そばの収穫=18年12月、タイ・チェンライで。提供写真
タイ北部のチェンライ県で、日本産のそばを栽培している北海道出身の井上和夫さん(73)のタイとの出合いは、今から三十数年前にさかのぼる。日本での事業を一区切りし、タイを旅行していた時のこと。現地の人々の生活に触れ、暮らしを知る機会があった。 現在とは比べようもないほどの貧しさ。地方に行けば行くほど、それは顕著だった。後に結婚することになるヌイさんの出身地チェンライは、山の向こうがミャンマーの密林。「言い過ぎた言い方だが、人間の生活ではないと感じた」