮
卸・商社 2021.09.30これまでに飲食店の感染防止対策に何が良いのかを探り提案することで、店舗が万全の体制でお客さまを迎えてもらえるよう考えた。感染防止対策の2本柱として、自社で開発した飲食時の使用を想定したマウスシールド「いただきマウス」の販売や、空気中のウイルスなどを分…続きを読む
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全国卸流通特集:酒卸に聞く=新潟酒販・雫石明社長 地域密着を深め県産酒拡大
卸・商社 2021.09.30蔵元と新商品を作ったり複数の蔵元の商品を組み合わせての売り方の提案を定期的に行っている。県内には“規模は小さくて上質な酒を造る蔵元”が多数ある。 4月から県内90近くある蔵元、すべての社長に要望を聞いて回ることを始めた。想定以上に蔵元によってさまざ…続きを読む
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全国卸流通特集:存在感高め頼られる問屋へ きめ細かに地域の隅々まで対応
卸・商社 2021.09.30想定を超えて長期化するコロナ禍において、一部で感染防止対策を徹底した上でリアルの展示会を開催する動きが見られた。五大物産(大阪市)は6月に大阪市中央卸売市場内で「定期商談会」を実施。事前に取り決めたスケジュールに沿って商談を行うなど、「新しい形の商談…続きを読む
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全国卸流通特集:エリア別動向=北海道 新戦略打ち出し乗り切りへ
卸・商社 2021.09.30道内食品・酒類業界はコロナ禍2年目に突入した。内食、中食、外食を取り巻く環境は激変し、休業状態のまま閉店する飲食店や道内各地の老舗ホテル廃業などが相次ぎ厳しい状況が続いている。北海道は感染拡大の第5波に襲われ、8月2日のまん延防止等重点措置適用、27…続きを読む
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全国卸流通特集:北海道酒類販売・伊関淑之社長 業務改善、物流を再構築
卸・商社 2021.09.30北海道酒類販売は、業務用酒販店などへの売上げが全体の約4分の1を占め苦境にある業務市場再興に全力を挙げるとともに、ローコスト経営への意識改革と業務改善による営業・物流体制再構築、新たな戦略拠点に位置付ける後志支社・後志配送センターの機能強化に取り組む…続きを読む
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全国卸流通特集:エリア別動向=東北 製配販3層の課題浮き彫り
卸・商社 2021.09.30◆労働環境改善待ったなし 行政・ベンチャーらと東北発信 巣ごもりによって家庭内調理、家飲みなどの消費行動が日本全国で定着している。量販店では当初の異常な商品の流れに戸惑いミスも発生したが、1年半の経験で消費動向をつかんで売場に反映させてきた。先の見…続きを読む
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全国卸流通特集:エリア別動向=新潟 菓子卸業界、激変の様相に
卸・商社 2021.09.30新潟県内の流通業は、卸業・小売業ともに大きな再編が起こっている。卸では広島の菓子卸、外林が新潟県内へ本格進出。SMでは店舗数2位ウオロクと3位マルイが業務提携した。すぐに大きな変化はないものの、今後の市場環境は競争激化の様相だ。外食産業も厳しさが増す…続きを読む
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卸・商社 2021.09.30関東の小売動向は、ディスカウントストア(DS)業態の開発に着手し、低価格ニーズに対応する一方、コロナ禍で需要が伸長したEC(電子商取引)への対応を強化する。コロナ禍で消費行動の変化に対応しながら、先行き不透明の中で節約志向へ対応するともに食品を強化す…続きを読む
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卸・商社 2021.09.30千葉県の有力地域卸であるユアサ・フナショクはコロナ禍の影響で、前期はホテル部門が打撃を被るなど苦戦を強いられた。しかし、食品を担う商事部門は巣ごもり拡大や新規取引の拡大などで好調に推移し、その傾向は今期も継続。同社・山田共之社長は今期の経営強化策に(…続きを読む
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卸・商社 2021.09.30長引くコロナ禍が重くのしかかる甲信エリアの中間流通業界。地域経済に大きなウエートを占める観光業の低迷、飲食店の営業制限などで、業務筋関連を中心に厳しい舵取りを迫られている。内食化を追い風に好調だった家庭・市販用も、昨年4~6月ごろの“巣ごもり特需”が…続きを読む
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卸・商社 2021.09.30静岡県内における百貨店・食品スーパーの20年販売額は既存店ベースで前年比6.5%減であった。ただ業態別では、百貨店が同24.4%減に対し、食品スーパー(SM)は同3.5%増と大きく異なる結果となり、飲食料品の取扱比率と消費者の利用用途が明暗を分ける形…続きを読む
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