近畿中四国業務用低温卸流通特集2023

2023.06.10
近畿中四国業務用低温卸流通特集2023

 業務用市場が息を吹き返している。2022年は年初こそコロナ対策規制で大きくダメージを受けたが、3月のまん延防止等重点措置の解除後から市場は緩やかに回復を続け、振り返るとV字回復の一途をたどった。外食産業市場規模の伸び率は日本フードサービス協会発表では前年比13.3%増、惣菜市場規模は日本惣菜協会発表で同3.5%増の10兆4652億円となり、19年と比べると外食市場5.8%減、惣菜市場1.4%増となったもようだ。
 近畿中四国エリアの業務用卸各社と総合卸低温・フードサービス部門で今回出揃った22年度実績は市場の伸び以上となり、前年比で4割近い売上げ伸長率をたたき出した外食専業卸が出たほか、収益では過去最高記録が続出。コロナ禍に抜本的な経営体制の見直しと改革が進み、変化の少なかった業界でも企業体質が健全化しつつある。一方、コスト高騰と人手不足は継続的な課題となり、物流の2024年問題も目前に迫る。外食産業待望の“脱マスク”で想定以上の需要回復に沸く23年の業務用市場だが、10年後に存在価値を放ち続けるために卸各社は新たなかじ取りが求められそうだ。(近畿中四国エリア・業務用低温卸流通取材班)